妬み、嫉み、恨みの感情を抱えた人たち

世の中には、漠然とした被害者意識、弱者意識を持っている人がいます。
被害者意識や弱者意識から生まれるねたみやそねみ、そこから派生する攻撃的感情などををルサンチマンといいます。
ルサンチマンという状態になっている人は、恵まれている、活躍している、幸福そうだと感じる人やお金や権力があると感じる人などに対して、ねたみ、そねみの感情を抱きやすいのですが、基本的にはその感情を抑え込んでいます。

しかし、その反動で自分の感情をぶつけることができる状態にあると感じた時は、過激、または執拗に批判や攻撃を行う傾向があります。

ルサンチマンと社会的な問題

ルサンチマンは、現代社会のさまざまな場面で起きている問題の本質であると感じられます。

モンスターペアレンツ、モンスタークレーマー、ネットの誹謗中傷、無差別に行われる犯罪行為、逆ギレによる犯罪、いじめ、などは、自分が被害を受けているという意識、弱者だという意識が自分の行為を正当化させ、ねたみ、そねみが行動に移された問題であると言えると思います。

ルサンチマンは、何らかの理由で自分を被害者、弱者と思うようになっていて、対象が不特定のねたみ、そねみを抱えているので、因果関係のない相手に
対して、または適切な指摘をしてくれた相手に対しても攻撃的な態度に出てしまうため、上記のような社会的問題を生み出してしまいます。

ルサンチマンは心の成長を止める

ルサンチマンという状態になっている人は、心の成長が止まってしまいます。
日ごろから、何かを成し遂げた人、活躍している人、地位を確立した人、幸福を手に入れた人に対して否定的な感情を持っているので、うらやましいと思っているのに、自分が羨ましいと思う対象と同じ状態になることに無意識に抵抗しています。

心が荒み続ける

自分が羨ましいと思う状態になることを否定しているのは、自分が成長するとこれまでのように不適切、無差別に誰かを攻撃できなくなるからです。
ルサンチマンは、自分を被害者、弱者と認識することで、自分の憂さを晴らすために不適切、無差別に誰かを攻撃しているので、自分を被害者、弱者だと
思えなければ憂さを晴らせなくなってしまいます。

自分を被害者、弱者だと思うこと自体が、不満をため込み原因でもあるのに、ため込んだ不満を発散するための大義名分が自分が被害者、弱者であるという悪循環に陥っているため、どこかでルサンチマンから抜け出さないと心は荒む一方です。

ルサンチマンにならないために

程度の差はあれ、ねたみ、そねみという感情は、人間であれば心に生じることはあります。
ルサンチマンに陥ってしまうのは、ねたみ、そねみが生じた時に相手を否定、批判して自分の中にある負の感情を正当化して、さらにその感情を発散する
行為まで正当化してしまうからです。

そんなことにならないためには、他人を羨ましいと思う自分の気持ちを認めること、素直に羨ましいということが大切だと思います。
さらに自分もそうなりたい、少しでも近づきたいと羨ましいという思いを憧れに変えて、建設的な努力をする習慣を持つことがルサンチマンにならないために必要なことです。

努力をして何かで成果を残したり、その結果、地位や名声、裕福さ、幸福を手に入れた人を否定、批判し続けても自分の人生が好転することはありません。
それどころか、そんな行動を続けていては他人から相手をされなくなったり、場合によっては犯罪を犯してしまうことになり、自分の生活が孤独で惨めな
ものになっていくばかりです。

誰に心に中にもルサンチマンになる兆しはあると思いますが、そんな時は素直に羨ましいと言い、憧れを抱いて努力することができれば、自分の人生は少しでも好転するのではないかと思います。

———ここからは後半です—————-

前半は自分がルサンチマンにならないように気を付ける点について説明をしましたが、後半は、ルサンチマンと思われる人と接する時に注意をした方が良い点について説明したいと思います。

被害者意識を持った人の攻撃パターン

ルサンチマンという心理的特徴は、場合によっては誰もが抱える可能性があるということは上記に書きましたが、誰もが抱える可能性のある心理的特徴ということは、私たちの身の回りに自分の心がルサンチマンという状態になっていることに気づかず、周囲に迷惑を掛けている人がいるということです。

学校やお店に過度な要求やクレームをする人、SESに他人を誹謗中傷するコメントを投稿し続ける人、無差別に他人に危害を加える犯罪者、逆ギレをして他人に危害を加える人、相手が悪いと言っていじめをする人などは、ルサンチマンを心に抱えています。

ルサンチマンを抱えた人から受ける影響で比較的身近なものは、仕事によっては過度なクレームを受けること、職場では上司からのパワハラ、モラハラを受けること、学校やコミュニティ内での阻害やいじめ、認知度の高い芸能人や文化人、スポーツ選手などはSNSでの誹謗中傷などがあります。

相手に罪悪感を与える先制パンチ

このようなさまざまな攻撃の共通点は、相手に罪悪感を与えて自分の行為をより正当化して攻め続けるというものです。
相手は加害者であり、自分は被害者なので自分の行為は正当なものだという図式に持っていこうとします。
相手に対する先制パンチが、罪悪感を与えるための一言であることが多いです。
まんまと罪悪感を植え付けられてしまうとそこから一気に責め立てられ精神的に窮地に追い込まれてしまいます。

ブログを読んで下さっている方の中には、この攻撃パターンにやられて辛い思いをしたことがあるという方は少なくないのではと思います。

ルサンチマン対策は過度な罪悪感を持たないこと

被害者意識、弱者意識が強い人は、自分が被害者、弱者というポジションを確保するために相手に罪悪感を持たせようとしてきますが、相手の思い通りに罪悪感を持たされないことが対策になります。

相手から何らかの不満をぶつけられる時は、自分にも多少の落ち度があるかも知れませんが、相手の話をよく聞いて話の矛盾点を探しながら、自分に相手が言うほどの落ち度や問題がないことをじっくりと確認するのです。

早い段階で謝ったり、怯んだりするとどんどん付け込まれるため、全部話を聞いてやるくらいの気持ちで相手の話の矛盾点を確認してみて下さい。
被害者意識、弱者意識が強い人はの話は、よくよく聞くとかなり滑稽なことを言っているので、冷静に聞けば聞くほど笑ってしまいそうなほど矛盾したことを言っています。

相手の話の矛盾点が分かれば、場合によってはそこを指摘して相手を黙らせることもできます。
どのような関係性や内容で攻撃を受けているかによって、相手の話の矛盾点を見つけてからの対処法は変わってきますが、相手の話に矛盾が多く自分が罪悪感を抱えるようなことではないと思うだけでも、かなり精神的ダメージは回避でき、相手の理不尽な要求を呑まされることも拒否できることにもつながるので、相手の話の矛盾点を探すという対処方法を覚えておいて頂ければと思います。