性犯罪で逮捕されたのに再犯をしてしまう理由

痴漢、盗撮、露出などの性犯罪は、警察に逮捕されてから数か月後、数年後に再犯をしてしまう人が多い犯罪です。

性犯罪者の中には、『犯行の後は後悔する』という感想を持っていたり、『逮捕された時にもう犯罪を止められるとホッとした』という感覚があるという人もいるのですが、そんな人達でも再犯をしてしまうのです。

性犯罪加害者もその家族も、初めて逮捕された後には『逮捕されて後悔も反省もしているから再犯をすることはないだろう』と1回目の逮捕の時に思っていたが、再犯をしてしまったのでカウンセリングを受けることにしたという人はたくさんおられます。

本当は、初回の逮捕の後にカウンセリングを受けることが必要なのですが、上記のような思い込みから何の対処もせずに日常生活を送り、再犯に至ってしまうのです。

性犯罪を犯す依存性という要因

痴漢、盗撮、露出などの行為をしてしまうことすら性犯罪をしない人からは、理解が難しいことですが、逮捕されても繰り返してしまうとなると、更に理解が困難になります。

では、なぜ性犯罪は再犯が多いのかというと、繰り返すほどに依存性が高まるからなんです。

依存性は、ある刺激を受けると特定の行為をしたくなるという脳の働きであり、その行為が一時的にストレスを緩和したり、嫌なことを考えるということを中断させてくれるというメリットがあるという特徴があります。

この依存性が、下記で説明するような心理的特徴と合わさって再犯が起きるのです。

性犯罪をしてしまう人の心理的特徴

痴漢、盗撮、露出をしてしまうという方にはいくつかの共通点があります。

・ストレスに対して我慢強い
・争いごとは嫌いで、職場の人間関係でも我慢をしてしまう
・自分が受けている、抱えているストレスに対して鈍感になっている

・口数が少なく、家でもあまり話をしない
・自分の気持ちの状態を表現することが苦手であるということ
・現実逃避をしやすい傾向がある

などがあげられます。

これらの心理的特徴がある人は、どうしてもストレスを抱えやすくなるので、ストレスが蓄積したこと、そして脳内で依存性は高まっていることなどが重なり再犯が起きる可能性が高くなってしまいます。

再犯を繰り返す理由

どんな問題も、その問題に対する対処と解決の取り組みは違います。
しかし、その違いを意識せずに問題の改善に取り掛かっている人がいるため、問題は再発してしまうのです。

痴漢、盗撮、露出において、同じようなことをしないように本人が強く意識する、奥さんが会社まで送り向えをする、携帯電話を持たさないなど、これらはすべて対処になります。
そして、多くの人が痴漢、盗撮、露出などで逮捕されてた後も対処しかしていないのが現状で、カウンセリングに来られる方の多くは、数回の逮捕歴があることも少なくありません。

痴漢、盗撮、露出という問題の解決は、自分のストレスに気づけるようになること、ストレスケアの習慣を持つこと、自分のことを話すこと、話を聴いて
もらうことで自分の現状を把握できるようになったり、他人と意見を交わすことで価値観を育てていくことなどです。

上記にも書いたように痴漢、盗撮、露出という問題には親子関係は大きく影響しています。
親子関係の中で、心の成長に必要な大事なコミュニケーションが取れていません。
問題解決には、そのコミュニケーションを取っていくことが大切で、それを行う場所がカウンセリングであり、日常生活でそのようなコミュニケーションができるようにサポートしていくのもカウンセリングです。

痴漢、盗撮、露出をしてしまうという方は、本来我慢強いので反省して我慢するという対処は、最初はいいのですが、時間が経てばその対処自体が次の痴漢、盗撮、露出という問題行動の原因作りになってしまうので、対処をしつつ解決のための取り組みをしていかなければならないのです。