いつも生きづらいと感じる理由とは
日常の生活の中で漠然とした不安や生き苦しさを抱えている人たちがいます。
またどうしても止められない行動がある人、他人と上手く人間関係を築くことができない人、体の凝りや疲れ、頭痛が取れないという人などがいます。
上記のような問題は、心の不安定さが表面化している可能性があります。
自分の心が不安定な理由ははっきりとわからないけど、ずっと不安定な気がするという場合は、その原因は親子関係や家庭環境にある可能性があります。
子供の心の成長にとって問題のある家庭で育ち、心の歪みを抱えることになる現象をアダルトチルドレンと言いますが、この記事を読んでいただいている方の中にもアダルトチルドレンに当てはまる人がいるかもしれません。
もしかしたらアダルトチルドレンかもしれない
もし子供の頃や学生時代から、心が不安定になることが多いということでこの記事を読んでおられるのなら下記の項目が当てはまらないか確認してみて
下さい。
当てはまる項目が多いほど、アダルトチルドレンである可能性は高いと言えます。
- いつも何か原因のよくわからない生き苦しさを感じている
- いつも同じようなパターンで人間関係が悪くなってしまう
- 他人を信用できないが、でも自分は愛情をもっと受けたいと思っている
- 子供に感情的に接してしまったり、すぐに叩くなど手をあげてしまう
- パチンコ、アルコール、買い物、恋愛などへの依存傾向がある
- いつも自分が悪い、自分はダメだと責めてしまう
- ちょっとしたことでもすぐに傷ついてしまう
- 他人に異常に攻撃的になったり、他人に批判的な感情が浮かぶ
- 常に自分を犠牲にしないといけないと思っている
- 生活の中でリラックスしたり、楽しむことが出来ない
- 常に孤独感、疎外感を感じている
このような悩みを抱えている原因を自覚できている人もいますが、カウンセリングで相談を受けている中では、原因はよくわからないけど、いつからか悩みや行動が生じていたという方も少なくありません。
ただ、カウンセリングの中で話を進めていくと、その原因が幼少期からの親子関係だということに辿り着く場合があります。
親子関係が心の歪みを作る理由
親子関係が心の不安定さや歪みを生み、アダルトチルドレンにつながるのか・・・。
それは、親子関係が人間の人格形成に大きな影響を与えるということと人間の性格は環境を生き抜くための防衛戦略であるということが関係しています。
人間は、脳が未発達のまま生まれてくるので、親や祖父母などの養育者から受ける影響によって脳がどのように成長するかが違いが生じます。
どんな家庭に生まれるかによって、脳がどのような刺激を受けるかという環境に違いがあるのです。
そして、脳は受ける刺激によって発達の方向が違ってくるのですが、脳がもともと持っている重要なプログラムは環境の中で生き抜くことであるため、強いストレスを受ける環境、ストレスを受ける機会が多い環境だと、脳は自分を守るための働きを強化しようとします。
例えば、ストレスの多い環境で育つ子供の脳は、下記のような強化の方法を無意識に選択しています。
アダルトチルドレン5つのタイプ
アダルトチルドレンには5つのタイプがあるのですが、それらは子供にとって安心することのできない家庭環境で育ち、環境に対する防衛手段として身に付いた癖が強化されたものです。
まだ心が未発達なうちにストレスを受け続けて育つと、下記の5つの特徴のいずれかが強化されてしまうのです。
このような振る舞いは、ストレスが多いほど強化され、子供の人格の特徴として形成されていきます。
そして、その特徴が強くなり、自分ではコントロールできないレベルになると、本心を抑え込んででも無理な態度、行動を選択するようになるので、心にさまざまな問題が生じてしまうのです。
アダルトチルドレンとは何か
親の影響によって、性格に過度な防衛パターンを持って育ち、大人になってからもその防衛パターンが悩みや疲労の原因となってい現象をアダルトチルドレンといいます。
アダルトチルドレンという言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、これは病名ではありませんし、1人の人間の変わることのない特徴を指す言葉でもありません。
