機能不全家族の影響を克服したいという相談

心の病や人間関係など、大人になってからもずっと悩み続けている心の問題があり、自分で調べているうちに機能不全家族という言葉に辿り着いたという方からカウンセリングの依頼を頂くことがあります。

私達は自分が生まれ育った環境で家族というものを体験するので、自分の家族と他人の家族を具体的に比較することがなく、そのため機能不全家族だったとしてもその生活を受け入れて大人になっていきます。

しかし、何かをきっかけで機能不全家族という言葉を知り、カウンセリングを受ける必要性を感じるという方が多いようです。

機能不全家族とアダルトチルドレン

機能不全家族は、『温かい家族間の心の交流』、『子どもが安心と安全を感じられる環境』、『地域との繋がり』という本来家庭が備えていなければならない条件が成り立っていない家庭のことを言います。
このような機能不全家族で育った場合、アダルトチルドレンに当てはまるような心の問題を抱える可能性が高くなります。

機能不全家族では、親のアルコール依存、DVや虐待、共依存関係という問題が存在していることも少なくありません。
また、機能不全家族は、世代間で連鎖しやすいという特徴を持っていて、機能不全家族で問題行動を行っている親自身も機能不全家族で育っている場合もあります。
カウンセリングの中でお話を聴いていると、アダルトチルドレンという状態が当てはまるという方の家庭は、概ね機能不全家族の世代間連鎖が存在します。

アダルトチルドレンにつながる世代間連鎖と家族の歴史

カウンセリングでアダルトチルドレンという問題を解決していくためには、ただ表面的な問題だけをカウンセラーが見ていてもダメで、クライエントの家族の歴史、育ってきた地域の文化的背景、そして家族の価値観などを理解していくことが必要になります。

家族の価値観は親が主導で子どもに伝えられていきます。
その世代間連鎖を引き継いだ家族の形を成り立たせるために、子どもの心の成長を阻害しても守ってきた価値観が何なのか良く考え、どのような形で家族のことをクライエントが受け入れていくことが望ましいかを考えてカウンセラーは話を聴きます。

機能不全家族で育った人がカウンセリングを受ける意味

機能不全家族の中でアダルトチルドレンとして育った人がカウンセリングを受けることは家族の世代間連鎖を断ち切り、新たな価値観を打ちたて生きていくきっかけになります。

カウンセリングを通じて自分の幼少期からの人生を振り返り、思い出を整理して、今まで囚われてきた価値観から距離をおけるようになった時、新しい価値観を自分に取り入れていくことができます。

機能不全家族で育った人のカウンセリングでは、自分を苦しめてしまう考え方に気づくこと、今囚われている考え方を払拭することが目的となりますが、そこまでの過程をカウンセラーがサポートします。

幼少期からの思い出を振り返ることは、まだ自分の心が十分に育っていなかった時を振り返ることにもなるので、心が動揺したり、話していて辛くなることもあります。
カウンセリングでは、話せるところから自分の事を話して頂き、幼い頃から抱えてきた悩みと決別して頂ければと思っています。

自分も機能不全家族で育ったかもしれないという方へ

この記事を読んでみたら『自分が育った環境も機能不全家族だったのではないか』、『自分が抱えている生き苦しさは機能不全家族で育ったことが関係しているのではないか』と思った方もおられると思います。

もし、あなたが育った環境が機能不全家族であったのなら、カウンセラーに相談して生き苦しさを生んでいる自分の感情や思考のパターンを変えていくことが必要なのですが、カウンセリングを受ける前に自分の状態をより理解しておくことが望ましいと言えます。
なぜなら、自分の悩みの原因、自分の感情や思考の癖などを理解している人の方がカウンセリングの経過が良いからです。


機能不全家族で育ったとしても、環境の違いと本人の性格の違いによって身につく感情や思考のパターンに違いが生じます。
その違いは、5つのタイプに分けることができるのですが、自分はどのタイプなのかを事前にある程度把握しておくと良いでしょう。

その5つのタイプは下記の通りです。
自分がどのタイプに当たるのか一度目を通して見て下さい。

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