話を聴きながら心の健康状態を分析する力

人の心の悩みと、それに伴う症状は、いくつかの要因によって生み出されています。
カウンセリングでは、話を聴きながらその人の悩みが生み出されている要因を分析する力がカウンセラーに求められます。

カウンセラーに悩みを生み出している要因を分析する力がなければ、アプローチも適切に行うことができないため、悩みが解決に至りません。
まずは、何が悩みを生み出しているのかという知識を持ち、その知識を持って人の話を聴く訓練をしてみて下さい。

カウンセラーが話を聴きながら見極めているもの

悩みは、何らかの刺激(きっかけ)を受けて発生するのですが、同じ刺激を受けたからと言って同じ悩みを持ったり、同じ心理的ダメージを受けるわけではありません。
カウンセリングでは、話を聴きながらその人に起きた出来事とその人が持っている要因が、どのように悩みにつながっているのか分析します。

カウンセリングをしている時、カウンセラーが話を聴きながら何に意識を向けているのか、それは下記のようなポイントです。

性格

生まれつき性格、狭義の性格、習慣的性格、役割的性格を見極め、悩みとの関係を考える。
性格を見極めることで悩みが生じた理由や改善の方向性もある程度判断することができる。

認知

認知に歪みがあると、感情、思考、行動、身体にも影響が生まれる。
クライエントの持っている認知に歪みがないか、歪みがあれば正すために何をする必要があるのかを考える。
クライエントが自分の認知の歪みを自覚していると悩みの改善は進みやすい。

感情

クライエントが抱えている感情、抱えてきた感情、抑え込んでいる感情など、感情を理解するように努める。
また、話を聴く時は、その行為自体が感情のケアになっていることが望ましい。

思考

思考が未熟な場合、ストレスに対処できないので、心の病になりやすい。
クライエントの思考パターンを知り、成長に導くことが大切。

行動

行動は、自らストレスを生む原因を作ることがある。
行動に問題があると人間関係が壊れたり、悩みが大きくなったり、健康にも支障が出てくる。
また、悩みの解決のためにクライエントに必要な行動の変化も見極めていくことが必要になる。

身体

クライエントが感じている身体的な問題はないか注意して話を聴く。
ストレスは身体的な問題を生むこともある。
また身体的な疾患が、心の病を引き起こすこともある。

ストレスが生み出す3つの異常

カウンセリングの中で話を聴いていても、ストレスがあるという自覚がある人もいれば、全く自覚がない人もいます。
明らかにストレスによって問題が生じているのに、それに自覚がある人とない人がいる理由は、ストレスによって表れる異常には3つのタイプがあるからです。

精神の異常

感情が負の状態になり心に表れる異常

身体の異常

ストレスを我慢し続けた結果、体に表れる異常

行動の異常

ストレスに無自覚なため、行動日表れる異常

ストレスは、大きく分けると上記のような異常を生みます。
ストレスと3つの異常については下記に詳しく書いてあるので参照して下さい。

ストレスから身を守るための知識

カウンセラーはストレスと病の関係も知っておく必要があります。

ストレスが万病の元である理由

分析力が安全で効果的なカウンセリングにつながる

カウンセリングは、心の病を作り出している要因やストレスがどのような異常を生み出すかをわかっていないと、クライエントの話の大切な部分を把握できず、安全で効果的なアプローチ行うこともできなくなります。

ただ、黙って話を聴くのはカウンセリングではありません。
専門知識を持って、クライエントの話を分析して悩みの解決につなげる聴き方をしつつ、話を聴いてもらったクライエントに『話を聴いてもらってよかった』と感じてもらえる聴き方ができる力がカウンセラーには求められます。

分析力を高めるためには、知識を増やすための勉強、健康状態を把握する意識を持って話を聴く癖付けなどを行っていくことが大切です。