防衛機制とは

人間の脳は、環境を生き抜くために自分を守ろうとする働きが強いということをアダルトチルドレンと心の歪みの中で書きましたが、心理学では防衛機制という心を守る仕組みに関して、分かりやすく分類されています。

防衛機制は、私たちも生活の中で無意識に使っています。
特にストレスを受けて心に余裕がない状態になり、ストレスから逃れることを優先しようとした時には、その場しのぎや誤魔化しとなるような防衛機制の
使い方をしてしまいます。
しかし、人間はいろんな経験を重ねることで、効果的に防衛機制を使うようになっていきます。

ただ、ストレスを受け続けて、防衛機制を何度も働かせなければならない環境で生活していると、社会に適応することが難しい心の働きのパターンが身に
ついてしまいます。

防衛機制の種類

下記に防衛機制の種類を取り上げているので、自分はどれをよく使っているか確認してみて下さい。

抑圧

本音や嫌な出来事を心の奥(無意識)に押し込めてしまうこと。
人は、心の安定を保つため嫌な出来事を忘れたり、他人との関係を崩さない為に本音を押さえたりすることがあります。
しかし、無意識に押し込めたものがうまく発散されず満杯になってしまうと、さまざまな症状として抑え込んだものが別の形となって現れてくるのです。
ちなみに、意識的に現実の必要性に合わせて本音や嫌な出来事を抑え込むことは、抑制といい、意識しておこなっている分、抑え込んだ感情を別の形で発散することが可能です。

転移

ある人物への重要な感情を別の人に向けること。
例えば、家庭で父親への反抗心を、父親と同じような年頃の教師に向けてしまうことをいいます。
学校で先生に反抗的な態度をとってしまう子は、家庭内で生じた感情を学校で発散していることもあるのです。
また、両親の愛情不足が原因で、子供がいつも不幸な恋愛をしてしまうようになってしまうこともあります。
親によって満たされるべき愛情を、恋愛の相手に過剰に求めて相手がそれを受け止められなくなり、関係が壊れてしまう恋愛を繰り返してしまいます。

転換

心の葛藤や不安を、身体症状で表すこと。
ピアノの発表会で以前の失敗が思い出され、また失敗するのではないかという不安と緊張が、ピアノを弾こうとすると手が震えるという身体症状となって現れることも転換の一つです。
心の葛藤や不安をそのまま受け止めるようにし、無意識に押し込めず、適度に発散できることが望ましいのです。

合理化

もっともらしい理由で、自分の欲求を正当化すること。
仕事でミスをした時に、周りの人間やパソコンや機械の責任にすることです。
あまり理不尽な合理化ばかりしていると、信用をなくし人間関係が壊れたり、反省することをせず同じ過ちを繰り返してしまいます。
自分にとって受け入れたくない事も、合理化し誤魔化したりせず、辛くても真正面から受け止めことも必要でしょう。

反動形成

ある感情を認めたくない為に、全く逆の行動をとってしまうこと。
小学生の時など、男の子が好きな女の子にいたずらをしてしまうのも反動形成です。
また、不安で弱気になっているのに強がって見せたり、悲しいのに笑って見せたりなど、自分の認めたくない所を、その反対の態度で隠す行為を反動形成といいます。
強がることも人生では必要かも知れませんが、自分の気持ちを素直に認め、素直に表現した方が周りの人は素直に助け船を出したりできるのではないでしょうか。

退行

行動や言動が子供時代に戻ること
心のバランスを保つ為、仕事や人間関係のストレスを解消する為には、子供心に戻って思い切り遊んだり、人に甘えることも大切です。
多少の退行は、大人の中にある子供心を活性化させ、心のエネルギーを回復させます。
しかし、度が過ぎた退行は、周囲の人間がそれにつきあう事が困難なですので、気をつけましょう。

昇華

現実に適応する形で、欲求を満たすこと
心の中にある衝動や葛藤を、スポーツや芸術活動を行い、社会的に認められる形で発散することを昇華と言います。
不良と言われケンカなどを繰り返していた人が、ボクシングをすることで欲求を満たしたり、社会への不満や疑問を小説を書くことで表現し満足感を得るなど、という行為は社会的にも認められていて、場合によっては大きな成果を生む場合もあります。

防衛機制のコントロール

上記でも説明した通り、防衛機制が強すぎると社会に上手く適応できなくなってしまう可能性があります。
例えば、不登校、出社拒否、帰宅拒否、暴力、暴言、虚言、依存行為なども防衛規制が悪化した状態です。
そんな状態にならないように防衛機制をコントロールすることが必要なのですが、主な方法を2つ説明します。

ストレスコントロール

1つは、ストレスをコントロールして蓄積させないことです。
ストレスを解消するための気分転換や休養を取る習慣を持っている人は、ストレスケアができているため、過度にストレスを溜め込みません。
自分なりのストレス解消の習慣を持つことが大切です。

学習

もう1つは、学習です。
学習というのは、自分の経験から同じような失敗をしないようにすること、他人の行動を見て望ましい行動を学ぶこと、本などから知識を得て行動に活かすことです。
防衛機制を使わずに生活することはできないので、どのようにしてストレスを正面から受け止めないようにするのか、ストレスに強い心を作るのかということを学習して実行していくことが大切です。

カウンセリングに来られている人もさまざまで、防衛機制がコントロールできていないために悩みが大きくなっている人から、比較的上手く防衛機制をコントロールできていると感じる方もおられます。
そんな方は、知的好奇心も強く、いろんなこと、いろんな人から何かを学ぼうという姿勢を持っておられるように感じます。

防衛機制は、その人の心の在り方と強く関係しているので、上手くコントロールする術を身に着けることが望ましいでしょう。


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