この記事は、「どのような人が性犯罪をしてしまうのか?」、「なぜ性犯罪は再販を繰り返す人がいるのか?」という疑問に応える内容になっています。
これは性犯罪加害者自身も抱えている疑問で、このような疑問を持ちながらも性犯罪を繰り返している人もいるのです。

私達はこのような疑問があるのなら、性犯罪を止めるための行動につなげてほしいと考えています。
もし「なぜ自分は性犯罪を止めることができないのだろう?」という悩みを抱えてこの記事を見つけた方は最後まで読んでいただき、その上で自分が何をすべきかをよく考えていただければと思います。

なぜ性犯罪を始めてしまったのか?

カウンセリングでは多くの性犯罪加害者の話を聴かせていただいていますが、概ね以下のような特徴が共通点として挙げられます。
これらの特徴がたくさん当てはまっているほど、再犯を抑止し続けるためのカウンセリングには時間が掛かります。
また、再犯をしないためにはご本人には油断をしない生活をしていただく必要があります。

性犯罪をしてしまう人の心理的特徴

痴漢、盗撮、露出をしてしまうという方にはいくつかの共通点があります。

・ストレスに対して我慢強い
・争いごとは嫌いで、職場の人間関係でも我慢をしてしまう
・自分が受けている、抱えているストレスに対して鈍感になっている

・口数が少なく、家でもあまり話をしない
・自分の気持ちの状態を表現することが苦手であるということ
・現実逃避をしやすい傾向がある

などがあげられます。

これらの心理的特徴がある人は、どうしてもストレスを抱えやすくなるので、ストレスが蓄積したこと、そして脳内で依存性は高まっていることなどが重なり再犯が起きる可能性が高くなってしまいます。

性犯罪を始めた時期やきっかけは人それぞれ

性犯罪をしてカウンセリングに来られる方には上記のような特徴がありますが、性犯罪を始めた時期やきっかけは人によって個人差があります。

まず時期に関しては、早い人で小学生のころから性犯罪につながるような行動をとり始めていた人もいれば、40代以降に始めてしまう人もいます。
もちろん20代で始める人も30代で始める人もいて、性犯罪を始める時期は個人差が大きいと言えます。

性犯罪を始めるきっかけは、以下のような傾向があります。

・思春期に同級生の下着が見えた時に興奮をして下着への執着が始まった
・友達の家に行った時にその姉や妹の下着がほしてあるのを見て興奮した
・満員電車で偶然女性の体に手が触れ、女性は嫌がらないと勘違いした

・人込みの中なら女性の体に触れてもバレないと思うようになった
・ある日、屋外で裸になったら開放感があるのではないかと思った。
・スマホを持ち始め、スマホなら盗撮してもバレないと考えてしまった

上記は性犯罪を始めるきっかけの一部ですが、カウンセリングの中で確認している範囲ではこれらがきっかけとして性犯罪を始めている人が比較的多いように感じています。

これらのきっかけと心理的な要因が重なった時に盗撮、痴漢、露出などの行為を行ってしまい、そこから性犯罪を繰り返すようになってしまうという流れが多くの性犯罪加害者に共通しています。

性犯罪で逮捕されたのに再犯をしてしまう理由

ここからは性犯罪の再犯が起きる理由について説明しています。
痴漢、盗撮、露出などの性犯罪は、警察に逮捕されてから数か月後、数年後に再犯をしてしまう人が多い犯罪です。

性犯罪者の中には、『犯行の後は後悔する』という感想を持っていたり、『逮捕された時にもう犯罪を止められるとホッとした』という感覚があるという人もいるのですが、そんな人達でも再犯をしてしまうのです。

性犯罪加害者もその家族も、初めて逮捕された後には『逮捕されて後悔も反省もしているから再犯をすることはないだろう』と1回目の逮捕の時に思っていたが、再犯をしてしまったのでカウンセリングを受けることにしたという人はたくさんおられます。

性犯罪を繰り返してしまう依存性という要因

痴漢、盗撮、露出などの行為をしてしまうことすら性犯罪をしない人からは、理解が難しいことですが、逮捕されても繰り返してしまうとなると、更に理解が困難になります。

では、なぜ性犯罪は再犯が多いのかというと、繰り返すほどに依存性が高まるからなんです。

依存性は、ある刺激を受けると特定の行為をしたくなるという脳の働きであり、その行為が一時的にストレスを緩和したり、嫌なことを考えるということを中断させてくれるというメリットがあるという特徴があります。

この依存性が、下記で説明するような心理的特徴と合わさって再犯が起きるのです。

性犯罪を克服するための方法を間違っている人が多い

どんな問題も、その問題に対する対処と解決の取り組みは違います。
しかし、その違いを意識せずに問題の改善に取り掛かっている人がいるため、問題は再発してしまうのです。

痴漢、盗撮、露出において、同じようなことをしないように本人が強く意識する、奥さんが会社まで送り向えをする、携帯電話を持たさないなど、これらはすべて対処になります。
そして、多くの人が痴漢、盗撮、露出などで逮捕されてた後も対処しかしていないのが現状で、カウンセリングに来られる方の多くは、数回の逮捕歴があることも少なくありません。

痴漢、盗撮、露出という問題の解決は、自分のストレスに気づけるようになること、ストレスケアの習慣を持つこと、自分のことを話すこと、話を聴いて
もらうことで自分の現状を把握できるようになったり、他人と意見を交わすことで価値観を育てていくことなどです。

上記にも書いたように痴漢、盗撮、露出という問題には親子関係も影響しています。
カウンセリングの中で幼少期の話を聴いていると、親子関係の中で、心の成長に必要な大事なコミュニケーションが取れていなかったという方は半数以上おられます。

問題解決には、心の成長を促すためのコミュニケーションを取っていくことが大切で、それを行う場所がカウンセリングであり、日常生活でそのようなコミュニケーションができるようにサポートしていくのもカウンセリングです。

痴漢、盗撮、露出をしてしまうという方は、本来我慢強いので反省して我慢するという対処は、最初はいいのですが、時間が経てばその対処自体が次の痴漢、盗撮、露出という問題行動の原因作りになってしまうので、対処をしつつ解決のための取り組みをしていかなければならないのです。

カウンセリングで傾向を分析し対策を考える

性犯罪を始めてしまった時期やきっかけ、再犯をするに至った経緯、性犯罪を始めてから続けてきた期間、ご本人の性格傾向や生活習慣などをカウンセリングの中で確認して、どのように再犯を抑止して更生を進めていくかを提案しています。
そして、必要な取り組みが継続できるようにカウンセリングを重ねながら見守り、再犯のリスクが生じてきた場合はその点を指摘して生活の立て直しを促していきます。

「自分の意思で再犯を止めることができる」と考えている方もおられますが、カウンセリングの中でそのようなことを言って来なくなる人ほど後日再犯をしているという傾向があります。
再犯を止めるための分析や対策は、多くの性犯罪加害者の話を聴いて性犯罪の克服の過程を支えてきたカウンセラーだからこそ考えることができるなようです。

性犯罪加害者のカウンセリングは、話を聴くということも行いますが、具体的な対策の提案や対策の実行の確認に力を入れています。
また、何気ない話からも再犯のリスクが生じてきていると気づくことができるのもカウンセラーの経験によるものです。
性犯罪を繰り返してしまっているという方は、この記事を読んでいただいた機会に本気で止めるための取り組みをしましょう。
私達がしっかりとサポートさせていただきます。