異性に対する恐怖心がある異性恐怖症

異性恐怖症という心の悩みがあります。
これは文字通り異性に対する恐怖心があるという悩みで、異性との人間関係を構築する上で妨げになります。
しかし、基本的には、本能の働きという点から考えても異性への興味があり、異性と話したい、仲良くなりたいという思いもあるので、異性恐怖症であることは深刻な悩みになるのです。

異性恐怖症の前で普段通りの振る舞いができない

何らかの原因があって、男性なら女性が怖い、女性なら男性が怖いという感覚を持つようになり、それが日常生活に支障を来たしたり、異性と付き合いたい、結婚をしたいという願望の妨げとなっている状態が異性恐怖症という段階です。

単純に異性の前では緊張してしまうという段階ではなく、同性と接する時とは明らかに違う態度になったり、心の状態が不安定になってしまいます。

例えば、どもってしまったり、言葉を発すことが出来ない、異常に汗がでる、足が震える、挙動不審になるなど、同性と接する時とは明らかに違う反応が
心身に現れてコミュニケーションどころではなくなります。

今回の記事では、異性恐怖症について男性恐怖症と女性恐怖症に分けて説明しています。

なぜ男性恐怖症になってしまうのか

この記事を見ておられる女性の中にも男性恐怖症の方はおられるかもしれません。
男性に苦手意識があったり、男性の前だと平静を保っていられないという方は、下記の内容を読んでみて下さい。

男性恐怖症は、主に思春期の女性が抱えている悩みですが、成人女性の中にも男性が怖いという方がおられます。

女性が男性を怖いと思う理由

女性が感じる男性への恐怖ですが、女性が怖いと思う男性と同じように異性として意識するからこそ嫌われたくないという思いから怖いと感じるようになるケースがあります。

さらに女性は男性以上に、同じ女性と自分を比較してしまう傾向があり、思春期はその感覚が強くなってきます。

そのため、男性に興味があっても、
『自分は他の女の子よりも可愛いと思ってもらえないのではないか』
『優しく接してもらえないのではないだろうか』
『男の子はみんな、○○ちゃんのような子が好きなはずだ』


という思いから、男性と接することで自分が傷つくことを避けようとする傾向があり、その感覚のまま大人になってしまうと男性と接することに抵抗を感じやすくなります。

トラウマの影響で男性恐怖症になることがある

他には、性的な被害を受けてから男性が怖くなってしまうというケースもあります。
男性が女性を怖いと思う理由に性的な行為による原因があることも少なからずあるのですが、女性が男性を怖いと思うケースの方が性的被害に合ったトラウマが原因であることは圧倒的に多いと言えます。

女性にとって男性からの性的なアプローチは、相手に安心と安全を感じられてこそ受け入れられるものであるため、不快感を伴う形で性的なアプローチを受けることでトラウマとなりやすいのです。
この場合の男性恐怖症は、心に傷が生じていて、男性という存在がその傷を刺激してしまうことによって生まれるものです。

なぜ女性恐怖症になってしまうのか

女性が怖いと思っている男性は少なくありません。
本来は好かれたい対象だからこそ、怖いと感じるようになります。

嫌われることへの不安から恐怖感への変わっていく

小さいころは、男女の区別なく遊んでいたが、小学生になる少しづつ女性を意識するようになって、思春期に入ると話しかけることに恥ずかしさを感じたり、話かけられてもぶっきらぼうな態度を取ったりした記憶がある人は少なくないと思います。

男性が女性に興味を持つことは当然で、好かれたいと思うことも自然なことですが、そういう思いを他人に悟られたくないと思っている人の方が、女性に対して素直な態度が取れない傾向があり、自分は女性とコミュニケーションが上手く取れないと悩む傾向があります。
男性である以上、女性を異性として意識して上手くコミュニケーションが取れなくなったという体験があること自体は不思議ではありません。

しかし、女性と話すと汗が出て止まらなくなったり、急にドモるようになったり、赤面してしまうことから、女性と話すことが苦痛に感じてしまうという人は、女性と接することが恥ずかしいという段階ではなく、まさに怖いと感じる段階になっていると言えます。

女性に苦手意識を持つ体験が原因

女性が怖くなる理由としては、元々持っている男性として女性を意識する感覚から、反対に女性と上手く接することができなくなるという本能的な過剰反応として緊張しすぎてしまうということがあります。

もう1つの理由は、人生のどこかで女性が苦手だという体験をしているというケースもあります。

例えば、母親との関係で厳しすぎるしつけを受けていたり、トラウマになるような出来事を経験している、女性と接することに過度な負担を感じるようになった場合や女友達と何らかのトラブルを経験している、女性からいじめを受けたなど、女性と接することが不快だという記憶として残っていると、頭では自分が不快だと感じた女性と今で合っている女性は別の人だとわかっていても、脳が防衛反応として女性を避けたがってしまうようになるのです。

上記のような場合は、男性が女性を怖いと思うだけでなく、女性が同性を怖いと思うようになることもあるのです。
そのため、就職後や結婚後も女性の中での人間関係を上手く築けずに悩んでいるという方もおられます。

異性恐怖症の克服とカウンセリング

異性恐怖症の方から相談を受けた時は、『怖い』という感覚について良く話を聴くようにしています。
なぜなら、恐怖というのは感覚であり個人差があるので、クライエントの怖いという感覚を明らかにしないと克服の方向性が見えないからです。

何がどう怖いのかが明らかになるからこそ、その恐怖感を持つようになった理由、恐怖感が強さ、恐怖感が緩和される可能性やその方法も明らかになってくるからです。

カウンセリングで異性への恐怖感を言語化する

カウンセリングの中で異性恐怖症について話をするメリットは、自分が抱えている悩みについて躊躇せず話せるという点です。
友達に話を聴いてもらおうとすると、自分の感覚をどう思われるのだろうとか、悩みを理解されるのだろうとかという思いが話のブレーキになり、異性を怖いという感覚が上手く言語化されない可能性があります。

カウンセラーは、異性恐怖症も含めさまざまな恐怖症に関する相談に対応しているので、質問を交えながら恐怖感を言語化することを支援してくれます。
あなたが抱えている異性への恐怖感を話すことで、克服の方向性も見えてくるのでカウンセリングでは遠慮せず『異性が怖い』という感覚について話してください。

異性のカウンセラーに相談することも可能

ちなみに、異性が怖いという悩みを抱えている人は、同性のカウンセラーに担当してもらうことを望まれるケースが多いのですが、同性のカウンセラーへの相談を重ねるうちに、自分が少し変わってきたと感じた場合、異性のカウンセラーに担当を変更される場合もあります。

異性のカウンセラーと話すことは、異性に対する苦手意識を安全な人間関係の中で克服できる機会となります。
いきなり日常の人間関係で異性と話をすることは難しくてもカウンセラーからであれば続けられそうだという方もおらるので、カウンセリングの経過の中でカウンセラーを変更することもできると認識しておいて頂ければと思います。