この記事は、公認心理師が、違法薬物がいかに危険かということを精神依存、身体依存、耐性という違法薬物を使った人の体に生じる働きをもとに説明しています。
この記事が、誰かが違法薬物に手を出すことを止めるきっかけになったり、違法薬物を止めようとしている人の手助けになればうれしく思います。

違法薬物に手を出すと止められなくなる2つの理由

ニュースで芸能人、有名人の薬物依存が取り上げられることが多いのですが、絶え間なく誰かが薬物所持や使用で逮捕されたと報道されていることからも薬物依存症の怖さを感じさせられます。

依存性薬物と言われるものは、服用すると精神依存や身体依存が生じます。
そのため、いつか止めなければならないと思っていても心や体が薬物を欲してしまうため止めることができないのです。

ちなみに精神依存とは、止めなければならないとわかっていても止められない状態、自分によって害だと感じていても薬物を使用してしまう、薬物使用へのツよ欲求があるという状態です。
身体依存は、薬物の使用、減薬や断薬によって離脱症候群が表れます。
その症状は使用薬物によって違いがあります。
身体依存があると、離脱症状を抑えるためにまた薬物を使用してしまいます。

さらに依存症の人は、否認の心理というものも強いため、『いざとなればいつでも止められる』、『自分は逮捕されないだろう』と現実を認めずに都合の良い考えをしやすい傾向があります。

薬物の依存性と依存の心理から、あれだけニュースで薬物所持や使用で誰かが逮捕されても薬物を断つことができずに逮捕されるまで続けてしまうのです。

薬物が止められない理由には、薬物が持つ依存性と依存症の人の中で強くなっていく否認の心理があるからです。

違法薬物の種類と依存

依存性のある薬物はたくさんあります。
そのすべてが麻薬に該当するわけではありません。
麻薬と言われている薬物は下記のとおりです。

麻薬と呼ばれている薬物

アヘン、ヘロイン、コカイン、モルヒネ、MDMA、LSDなどが麻薬と呼ばれています。
麻薬は麻薬及び向精神薬取締法で規制されています。
大麻や覚せい剤は、麻薬には含まれず、大麻は大麻取締法、覚せい剤は覚せい剤取締法によって規制されています。

一般的には違法薬物=麻薬と思われていますが、違法薬物の中に麻薬、大麻、覚せい剤などがあるというのが正しい答えです。
また、脱法ハーブや合成ドラックなどは、違法な物よりも安全だと勘違いしている人もいますが、これらは成分を変えることで法の網目を潜り抜けようとして、手を加えているため、体への危険度が増している可能性もあり非常に危険です。

精神依存を引き起こす薬物

精神依存を引き起こす違法薬物は、モルヒネ、ヘロイン、コカイン、MDMA、LSD、大麻、マリファナ、覚せい剤などです。
精神依存とは、良くないと頭では理解しつつも、心理的に薬を欲する状態です。

実は精神科や心療内科で処方されている薬も精神依存を引き起こす成分が入っていますが、お医者さんは病気を改善する効果と精神依存を引き起こす効果のバランスを調整して薬を出してくれます。
違法薬物を止めることができないのは、精神依存による効果でもあります。

身体依存を引き起こす薬物

身体依存を引き起こす違法薬物は、モルヒネ、ヘロイン、MDMAなどです。
違法でないものでは、ニコチンやアルコールも身体依存になる依存性薬物です。
これらは精神依存も生じます。
心の病の薬も身体依存を引き起こす成分が入っています。

身体依存とは、薬を止めたり、摂取量を減らしたりした時に体に症状が表れ、その症状を治めるために薬を求める状態です。

耐性という薬物が持つ怖い特徴

依存性薬物には耐性という特徴があります。
耐性とは、薬物を繰り返し使用することによって、薬物から得られる効果が弱くなっていくため、同じ効果を得るにはより多くの薬物を使用しなければならなくなるという特徴です。

薬物依存症の人は、薬物を使い始めたころに使用していた量では満足することができずに使用料が増え、どんどん心も体も害していってしまうのです。

違法薬物は、依存性、耐性ともに強く、使い始めると自分によって害があると感じたり、周囲から様子がおかしいと言われても止めることができなくなってしまう怖さがあります。
そのため、絶対に手を出さないということが肝心です。
人生の中で薬物使用を進められるような機会があったとしても、強い意志を持ち絶対に使用しないという決断をして下さい。

補足

違法薬物ほどではありませんが、心の病の薬にも耐性があり、精神依存、身体依存を引き起こす効果もあるので、精神科や心療内科に通っておられる方は、薬の服用はお医者さんの指示をしっかりと守って行って下さい。

お医者さんの指示を守っているのに、なかなか症状が良くならない、副作用が強いため辛いという方は、セカンドオピニオンを使用して下さい。