カウンセラーとの相性が合わないという時の対処法

カウンセリングを受けるのに、どのカウンセラーに相談をするのかというところは悩みどころです。
カウンセラーというのはお金をいただいているのなら、それは職業であり、プロとしてのサービスを提供することになるので、クオリティは高めておかなければなりません。
しかし、その反面カウンセラーも人間なので、個人の持つ印象、雰囲気は変えることができない部分もあります。

カウンセラーを見つける時、まずはカウンセリングを受ける前にホームページのプロフィールを確認して、一人の人として会ってみたいと感じるかどうかは、カウンセラーとの相性に関わるポイントになります。

その段階をクリアしたなら、実際にカウンセラーと会って話をしてみてまた会いたいと思えるかどうか、会いたいと思えるのなら相性はいいと言えるのではないかと思います。
ただ、普通の人間関係と一緒で、最初は良かったけど何度も合っているうちに疑問を感じたり、感情が落ち着かなくなるようになることもあるでしょう。

そんな時、別のカウンセラーを選んだ方が良いのか、それとも今のカウンセラーへの相談を継続した方が良いのか、それを判断するポイントについてお伝えしたいと思います。

別のカウンセラーを探した方が良い場合

  • 明らかに軽蔑、批判、攻撃だと感じる言動が繰り返される 
  • カウンセリング以外の時間に会いたいと言われる
  • カウンセリングルーム以外の場所で会いたいと言われる
  • 明らかにカウンセラーの愚痴や偏った考えを聴かされる
  • カウンセラーが体に触れようとしてくる

上記のような場合は、迷わず別のカウンセラーを探して下さい。
カウンセリングにはお金も時間もかかるので判断は早い方が良いでしょう。

カウンセラー安易に変えない方が良い場合

  • カウンセラーの言葉を悪くとらえてしまう 
  • カウンセラーの指摘やアドバイスが批判に感じてしまう
  • カウンセラーにお願いしたいことがあるが言いにくい
  • カウンセリングの方向性が見えない

上記のような場合、カウンセラーを変えるのかどうかを再検討する余地があります。
それは決してカウンセラーを変えない方が良いということではなく、カウンセラーに上記のことを突っ込んで話してから判断した方が良いということです。

カウンセリングは、解決の糸口が情報の積み重ねから見えてくることも多いので、自分の本来の悩みだけでなく、カウンセリングの経過の中で感じたことも話をして、その上でどのカウンセラーに相談するかを決めた方が良いと言えます。

クライエントがカウンセラーとの対話の中で感じること、思うこと自体も悩みを解決するための重要な要素です。
腕の良いいカウンセラーほど、クライエントのさまざまな訴えを悩みの解決につなげていけるので、心の中にある感情や思考を遠慮せず出して下さい。

4つのポイントに当てはまる理由でカウンセラーを変えようと思っている時は、なぜ自分がそう思っているのかをしっかりと洞察して、その上でカウンセラーとしっかり話をした上でカウンセラーの選び直しをして下さい。

別のカウンセラーを探す前に確認して欲しいこと

別のカウンセラーに相談を試みる前には、現在のカウンセリングがカウンセラーとクライエントである自分の双方がルールを守って行っているかを確認して下さい。

カウンセリングは、決められた時間、場所、人間関係があってこそカウンセラーとクライエントにとって安全、安心なものとなります。
そのため、カウンセリングのルールを破って、いつでもメールをして返信を求めたり、急に相談の電話を掛けたりすることは控えなければなりません。
もし自分がルールを守らない行動を取っているのに、それを受け入れてくれないカウンセラーが悪く、自分とは合わないと思ってしまっているのであれば、どんなカウンセラーのカウンセリングを受けても悩みは解決しないでしょう。

カウンセラーとの相性を判断する上で大切なことは、まずカウンセラーもクライエントもお互いにルールを守っているかという点です。
上記の“別のカウンセラーを探した方が良い場合”のリストに書いてあるようなことが該当するカウンセラーであれば、すぐに別のカウンセラーを探して下さい。
自分の方がルールを守れていない場合は、今のカウンセラーに相談する中で一度カウンセリングのルールをしっかりと守るようにしてみて下さい。

お互いがルールを守ってカウンセリングを行っている上で、どうしても悩みや問題の解決が進んでいない、このまま相談を続けても大丈夫なのか、カウンセラーに不適切な対応をされているわけではないがコミュニケーションに違和感を感じるというようなことがあれば、一度別のカウンセラーに相談してみることを試みて下さい。

セカンドカウンセリングという選択

私は、医療ではセカンドオピニオンというものがあるので、カウンセリングの場合もセカンドカウンセリングという選択肢を選んでも良いのではないかと思っています。

セカンドオピニオンは、今の医者に診てもらうことをやめて別の医者に掛ることではありません。
今受けている治療を別の医師の視点から客観的に説明をしてもらう取り組みです。
セカンドオピニオンを受けることによって、今の治療を継続する必要性がわかることもあれば、別のところで治療を受けた方が良いことがわかる場合もあります。

セカンドオピニオンは、患者が納得して医療を受けることができること、医師も他の医師の視点が入ることで適正な医療を提供する意識が強くなるということを目的としているので、カウンセリングでも同じような取り組みがあっても良いのではないかと思うのです。
カウンセリングの場合は、レントゲンや血液検査の結果ほど客観的なものがないのでクライエントが受けているカウンセリングの適正さを評価することは容易ではありませんが、経験の豊かなカウンセラーであれば有益な意見を提供できるのではないかと思うのです。

セカンドカウンセリングがあれば、現在受けているカウンセリングがどういうものなのか、カウンセラーはどのような意図で支援をしてくれているのかを理解しやすくなるでしょう。
また、カウンセリングの場でカウンセラーに何を伝えた方が良いのかも分かり、カウンセリングの停滞を解消してくれるきっかけにもなるはずです。


セカンドカウンセリングという形で別のカウンセラーに相談に行く場合は、担当してくれているカウンセラーにその意思を伝える必要があるので、容易に広まる取り組みではないかもしれませんが、選択肢として選べるようになれば良いと思います。
ちなみに、弊社ではクライエントが別のカウンセリングルームでカウンセリングを受けてみたいという申し出があった場合、快く了承しています。
その方がクライエントにとって有益な場合も多いと感じています。

カウンセラーを変えてもいいのか?