ゲシュタルト療法は自分らしく生きるためのアプローチ

ゲシュタルト療法とは、フレデリック・パールズによってが生み出した『今、ここ』での気付きを重視した心理療法です。
ゲシュタルトの語源は、「まとまった全体」、「統合された形」というドイツ語のです。

ゲシュタルト療法は、人間の心を安定と自分らしさの表現のためには、意識をどこに置くことが望ましいか、どのような対人関係の価値観を持つことが良いのかを学ぶことができる心理療法だと感じていて、自分らしく生きるということを大切にした理念だと感じています。

過去へのこだわりを断つ心理療法

人の存在は、性別、年齢、過去、現在、未来、人間関係、仕事、恋愛など様々な要素や体験などが統合され成り立っています。
しかし人を構成する要素の中に、心残りや誤魔化したり抑え込んだ感情が含まれていると統合された人格は『未成熟な形』となります。

そして未成熟な部分が、人間関係の構築の邪魔をしたり、心や体に異常をきたすという形で現れるのです。

ゲシュタルト療法は未成熟な部分を発見し、その未成熟な自分の一部と和解することで、自分という全体を『成熟した人格』に統合し直すのです。

成熟した人格は、『今、ここ』を生きている人格です。
自分を誤魔化したり、押さえつけたりせず、自分のしたいこと、自分のすべきことを理解して行動することが『今、ここ』を生きるということなのです。

主なゲシュタルト療法の技法

ゲシュタルト療法には特徴的ないくつかの技法があります。

エンプティチェアー

誰も座っていないからの椅子を用意して、クライエントが何かを伝えたいと思っている人物がそこに座っていると仮定し、伝える事ができていない意見や感情やを伝えてもらう技法。

トップアンダードック

「〜したい自分」と「〜せなばならない自分」という対立する感情を持つ自分同士を対話させ納得いく答えを導き出す技法。

未完遂のワーク

過去にやりたかったのにやれなかったことを行ってもらい、感情の解放を促す技法。

ロールプレイ

できない事をできる自分を演じてもらったり、クライエントにとって重要な意味を持つ他者になり切ってもらうことで問題の解決を図る技法。

言葉と行動の一致

言葉に行動を合わせ自分の気持ちを的確に表現したり、行動に言葉を合わせる事によって、今の自分の気持ちに気付けるようにする。

ドリームワーク

クライエントの見た夢の登場人物や事物を演じてもらい、演じることで夢を体感し気付きを促す技法。

事実と感情表現

事実を語ってもらい、その後に事実に対する感情を語ってもらう技法。

ゲシュタルト療法とカウンセリング

ゲシュタルト療法は、一言でいえば精神と身体の統合を目指しています。
過去に囚われていたり、世間体や他者評価を基準にして自分の本心を無視していたり、望んでいない行動をしているとバランスを崩してしまいます。
そのバランスの崩れが、心身の症状や行動となって表れて悩みとなります。

カウンセリングの中では、ゲシュタルト療法の視点を取り入れて話を聴いていることは多いです。
話を聴いて悩みが生じている要因となっているバランスの崩れがとこなのか、そのバランスの崩れはどうすれば整うのかを考えて、質問やアドバイスを行っています。

特にカウンセラーからクライエントに向けて行っている質問は、ゲシュタルト療法の視点を取り入れて行っていることもあります。

自分の本心を語ること自体が、心身のバランスの調整になることも多いので、カウンセリングの中で、話の流れに沿って必要な質問を投げかけています。
その質問に、ゲシュタルト療法の手法を取り入れています。


ゲシュタルトの祈り
最後に、私が好きな『ゲシュタルトの祈り』という一文を紹介したいと思います。
自分という存在を大切にする心構えにもなる文章だと思っています。

私は私のために生き、あなたはあなたのために生きる。
私はあなたの期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
そしてあなたも、私の期待に応えて行動するためにこの世に在るのではない。
もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。

フレデリック・パールズ


下記は、主な心理療法に関する説明です。
カウンセリングオフィスAXIAでは、来談者中心療法を主体としつつ、相談内容に合わせて他の心理療法の理論を用いてカウンセリングを行っています。


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