幼少期に養育者から受けた影響とその影響によって大人になってからも生き辛さを抱えることになった状態のことを指す言葉です。
カウンセリングに来られる方は、アダルトチルドレンという言葉を知っていて、自分がそうであると自覚している人も悩みは自覚しているがアダルトチルドレンという言葉をカウンセリングに来るまで知らなかったという方もいます。
ただ、親子に対しては共通する認識を持っています。
- 自分は親に愛されていなかった、愛情を十分に感じられなかった
- 大人になっても親に優しさや思いやりを持って接することができない
アダルトチルドレンである人は、悩みと一緒に主に上記のどちらかの感覚を抱えています。
アダルトチルドレンは、心の不調、人間関係の問題、仕事での問題など、さまざまな問題につながっているので、自分はアダルトチルドレンかも知れない
という方は、カウンセリングで過去を見つめ直し、過去に受けた影響と現在を切り離していくことが必要です。
アダルトチルドレンが抱える苦悩
家庭環境は人間の人格形成に大きな影響を与えます。
機能不全家族で、アダルトチルドレンとして育った場合、物の考え方や行動の『癖』が強くなり、それが心の大きな負担を欠けてしまうのです。
しかし、幼い頃に身に着いた考え方や行動は、偏りが大きく無理があるのもでも、本人が自覚することは難しいために心の病として表面化してきます。
本人に苦痛を与えてでも表面化することで、今の考え方や行動の習慣を取り続けることが無理であることを知らせようとしているのです。
そのため、心の病を改善するということは、自分の考え方や行動を見つめ直し、自分に対して過度な負担を掛けている部分を和らげていくことでもあるのです。
カウンセリングでは、下記のようなさまざまな相談をお受けしていますが、その背景には家族の問題、アダルトチルドレンと思われるような心理的体験が存在します。
アダルトチルドレンが関係する心の病、症状
下記のようなことに悩まされている方は、幼少期からの体験が関係している場合もあるので、カウンセリングを通じて焦らず安全に自分の心と向き合い解決していくことが望ましいと言えます。
うつ状態 うつ病、神経症、恐怖症(人・環境、乗り物など)、不安障害、適応障害、PTSD、パニック障害、摂食障害(拒食・過食)、 パニック障害、慢性化したストレス、不登校、ひきこもり、ギャンブル依存、恋愛依存、買い物依存、SEX依存、DV(配偶者や恋人からの暴力)、痴漢、チック、手の震え、吃音、精神不安、憂うつ感、無気力状態、イライラ、不眠
自分に当てはまるものがあるという方はカウンセリングを受けてみて下さい。
カウンセラーは、話を聴きつつ原因や解決の方向性を考えてくれます。
アダルトチルドレンに対するカウンセラーのアプローチ
カウンセラーは、カウンセリングをしている中でアダルトチルドレンと思われる幼少期の過ごし方や心の病の状態だとわかると、現在表れている症状に対するアプローチと性格傾向に対するアプローチを行います。
心の病、症状へのアプローチ
心の病は、『病』だからと言って薬だけで改善しない場合や、薬に頼るべきではない場合もあります。
カウンセリングでは、ストレスを緩和することを目指してアプローチを行います。
ストレスによって症状が表れている場合は、原因であるストレスを取り除くにはどうしたら良いかと考え、ストレスを緩和させる方法をお伝えします。
性格傾向へのアプローチ
その人の性格傾向によってストレスが高まり心の病が生じたという場合は、性格の変化を試みるアプローチを行います。
人間の性格は、変わることがない部分があれば、意識をして変えることが可能な部分もあります。
アダルトチルドレンは、性格傾向の偏りが生きづらさになっていることが多いので、性格の歪みを変化させることが必要になる場合はあります。
アダルトチルドレンと思われる過去を体験していても、カウンセリングを受けることを選択する人は限られています。
しかし、アダルトチルドレンは、カウンセリングで改善できる要素が多いので生きづらさを抱えている人は活用して頂ければと思っています。
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