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2020/05/26
心理療法と技術

カウンセリングは心理支援の専門技術

カウンセリングは対話によって悩みの解決に導く技術

カウンセリングは、対話によって相手の人生にとって望ましい変容をもたらすことを目的とした専門技術です。
なぜ、専門技術かというと、相手にとって望ましい変容をもたらすことを意図して実現できるからです。

人と人が話をしても、何の変容も起きない、相手によってマイナスになる変容を起こしてしまう、偶然に変容が起きるのは、専門技術とは言えません。
プロのカウンセラーは、意図的にクライエントの変容を促すコミュニケーションを実行して、悩みの解決につなげていく力が必要です。
そして、なぜ対話が人間の変容を促すことができるのか理論的に理解をしておく必要があります。

カウンセリングの3つの効果

では、カウンセリングによってどのような心理的変容が生まれるのか説明します。

  • カタルシス効果
  • バティ効果
  • アウェアネス効果

カウンセリングは、この3つの心理的効果をもたらします。
そして、この心理的効果の先にクライエントの行動の変容が生まれ、行動の変容が習慣化して、習慣がクライエントの健康、経済、人間関係、仕事などの質の向上につながっていくのです。

3つの効果について詳しく知りたい方はこちらへ

カウンセリングによる3つの効果

カウンセリングが心理支援になる理由

カウンセリングは、対話によって生まれる効果がクライエントの行動の変化につながり、その変化が習慣化することによって心の健康の維持、促進を自立的に進めることができるようになる心理支援の方法です。

カウンセリングによって変容した行動は、ある程度は意識的に継続することが必要になるります。
ある程度とは、意図的に行っていた行動を無意識に行えるようになるまでです。

意図的に行っている行動を無意識に行えるようになることは、行動が習慣化したということですが、さらに習慣が継続すると人格が変容します。
人格の変容は、生き辛さを抱えたり、ストレスを生む思い込みを持っている人が自然体で生きられるようになることにつながったり、問題のある行動を続けてきた人の行動が修正されて生き方が変わったり、人間関係や仕事などの悩みを自己解決する力が身に付くということにつながっていきます。

カウンセラーは、カウンセリングという技術を使って意図的にクライエントの変容を促し現させていく存在であり、それができることにカウンセラーの社会的価値があるのです。
反対に言えば、その専門技術が一定のレベルになければカウンセラーとしては不十分であるため、その力をつけるためにカウンセリングの理論を学び、手法を身につけていくことがカウンセラーとしての務めなのです。

特にプロのカウンセラーとして活躍するためには、カウンセリングが専門技術だと胸を張って言える実力を身につけておくことが必要です。

カウンセリングの安全性とカウンセラーの人格

カウンセリングが専門技術であるということは、カウンセリングを身につけた人はどのように技術を使うのかということが問われます。
なぜなら、カウンセリングは安全性をベースに行使すべき技術だからです。

カウンセリングの本来の目的は、クライエントの社会適応の援助であり、そのための変容を促すことですが、使い方によってはクライエントの心にダメージや混乱を与えることになってしまいます。
そのため、カウンセラーが安全性を保つ意識を強く持っておくことが求められます。

安全性を保つために必要なカウンセラーの意識

カウンセラーは、カウンセリングとその中に含まれるさまざまな心理的アプローチによってクライエントを支援するわけですが、カウンセリングを行うために必要な知識と技術をしっかりと身につけるほど、他人に影響を与える力も強くなっているということを自覚しておく必要があると思っています。

なぜなら、カウンセリングの知識や技術は道具であり、道具は人間の使い方によって人の役に立つものにもなれば、凶器になることもあります。
例えば包丁なら、おいしい料理を作って誰かに食べてもらうための道具であると同時に、使い方次第で人を傷つけることができてしまいます。

このように道具は使い方によって人を傷つけるのなら、それはカウンセリングも同じであり、カウンセラーはその自覚を持ってカウンセリングを行わなければなりません。
人格を向上させ、道具を私利私欲のために使うのではなく、人の援助のために使うという当然のことを維持し続ける必要があります。

カウンセラーが自覚すべき自分の内面

カウンセリングを活用するカウンセラーの人格について、さらに詳しく説明すると下記のような内面を自覚してコントロールすることができているかという点になります。

目的

カウンセラーが、どんな目的でカウンセリングをしているのかということです。
目的によって、どのような相談を受けるのかも変わってきます。
私は『自分らしく充実した人生を生きる人を応援したい』という思いでカウンセリングを行っているので、対応している相談内容も幅広いです。

自分らしく充実した人生を生きることは、ストレス、トラウマ、環境、人間関係、自分の不適切な行動など、さまざまなも野によって阻害されてしまいます。
そのため自分の力で、自分の生き方の弊害となっているものを取り払うための援助として個人のカウンセリングを行ったり、人が自分らしく生きやすい環境が増えることを願って講演や執筆、企業など組織向けのメンタルサポートなども手掛けています。

どんな目的を持つかで自分の行動も変わってくるので、カウンセリングを行う上でよく考えて欲しいポイントです。

欲求

カウンセラーが自身の欲求について、その内容や強さを自覚しておくことがとても重要です。
カウンセリングは、カウンセラーのいくつかの欲求を刺激する要素があります。
料金が発生するため金銭欲が刺激されます。
クライエントに感謝されることで承認欲求が刺激されます。
さらにアドバイスを聴いてもらえることでコントロール欲求が刺激されます。
あとは新しい知識や技術を習得したいという知識欲、成長欲求が刺激されます。

これらの欲求が刺激されるということは、カウンセラーはカウンセリングをする上で、欲求をコントロールする力が求められるということです。
欲求に対して無自覚で、コントロールができていなければ、カウンセリングがクライエントにとって負担になってしまう恐れがあります。
カウンセラーは、自分の中の欲求に気づき、それをコントロールしつつカウンセリングがクライエントの援助となる様に進めていかなければならないのです。

自尊心と心理状態

カウンセラー自身の自尊心もカウンセリングの質に影響を与えやすい要素です。
自尊心が低いとカウンセラー自身の心理状態が不安定になるため、自分の心理状態を一定の状態で保つことが難しくなります。
プロのカウンセラーは、一定のサービスが提供できてこそプロなので、その点を維持できることが大切です。

価値観

カウンセリングは、クライエントの価値観に触れることになります。
その価値観に対して正しいか間違っているかとジャッジをせずに話を聴くことが必要なのですが、カウンセラーも一人の人間としての価値観を持っているので、自分の価値観に対して自覚を持ちつつ、自分とは違う価値観の人の話に対しても理解を示すように心がけなければなりません。


カウンセリングという専門技術を安全かつ効果的に使用するためには、上記のようなカウンセラー自身の内面を良く自覚して、カウンセリングを行使する自分自身を管理して行かなければなりません。
専門技術を身につけている人は、このような意識が不可欠だと思います。


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