性犯罪を止められない人の心理的特徴

性犯罪は再犯が多いという事実がありますが、逮捕され、前科もつくことになるのになぜ止めることができないのかという点は、不思議に感じられる人も多いかと思います。

警察官も、以前逮捕した人が何度も逮捕されてくるという事実に直面しているので、性犯罪で逮捕された人には厳しく接するようですが、それでも同じ人が逮捕されて警察に来るということは無くならないそうです。
最近では、警察官からカウンセリングに行くことを強く勧められたと言ってカウンセリングの依頼をしてくる人も増えてきました。

なぜ、警察官がカウンセリングを勧めるのかというと、性犯罪者がカウンセリングを受けることの必要性が警察官、弁護士、検察官や裁判官など、犯罪と関わる職業の方に浸透しているということが理由ではないかと感じています。
罰を与えられるということだでは性犯罪を止めることができないということは、心理的な面で奥深い問題であり、その部分へのアプローチは専門家に相談することが有効だという認識が強まっているのだと思います。

先に挙げた職業の方も、性犯罪者と話をしていると言動に違和感を感じたり、改善の見込みが低そうだと感じることがあると思いますが、それは否認の心理というものが言動として表れているからです。
この記事では、性犯罪者の再犯につながっている心理的特徴である否認の心理について説明しています。

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依存症の改善は否認の心理の見直しから始まる

改善の妨げになっている否認の心理とは

なぜ性犯罪を繰り返して逮捕をされても止める気にならないのか。
その原因となる否認の心理について説明します。

否認の心理は、下記のような特徴があります。

  • 事実が明確でも根拠や証拠を受け入れない
  • 事実は認めてもその重大さを認めない
  • 事実と重大さは認めても、責任は他者にあるとアピールする

3つの特徴は、性犯罪の場合は下記のような特徴として表れます。

  • 性犯罪は再犯が多いが自分は意思の力だけで止めることができる
  • 自分は時間を掛けなくても改善する
  • 罪の重さと向き合うことを避けていて罪悪感を感じられない
  • 女性の服装や状況のせいにする

性犯罪が再犯が多い犯行である理由は、否認の心理が強く影響しており、この否認の心理を改善していくことが再犯の抑止のためには欠かせない取り組みであり、その方法がカウンセリングです。
しかし、否認の心理があるからこそ、カウンセリングすらも始まらないという点が性犯罪の特徴でもあるのです。

カウンセリングを自分で予約しないのも否認の心理

性犯罪加害者の大半は、否認の心理が強いのでこのような記事を読む人は非常に少ないです。
性犯罪をしても自分が再犯をする危機感は弱く、何の取り組みもせずに生活をしていることが多いため、数か月後や数年後に再犯をしてしまうということが起きてしまいます。

性犯罪をした人がカウンセリングを受ける場合は、加害者の家族や恋人から予約の依頼があるということが多いのです。
カウンセリングを予約する経緯のところにも否認の心理が感じられるのです。
反対に、性犯罪をした後に自分の行いを悔いて自らカウンセリングを予約する人は、最初からカウンセリングの進み方がスムーズです。

この記事を読んでいる方も、その多くは性犯罪をした当事者ではなく、その家族もしくは恋人だと思うので、下記のことをお伝えしたいと思います。
あなたの夫、子供、恋人などで性犯罪をしてしまった方がいた場合、何事もなかったかのように日常生活を送っていたとしたら、再犯のリスクを抱えたままだと認識しておいてください。
何度か逮捕されたのちにカウンセリングを受けた性犯罪者の家族からは、『本人にどう接したらいいかわからない』と思って性犯罪のことについて触れない日々を送っていたら再犯をし始めていて逮捕されたという話をよく聴きます。

もし、家族の誰かが性犯罪をしたのなら、カウンセリングを受けることを進めて下さい。
本人の意思が弱い場合は、最初のうちは一緒に受けてもらうことも可能です。
性犯罪が抱えている否認の心理は、改善のスタートすらも始まることを妨げてしまうものなので、大変なことだと思いますが家族が現実から目をそらさずに犯罪を犯した本人の改善を後押しして頂ければと思います。