親の嘘が子供の心の成長を妨げる

昨日の記事は、親が子供に嘘をつくと我慢が出来ない子供になってしまうという話です。

この話の親が子供につく嘘はどんな嘘かというと、子供が何かを買ってほしいと言った時、「10日後に買ってあげるから我慢しなさい!」と給料日の後まで待つように言ったのに、10日後になると何らかの言い訳をして約束を守らなかったという嘘です。

このような嘘が、なぜ子供を我慢できない子にするのかというと、待つことにメリットがないという体験をすることになるからです。

嘘が子供に与えるデメリットになる

最初は、10日間待つように言われて、待てば望みのものが手に入るという期待を持って子供は約束の日を待ちます。
その時点では、約束をしているので待つことのメリットを感じて我慢をしています。
しかし、期待を膨らませて当日を迎えてみると、親は約束を守ってくれません。

その結果、待つことにメリットがあると思っていたのに、待つことは期待外れで、失望を感じるだけの体験になってしまったのです。
このような体験を幼少期から繰り返していると子供はこう思うようになります。

『欲しいと思ったものはすぐに手に入れないといけない』

嘘をつかれて失望する体験を通じて、衝動を感じたら行動する方がメリットがあるという認識が脳に刷り込まれてしまうのです。

親の嘘が依存症、犯罪につながる

『衝動を感じたら即行動する方が得だ』という認識が強くなり、衝動を抑制することが出来ない人間になるということは、依存症になったり、犯罪を犯す
可能性が高くなるということです。

ギャンブル依存、アルコール依存、ネット依存、買い物依存、性依存。
犯罪なら、性犯罪、万引き、薬物使用、窃盗、強盗、その他さまざまな犯罪につながる心理的特徴が、親の嘘によって形成されてしまうのです。
もちろん、親に良く嘘をつかれて育った人が、確実に依存症や犯罪者になると言えるわけではありませんが、可能性が高くなってしまいます。

親の自制心の弱さが嘘を生む

実は、子供に嘘をついてしまう親は、その人自体が自制心が弱く、計画性が乏しいという可能性もあります。

それはどういうことかというと、子供に10日後に約束のものを買うと約束したにもかかわらず、お金を使ってしまって買えなくなってしまい、結果的
に約束を破ることになってしまうからです。
これは、嘘以前に、親自身の自制心の弱さ、計画性の無さが嘘を生み、その嘘によって子供も自制心や、計画性の弱い人間に育ってしまうという負の連鎖です。

実際に、依存症改善や犯罪の抑止のためにカウンセリングに来られている人の親は、何かの依存症だったというケースも少なくないのです。

カウンセリングには、さまざまな依存症の方が相談に来られていますが、私たちは、ご本人だけの為ではなく、その子供に対する負の連鎖を断ち切る
ことも目的としています。

自制心の弱さは、人生の幸福度を落としてしまいます。
自分の子供に幸福度の高い人生を歩んでもらうためにも、親の役割は大切だと思います。