カウンセリングの3大理論

カウンセリングを受けてみたいと思っても、カウンセリングは誰かから口コミや評判を聴く機会が少ないサービスであり、誰もが確認できる形が存在するものではないので、利用することを決断するのに勇気がいるという人は多いと思います。
この記事では、カウンセリングとは何かについて、いくつかの理論や心理療法などの話も交えて説明します。

まずは理論についてですが、カウンセリングはカウンセラーによって多少アプローチの仕方が違いますが、概ね3つの理論に該当する方法で行われています。
3つのうちの1つの理論だけに準じて行っているよりは、3つの理論でどれを重視しているかがカウンセラーによって違うという感じです。

来談者心理療法の理論

まず1つ目が来談者中心療法の理論を土台としたカウンセリングについて説明します。

来談者中心療法は、クライエントの寄りう傾聴を重視しています。
自分の価値感は心の傍らに置いておき、クライエントの話を肯定し、共感し、受容するという過程を経てクライエントの人格の再構築、その先の行動変容を目指す方法です。
この理論の中では、カウンセラー自身の自己一致も重要だと言われています。
自己一致は、自分の気持ちに気づけていて、気持ちと言動に解離が無い状態です。

自己一致したカウンセラーが話を聴くことによって、クライエントの心の成長が促進され、心の悩みや問題の解決へとつながっていくという理論です。

来談者中心療法の課題

来談者中心療法の課題は、じっくりとクライエントの心の成長と行動の変容を待ちながらカウンセリングを進めていくので、時間が掛かるという点です。
そして、相談内容によっては、早い段階でクライエントに対するカウンセラーからのアドバイスが求められるので、来談者中心療法の固執しすぎると問題が悪化してしまう恐れがあります。

精神分析的療法の理論

精神分析的療法の理論を土台としたカウンセリングについて説明します。

精神分析的療法はフロイトが唱えた理論で、まだ科学が十分に発展していない時代に目に見えない心の構造を文章化したことに価値があります。
また、精神力動と言って心の働き方を分かりやすく文章化したことは、心の悩みを理解して、援助していくための手掛かりにもなっています。

フロイトの理論は一種の偏りもありますが、フロイトの理論からどのような理論が派生していったのか、現代のカウンセリングにどのようにつながっているのかを学ぶことは、人の心について考える手掛かりを得るために重要だと言えます。

精神分析療法の課題

精神分析的療法の課題は、理論の偏りであると感じています。
偏っているからこそ、傾倒している心理学者やカウンセラーも多いですが、カウンセリングの現場では、この理論だけを視点に対応すると解決が難しくなる相談内容もあります。
この心理療法を中心にカウンセリングを行うなら、他の理論を柔軟に組み合わせることが求められると感じています。

行動療法の理論

行動療法の理論は、行動を変化させることによって心理的な変化を促し、問題の解決を図るというもので、行動理論が発展して生まれた心理療法です。
行動理論は学習理論とも言われています。
依存症のように、不適切な行動が習慣化している場合、その行動を抑止させて別の適切な行動を身につけさせる方法として行動療法が用いられます。
また不安症に対して系統的脱感作法、恐怖症に対して暴露法という行動療法の手法が有効であると言われている。

行動療法の課題

クライエントの状態をしっかりと見極めずに行動療法を行うことは、症状の悪化を含めた大きな負担をクライエントに負わせることにもなる。
短期解決が可能になる心理療法ではあるが、カウンセラーがクライエントの問題の解決を焦ったり、行動療法の効果を過信して用いてしまう可能性がある。

折衷療法によるカウンセリング

上記の説明のように、それぞれの心理療法の特徴がはっきりしていますが、実際にクライエントの悩みや問題を解決するためには、1つの心理療法に偏ることなくクライエントの悩みや心身の状態などに合わせて対応することが求められる。
3つの心理療法や他の心理療法も含め、柔軟に使い分けてクラインエントの悩みや問題の解決を目指すカウンセリングを折衷療法、折衷的カウンセリングといいます。

カウンセリングと心理アセスメント

カウンセリングでは、相談を受けた段階で心理アセスメントをしっかりと行うことがその後の経過を左右します。

アセスメントとは、「評価」「判断」という意味ですが、カウンセリングでは、クライエントの話を聴き、その悩みがどんな性質のものなのか評価して、解決のためにどんなアプローチをするのか、もしくは他の専門家や上級のカウンセラーに紹介をするのかなどを判断することを指します。
アセスメントにおける評価と判断の中身をさらに細かく分けると、情報収集、分析、推測、解釈、判断、選択、という作業に分けることができます。

