対話によって悩みの解決に導く技術

カウンセリングは、対話によって相手の人生にとって望ましい変容をもたらすこと
を目的とした専門技術です。
なぜ、専門技術かというと、相手にとって望ましい変容をもたらすことを意図して
実現できるからです。

人と人が話をしても、何の変容も起きない、相手によってマイナスになる変容を
起こしてしまう、偶然に変容が起きるのは、専門技術とは言えません。
プロのカウンセラーは、意図的にクライエントの変容を促すコミュニケーション
を実行して、悩みの解決につなげていく力が必要です。
そして、なぜ対話が人間の変容を促すことができるのか理論的に理解をしておく
必要があります。

カウンセリングの3つの効果

では、カウンセリングによってどのような心理的変容が生まれるのか説明します。

  • カタルシス効果
  • バティ効果
  • アウェアネス効果

カウンセリングは、この3つの心理的効果をもたらします。
そして、この心理的効果の先にクライエントの行動の変容が生まれ、行動の変容が
習慣化して、習慣がクライエントの健康、経済、人間関係、仕事などの質の向上に
つながっていくのです。

3つの効果について詳しく知りたい方はこちらへ

カウンセリングによる3つの効果

カウンセリングで人生が良くなる理由

カウンセリングによって変容した行動は、ある程度は意識的に継続することが必要
になるります。
ある程度とは、意図的に行っていた行動を無意識に行えるようになるまでです。

意図的に行っている行動を無意識に行えるようになることは、行動が習慣化したと
いうことですが、さらに習慣が継続すると人格が変容します。
人格の変容は、生き辛さを抱えたり、ストレスを生む思い込みを持っている人が
自然体で生きられるようになることにつながったり、問題のある行動を続けて
きた人の行動が修正されて生き方が変わったり、人間関係や仕事などの悩みを
自己解決する力が身に付くということにつながっていきます。

カウンセラーは、カウンセリングという技術を使って意図的にクライエントの
変容を促し現させていく存在であり、それができることにカウンセラーの社会的
価値があるのです。
反対に言えば、その専門技術が一定のレベルになければカウンセラーとしては
不十分であるため、その力をつけるためにカウンセリングの理論を学び、手法
を身につけていくことがカウンセラーとしての務めなのです。

特にプロのカウンセラーとして活躍するためには、カウンセリングが専門技術
だと胸を張って言える実力を身につけておくことが必要です。

カウンセリングと人間性

カウンセリングが専門技術であるということは、カウンセリングを身につけた人は
どのように技術を使うのかということが問われます。
カウンセリングの本来の目的は、クライエントの社会適応の援助であり、そのため
の変容を促すことですが、使い方によってはクライエントの心にダメージや混乱
を与えることになってしまいます。

カウンセリングを学んでいる人は、その知識と技術を学ぶことによって自分は人
を助けることができると勘違いをしてしまう方がおられますが、技術を身につけた
だけで人を助けることはできません。
技術を使うのは人であり、どのような人間性を備えているかが技術を使った時の
結果に大きく影響します。

私は剣道をしていて現在(2018年)六段です。
剣道は最高が八段なので、段の数だけでいうと真ん中より上の剣道の技術を持って
いるわけですが、この技術を使って道場で小中学生を指導したり、高校ではコーチ
として指導をしていますが、その中で指導を受ける側の技術の向上や心身の鍛錬
に自分の技術を活かすことを心掛けています。
しかし、自分の力を誇示したり、指導者としての実績を上げたいからという理由
で指導を受ける側の心身に傷つくような関わり方をしてしまえば、技術の使い方
を間違っているということになります。
剣道という技術があっても、人を正しく指導できるという保証があるのではなく、
技術を使う自分の人間性が良くも悪くも指導に反映されます。

カウンセリングも剣道と同じです。
カウンセラー自身が、自分としっかりと向き合って技術の使い方を常に考え続け
なければ、良いカウンセリングは出来ません。
以下には、カウンセリングに影響する心理的要素について説明しています。

目的

カウンセラーが、どんな目的でカウンセリングをしているのかということです。
目的によって、どのような相談を受けるのかも変わってきます。
私は『自分らしく充実した人生を生きる人を応援したい』という思いでカウンセ
リングを行っているので、対応している相談内容も幅広いです。

自分らしく充実した人生を生きることは、ストレス、トラウマ、環境、人間関係、
自分の不適切な行動など、さまざまなも野によって阻害されてしまいます。
そのため自分の力で、自分の生き方の弊害となっているものを取り払うための
援助として個人のカウンセリングを行ったり、人が自分らしく生きやすい環境が
増えることを願って講演や執筆、企業など組織向けのメンタルサポートなども
手掛けています。

どんな目的を持つかで自分の行動も変わってくるので、カウンセリングを行う
上でよく考えて欲しいポイントです。

欲求

カウンセラーが自身の欲求について、その内容や強さを自覚しておくことがとても
重要です。
カウンセリングは、カウンセラーのいくつかの欲求を刺激する要素があります。
料金が発生するため金銭欲が刺激されます。
クライエントに感謝されることで承認欲求が刺激されます。
さらにアドバイスを聴いてもらえることでコントロール欲求が刺激されます。
あとは新しい知識や技術を習得したいという知識欲、成長欲求が刺激されます。

これらの欲求が刺激されるということは、カウンセラーはカウンセリングをする
上で、欲求をコントロールする力が求められるということです。
欲求に対して無自覚で、コントロールができていなければ、カウンセリングが
クライエントにとって負担になってしまう恐れがあります。
カウンセラーは、自分の中の欲求に気づき、それをコントロールしつつカウン
セリングがクライエントの援助となる様に進めていかなければならないのです。

自尊心と心理状態

カウンセラー自身の自尊心もカウンセリングの質に影響を与えやすい要素です。
自尊心が低いとカウンセラー自身の心理状態が不安定になるため、自分の心理
状態を一定の状態で保つことが難しくなります。
プロのカウンセラーは、一定のサービスが提供できてこそプロなので、その点
を維持できることが大切です。

価値観

カウンセリングは、クライエントの価値観に触れることになります。
その価値観に対して正しいか間違っているかとジャッジをせずに話を聴くこと
が必要なのですが、カウンセラーも一人の人間としての価値観を持っている
ので、自分の価値観に対して自覚を持ちつつ、自分とは違う価値観の人の話
に対しても理解を示すように心がけなければなりません。

上記のようなカウンセラー自身の心理的要素もカウンセリングには影響を
及ぼすので、カウンセリングという専門技術によってクライエントの人生を
援助できるように人間性を磨くことがカウンセラーに求められると考えて
います。