あなたは、人間関係において他人との相性を気にしたことはありませんか。
この記事は、性格学の観点から相性について考察しています。

プライベートでも、職場でも、出来れば相性の良い人と同じ時間を過ごしたいと思うのは当然のことだと思いますが、そもそも相性の違いはどれほどコミュニケーションに影響があるのかということについて書きました。

相性の悪さを克服して人間関係を築けるのか?

「あの人とは相性が合わない」と思うことがあるかもしれませんが、それは性格の違いのせいなのか、それとも違う要因なのか。
他人との相性が合わない理由について、記事の内容を読んで頂ければ他人との人間関係の築き方の参考になると思います。

相性に影響しない性格と影響する性格

そもそも性格と一言でまとめてしまえるほど人の性格の構造は単純ではありません。
性格全体を構成している要素は、生まれつき備わっている気質、親子関係で形成される人格、日々の積み重ねによって身につく習慣的性格、立場によって使い分けている役割的性格に分けることができます。

この中で、生まれつき性格である気質以外は、変えようと思えば変えることができます。
気質は生まれ持って身についているもので、変えることができないと言われています。

ただ、気質の違い自体は相性に影響しないと言われています。
気質は大きく分けると9つのタイプに分かれますが、どんな気質で生まれても人格や習慣的性格によって自分と違った気質の人ともより良い関係を築くためのコミュニケ−ションを実行することは出来ます。

生まれつきの性格が相手と違っていても意識的にコントロールできる言動よって他人とより良い関係を築くことができるということです。(ココがとても大切)
相手との違いだけをとって相性が悪いと判断しないことが、人間関係を豊かにするために大切なことではないかと思います。

性格の構造についてはこちらを参考にして下さい。
 ↓
性格の構造と9つの生まれつき性格


どんな時に相性の悪さを感じるか?

私達がこの人とは相性が合わないと感じるのは、どんな時でしょうか?
それは主に下記のような時だと思います。

・相手の言動に疑問を感じる時
・考え方に違いを感じる時
・趣味嗜好に違いを感じる時
・上記の3つが影響して相手と衝突した時

相性が合わないと思うのは、上記のような違いを感じて、その違いに不満や不快感が生じた時、実際に相手と衝突した時ではないかと思います。

一緒に過ごしていて、自分と相手に違いがあることは分かっていても、相性の悪さを感じない時は、不満や不快感も生じていないのではないでしょうか。

誰とも相性が合わない人が持つ性格傾向

一緒に過ごしていて不満や不快感を相手に与えてしまう可能性が高くなるのは、何に原因があるか。
その原因は、不健全な人格と社会性に欠ける習慣です。
ここでいう不健全とは、人との関係性を築く上で望ましい言動を選択することができないということ、その言動を引き起こしている思考の歪みを持っていることです。

相性に影響を与える人格

人格は、主に親子関係によって形成され、物事をどのように受け取るかという認知や思考パターンに影響を与えます。
人格とは、幼少期に身についた無意識的な心の働きで、自分の人格の特徴は物事の受け止め方や感情の作用の仕方に表れてきます。

例えば、他人に何かを指摘された時に『あの人は自分を嫌っているんだ』と指摘された内容ではなく、相手がどんな感情なのかを勝手に推測してしまいます。
そうなると、自分も指摘をしてくれた相手を嫌ったり、警戒してしまうので、人間関係が上手くいきにくくなります。

このように人格が不健全だとコミュニケーションで過度な感情が生まれやすく自分から相手に対して相性が悪いと感じたり、自分の感情が態度に表れて
相手に相性が悪いと感じさせてしまう可能性が高くなります。

相性に影響を与える習慣

生活の中で身についた習慣も人間関係に影響を与えます。
習慣とは、1つの言動を繰り返し行ったことにより、自分に定着したもののことです。

例えば、登校や出勤時に、クラスメイトや同僚に合ったら挨拶をするというのも一つの習慣です。
挨拶をする時に、相手の顔を見てはっきりとした口調で挨拶をする人と、うつむいてぼそぼそと挨拶する人では、相手に与える印象は違います。

自分に身についた習慣が、相手に悪い印象を与えてしまうものだった場合は、コミュニケーションの中で相手に不満や不快感を与えてしまう可能性が高く
なるため、相性が悪いと感じさせてしまうことが多くなってしまうと思われます。

他人と上手く人間関係が築けない人の中には、不健全な人格と社会性に欠ける習慣が身についてしまっていて、それが相性が悪いと感じる原因になっている可能性があります。
ただ、人格も習慣も努力によって変えることができる性格の特徴なので、努力をして人格が健全になり、社会性が身について行けば人間関係も変わっていく可能性があります。

自分自身が相性が悪いと感じさせる原因を持っている場合も、相手にその原因がある場合、双方に原因がある場合も、原因が無くなれば不満や不快感なく
接することができるようになるかもしれません。

人間関係を良好にするカギは習慣の変化と人格の成長

私達は、どんな気質で生まれたとしても、どのような人格と習慣的性格を身に付けるかによってコミュニケーションを良くすることができます。

私も親しくしている方には、いろんなタイプの気質の方がおられますが、どの気質だから接しにくいということはありません。
接しやすいと感じている方は、人格的に尊敬できる部分が多かったり、普段の習慣に見習うところが多いなと感じる方ばかりです。

普段から意識的に自分の習慣を見直していくと、時間は掛かっても良い習慣に変わっていき、その後に人格も成長していきます。
他人との人間関係をよくするためには、まずは自覚しやすい自分の習慣に目を向け、良くないと思う習慣は変えてみて下さい。

相性の悪さを克服して人間関係を築けるのか?

