薬物療法は心の病に必要なのか?

心の病で精神科や心療内科を受診している方、これから受診しようと考えている方、心の病で薬を飲むことに抵抗を持っている方に、適切な治療を選択できるようになるために、心の病の薬について知っておいて頂きたいと思いこの記事を書きました。

薬物療法は、抵抗を持っていて薬を飲まないことが治療の妨げになっている人がいる反面、薬の副作用で調子が悪くなっている人がいるので、心の病の薬についての知識を持つことで、正しい治療を受けることができる人が増えて欲しいと思っています。


この記事と一緒に下記の記事も参考にして下さい。

向精神薬という心の病の薬

心の病は、大きく2つに分けることができます。
精神病と言われるうつ病、躁うつ病、統合失調症、神経症と言われるストレスによって症状が表れるものとがあります。
これらの心の病の治療に使用される薬のことを向精神薬と言います。

向精神薬は、飲むことで脳の働きに影響を与える薬物の総称です。
精神病の場合は、この向精神薬を用いた治療を軸に症状の緩和や予防を進めて行きます。
神経症の場合は、症状の程度によって向精神薬の一部が使用されることがありますが、基本は原因であるストレスへの対処が必要なので、心理療法が治療と予防の軸となります。

向精神薬には、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬、抗不安薬、睡眠薬などがあります。

向精神薬の種類と特徴

向精神薬には、それぞれ下記のような特徴があります。
ここでは簡単な特徴だけ記載しているので、まずは大まかな違いを覚えて下さい。

  • 抗精神病薬・・・幻覚や妄想の抑える薬で統合失調症の治療に使われる。
  • 抗うつ薬・・・うつを治療するために使用される薬
  • 気分安定薬・・・躁うつ病を治療するために使用される薬
  • 抗不安薬・・・不安を抑えてくれる薬
  • 睡眠薬・・・睡眠を促してくれる薬

副作用と依存性

心の病で薬を飲むということに抵抗を感じる理由に副作用と依存性が関係していると思います。
しかし、この違いをよく分からずに怖がっている人もいるので整理しておきます。

薬の副作用

薬の副作用とは、薬を飲むことで症状に効く効果のことを作用と言いますが、向精神薬も他の薬も上手く症状にだけ作用させることは難しいので、他の部分にも作用が表れてしまいます。

他の作用は、その人にとって望んでいるものではなく、程度によっては精神や身体に不都合な影響が出てしまうことがあります。
これが副作用と言われているものです。

そのため、薬がよく効くということは、その分副作用も表れやすいということもあるので、お医者さんは患者さんの治療と生活の質のバランスを考慮して薬の種類や量をよく考えて出さなければならないのです。

薬の依存性

薬の依存性とは、下記のような理由で薬の処方を止められない、止めるのが怖いという状態のことを言います。
依存には、精神依存と身体依存があり、薬の依存においてもどちらの依存も発生する可能性があります。

精神依存

薬における精神依存とは、心理状態が不安定になると処方を守らず薬を飲んでしまったり、症状が改善されていても薬を止めることに抵抗を感じる状態です。

身体依存

身体依存とは、薬の使用を止める、飲む量を減らすこと表れる離脱症状のことであり、薬を止めることに対する体の拒否反応と捉えて頂いて良いかと思います。

まとめ

この記事で説明した向精神薬の種類のそれぞれの説明、それぞれの副作用や依存性については、個別で詳しくまとめていきたいと思います。

まずは、心の病の薬に対する大まかな知識を得て頂くだけでも、心の病の薬に関する情報が少し整理できたのではないかと思います。

次回の記事では、心の病の薬とお医者さんの問診の関係について書きたいと思います。

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