良いカウンセラーほど、心理アセスメントを丁寧に行います。
心理アセスメントを丁寧に行うからこそ、クライエントの抱えている悩みや問題の解決のために何が必要か、どうすればクライエントとの負担を軽減しつつ、解決に導けるかなども見えてくるため、心理アセスメント後のカウンセリングの経過が良くなるのです。

まだ未熟なカウンセラーの場合でも、アセスメントをしっかりとすることで丁寧にカウンセリングを行うことにつながり、クライエントの要望に応えつつ実績を重ねていけます。

カウンセラーの話を聴く技術

カウンセリングは、『話を聴いてもらう』というイメージを持っておられる方が多いと思いますが、話を聴くという点においてプロのカウンセラーの話の聴き方はどのようなものかについて説明したいと思います。
カウンセラーは、カウンセリングの中で以下のような技法を話の流れを見極めて使っています。

傾聴

クライエントの話を遮らず、反論せず心を傾けて聴くことです。
クライエントにも関心を持って聴いてくれていると感じてもらうことが重要になります。

うなずきと相づち

うなずきは、クライエントが話すテンポを良くしたり、こちらが共感や肯定をしていることを伝えることにもなります。
ただうなずくのではなく、話に合わせてうなずく強さや深さを調整するところにカウンセラーの技術が表れます。

相づちは、うなずきと同じような効果がある技法ですが、「なるほど」、「へー」、「そうなんですね」と具体的な言葉で応じる点がうなずきとの違いです。

繰り返し

繰り返しは、クライエントの言葉をカウンセラーが同じように返すことですが、これの使い方はカウンセラーの腕が試されるところです。
カウンセリングスクールでは、繰り返しが大切だと教えられるようですが、その指導に違和感を持ったことがあるカウンセラーも多いのではないかと思います。

繰り返しは、話の流れの中で自然に行われ、その上でクライエントに今話している内容が重要だということを伝えるという効果が求められます。
繰り返しのタイミングを間違えると、話の腰を折ったり、会話に違和感が生じてクライエントが話しにくくなります。

承認

承認は、クライエントの話を肯定したり、評価していることを伝える技法です。
対話の中で行われる承認は、クライエントを励まし、勇気づける効果もあります。

保証

保障とは、「大丈夫」というニュアンスのことを伝え、不安や迷いの中にいるクライエントの気持ちを安定させるための技法です。
ただ、気休めに行っていると思われたり、カウンセラーは自分の辛さや苦しみを理解しているのだろうかと思われるようなタイミングで使わないように気を付けなければなりません。

要約

クライエントから聴いた話を短くまとめて、整理したものを伝え返す技法です。
伝え返すことでクライエントの中で自分の状況、感情や思考が整理されるという効果があります。

明確化

クライエントの口からは語られていないけど、カウンセリングを進める中でカウンセラーが推測したことについて話し、クライエントが言葉にできていない問題点や感情、思考などを明確にしていくことです。
明確化は、クライエントが向き合う準備のできていない問題を表面化してしまう恐れもあるので、クライエントの心の状態や成長を見極めて行うことが大切です。

解釈

解釈とは、クライエントの無意識下にある感情や記憶に対して、カウンセラーが言語化してクライエントに意識させる技法です。
これはクライエントの自己洞察力を高める効果がありますが、明確化と同じくクライエントにとって無意識下にあるものを意識させることが適切かを考えて使用しなければならない技法です。

質問

カウンセリングのおける質問には、2つの目的があります。
1つは心理アセスメントとも関係があるのですが、カウンセラーがアプローチの方向性を考えるための情報収集としての質問です。
情報収集の質問は、得られる情報によってカウンセリングの方針にも影響がでるため、どのような質問をするのかが非常に重要です。

もう1つは、クライエントが自分自身に問い掛けた方が良いことを聴くという質問です。
心身の健康状態が悪い、人間関係が上手くいかない、止めた方が良い行動を止めることができない、人生における重要な決断ができない、などの相談内容
に共通する点は、クライエントの自分自身への問い掛けの質に偏りや歪みがあるということが多いため、クライエントが自分自身に向けた方が良い質問を
カウンセラーが行うことで、悩みや問題の解決が進むという効果があります。