では、具体的にどのようにして習慣を変えていけばいいのか・・・。
その方法について説明します。
習慣を変え、良い習慣を定着させて、その影響で人格にも変化が生まれてくると人付き合いが楽になったり、周囲の人からの評価が変わってきます。

誰にでもできる性格の変え方

人間関係の相性は、他人に対する言動を変えること、そして人格が成長することによって良くなる可能性があります。

人間は、生まれ持った性格である気質は変えることができないため、性格の中には変えることができない部分もありますが、意識して日常生活の習慣を
変えることができます。
そして、習慣を変えることから人格の成長を促すことも可能です。

そして、まずは一番変化をコントロールしやすいのは日ごろの言動なので、良い言動を習慣化して、それが無意識に行えるようになるところまで持って
行くことができれば、その人が周囲の人に与える印象は大きく変わっているでしょう。

変わる勇気をもって行動することが大切

よく、新入社員の育成やスポーツチームにおいて、「現代の若者は納得しないと行動しない。」という声を聞くことがあります。

確かに、相手にわかるように説明をして、行動できるように納得させる力は指導する立場の人間には求められるのですが、成長が早い人ほどある程度の納得で、とりあえずやってみようという姿勢を持っているという側面もあると思います。

人間の認知や思考パターンは、成育歴やその後と体験によって習慣化されていて、特に人格の深い部分に持っている認知の傾向は簡単に変わるものではありません。
その認知の特徴が、納得がいかない限り行動を変えないほど癖の強いものであれば、その人は行動を変えるまでに時間がかかってしまい、他の人よりも成長が遅れてしまう可能性があります。

良い行動を継続して、意思の力をあまり必要としなくても同じ行動ができるようになることを習慣化すると言います。
まずは、良いと思われる行動を始めてみて、それによって感じること、思うことを、これまでの自分の認知や思考と照らし合わせながら、最終的に良いと感じた行動を続けていくことが自分を成長させる近道です。

コツコツ継続する人が信頼される理由

行動が習慣に代わるまでには、その行動を起こすのに意思の力をあまり必要とせずに行動が起こせるようになることだと説明しましたが、そうなるまで一つの行動を継続するのは簡単ではありません。

しかし、無意識で良い行動を選択できるようになるということは、自分にとっても周囲の人によっても良い影響をもたらす機会が多くなるということです。
良い行動が継続できている人は、他人から尊敬されたり、一目置かれるようになりますが、それは私たちが良い行動を習慣化するということは、人格の成長を促すことだと直感的にわかっていて、より多くの良い行動が習慣化されている人を見ると人格者だと感じるのだと思います。

誰にも尊敬される人格者になることは難しいですが、一つずつでも自分の行動を変えていくことができれば、自分の人生が今よりも少しずつよくなっていくと思います。

例えば、朝早起きするだけで、自分のために投資できる時間が増えます。
タバコを止めるだけで少し健康になります。
言葉遣いを丁寧するだけで他人からの印象は変わります。

変わる勇気が人間関係に変化を与える

人間関係は、生活の中で悩みを生みやすいと言われています。
相手もあることなので、自分の努力だけで変えることが難しいのが人間関係ですが、ある人との関係をきっかけに行動を変え成長した自分自身は、その人との関係が良くなることはなくても、他の人との関係には良い影響をもたらしてくれることがあります。

人間関係を良くしたいと思っている人は、まず自分の現在の行動を変えること、意思の力でそれを続けることは習慣的性格を変えることから始めましょう。
望ましい行動をあまり意識せず選択できるような状態になった時には、人格は成長しているということです。

人間関係では、良い習慣を持っている人は他人から接しやすいと感じてもらえます。
それが相性が良いと感じてもらえることにもつながり、人間関係を築きやすくしてくれます。
人間関係で悩んでいて自分を変えた方が良いかもしれないと感じている人は、日常の習慣を見直してみて下さい。

人間関係が良くなる、他人との相性が良くなるというのは、習慣を変えた後に生じる結果なので、結果だけを意識するのではなく行動を変えるということに意識をおいて取り組んでみることが大切だと思います。

自分を変える前に心のケアが必要な時もある

人間関係では、自分は決して悪くなく、相手に問題があって関係が悪くなっているということがあります。
そんな時に自分の心が傷ついていて、その心がケアされる前に自分が変わらなければと思って行動を変えようとすると心が耐えられなくなってしまうことがあります。
自分の行動を変えてみようという心の余裕がない場合は、無理をせずに自分の心をケアすることから始めて下さい。