ストレスと病気を生む2つの原因

ストレスは万病の元と言われますが、それは本当なのか・・・。
この記事は、公認心理師によるストレスが人間の体に与える影響について説明を記載しています。

ただ単純にストレスはよくないものだから、病気につながるだろうということではありません。
ストレスが万病の元と言われるには理由があります。
その理由とは、ストレスを受けることによって人間の体の中で起きる変化です。

ストレスによって生じるホルモンバランスの変化

ストレスがあると人間の脳は自分の体が危険な状態にあるという判断をして副腎からコルチゾールというホルモンが出始めます。

ストレスを受け続けるとコルチゾールも出続けるので、免疫系、中枢神経系、代謝系など、身体のさまざまな機能に影響が生じます。
そのため生活習慣病、アレルギーなどに悩まされるようになるのです。


ストレスによって分泌が促進されるホルモンは、コルチゾールだけではありません。
ストレスを受けて危険を感じると、自分の身体を守るために闘争(逃走)本能を高めようとカテコラミンが分泌されます。

カテコラミンは、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった種類の神経伝達物質です。
これらの物質が脳内で発生すると集中力が高まったり、興奮したり、期待感が高まるなどの興奮状態、血圧上昇、発汗、心拍数の増加、筋力の向上も引き起こします。
本来これらの反応は、人間がストレスの原因に対抗する、もしくは回避するために必要なものですが、この状態が長期間続くと心身ともに疲労が増加します。

日常生活で、仕事やスポーツをする時、事故に合いそうになるなど危険に遭遇した時にはカテコラミンが分泌されていますが、カテコラミンが出続けると脳の働きが乱れて、うつ症状、不安感、無気力感、孤独感、イライラ、集中力の低下、躁状態、パニック発作、依存症、拒食、過食 など、精神や行動の異常が表れるようになります。


ストレスを溜め続けると命に関わる理由

ストレスが万病の元と言われるもう一つの理由となっているものが活性酸素です。

ストレスを感じると人間の体内では、血管の収縮、副腎皮質ホルモンの分泌が起こり、血流を正常の戻すために副腎皮質ホルモンのコルチゾールを分解する際に発生するものが活性酸素です。

この活性酸素は、人間の身体を体内から攻撃するという悪事を働きます。
その悪事の結果としてさまざまな病気が生じるのです。
活性酸素が関係する病気は、ガン、アトピー性皮膚炎、糖尿病、胃炎、肝炎、関節炎、動脈硬化、老人性痴呆、・白内障、自己免疫疾患、ストレス性潰瘍、エイズ、パーキンソン病、などがあると言われています。

しかし、上記はまだほんの一部で、活性酸素が原因となる病気は、世の中の病気の約9割もあるそうです。

コルチゾール、カテコラミン、活性酸素というストレスによって体内に生じる物質が病気を生み出していることが、ストレスが万病の元と言われる理由です。

ストレス対策が健康な生活を作る

コルチゾール、カテコラミン、活性酸素の働きが体の中で活発になると病気につながるということ、そのきっかけがストレスであるということが分かるということは、生活の中で対策が打てるということです。

ストレスは万病の元かもしれませんが、そこに科学的根拠があるからこそ対策をすることで健康な生活は自分で作れるということでもあるのです。

生活習慣の中でできるストレス対策は、決して難しくはありません。
例えば、規則正しい就寝と起床、日光を浴びる、適度な運動、読書をする、しっかりと栄養を取る、趣味を持つ、誰かに話を聴いてもらうなど、です。
具体的なストレスケアの方法を知りたい方は、下記のリンク先のページをご覧下さい。

  ↓

ストレスケアと休日の過ごし方

カウンセリングというストレス対策と心の病の予防

カウンセリングもストレス対策になります。
なぜなら、人は自分の本音を人に聴いてもらうことで心が安定するからです。

話を聴いてもらうことがストレス対策になるということは、カウンセリングを受けることは、ストレスによって生じる病気を予防することにもなるということです。

実際にカウンセリングの中には、予防的カウンセリングというものがあります。
これは、心の安定を保つことやカウンセラーから心の健康に関する知識を得ることによって日常生活の中で主体的にストレスをケアするようになれば、心の病はもちろんその他の病気の予防につながるからです。

ストレスを避けることができないのなら、予防としてカウンセリングを活用して頂ければと思います。