助言

助言とはアドバイス、指導や情報提供のことです。
助言は、何を言うかということより誰が言うかということが重要です。
カウンセラーがクライエントとの関係性をしっかりと構築して、この人のアドバイスなら受け入れてみようと思ってもらえることで効果につながります。

また、助言によってクライエントの日常生活に強制力が働くことは望ましくありません。
基本的には、助言を受け入れて実行するかはクライエントに選択の余地が必要です。
助言が、クライエントのコントロールになってしまっては、カウンセリングへの依存を招きかねないので注意が必要です。

自己開示

自己開示とは、カウンセラーが自分の情報をクライエントに開示することです。
カウンセラーの感情や思考を開示することは、クライエントとの信頼関係構築につながったり、クライエントの安心感を生むことにつながります。

時には、カウンセラーの近況やプライベートなことを聴かれることもありますが、基本的には離さない方がカウンセラー、クライエントの双方にとって望ましいと言えます。
ただ、差支えない程度の自己開示は、クライエントとの関係構築にはプラスになることもあるので、慎重に行うことが大切です。

私の考えるカウン話セリング

私は、国分康孝先生の
『カウンセリングとは、言語的、非言語的コミュニケーションを通して、行動変容を試みる人間関係である』
という言葉を指針にすることが、カウンセリングを行う上でしっくりします。
実際にカウンセリングを行っていても、しっかりと話を聴くことはクライエントの気づきを生み、洞察を深め、自己理解が進んでいき、その先にその人の行動に変化が生まれるということを何度も体験しています。

話を聴くのはクライエントの悩みの解決のため

カウンセラーは、ただ漠然とクライエントの話を聴き、漠然とアドバイスをしてはいけません。
それは、悩みの解決につながらないだけでなく、場合によって状態や状況を悪化させてしまうことがあるからです。
またクライエントを依存させてしまうことにもなります。

そこで、カウンセリングはクライエントの行動の変容を促すことであり、その変容が日常生活をより良くしていくと考えれば、話を聴くことの大切さ、話を聴くだけの不十分さ、アドバイスの内容とタイミングの重要さの指針となります。

私達は、行動の変容を促すために関わっていて、それを目的とした一つに人間関係がカウンセリングであると考えているからこそ、丁寧に関係性を築いていこうと思っています。

カウンセリングが悩みの解決につながる理由

多くの心の悩みの背景には、その人の心身の健康や人間関係、財産や時間などにとって不適切な行動の習慣化が確認できるのですが、クライエントの行動に変化が生じるということは、不適切な習慣が適切な習慣への変わっていくということであり、その結果悩みが解決していくのです。

私は、せっかくカウンセリングを受けていただくのなら、その人の習慣が良くなって欲しいと思っています。
強引に変化を生み出すことは適切ではありませんが、クライエントの心と行動が連動しながら、習慣が変化していくことはクライエントの人生に良い変化をもたらすと感じています。

カウンセリングが習慣の変化につながる理由

カウンセリングは、カウンセラーとクライエントがあって話をしている時間だけではなく、カウンセリングを受けてから次回までの生活がどう変化したのか、そのために何をしたのかということが重要です。

カウンセラーとして良いカウンセリングが行えているかどうかは、カウンセリングでクライエントが得た気づきが、日常生活の自己洞察や行動の変化を生んでいるかという点で評価できると考えています。

ただ話を聴いてもらったというだけで終わるのではなく、その人の人生が好転するカウンセリングを行うという意識がプロのカウンセラーには必要だと思うのです。

クライエント様へ

この記事を読んでいただくとカウンセリングがどんなものか知っていただけたのではないかと思います。
今、理解をしていただいているカウンセリングが、今あなたが抱えている悩みや問題の解決に必要だと感じたらご利用いただければと思います。

カウンセリングはカウンセラーが専門性を持ち、自分を変えたいという思いを持つ人の応援と手助けをする人間関係です。
カウンセラーとクライエントという1つの人間関係の中で、クライエントの悩みに対してパートナーシップを組んで取むことが心の悩みや問題の解決につながります。

もし、この記事を読んでAXIAの相談したいと感じていただけたとしたら嬉しく思います。
カウンセリングでお会いできることを楽しみにしております。


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