脇見恐怖症は自分が脇見をして他人に迷惑をかけてしまうことを過度に恐れる症状です。
他人を視界の端に入れただけで脇見しているような感覚になり、相手に迷惑をかけた
のではないかと罪悪感に苛まれる。

相手も自分の脇見を嫌がっているように見えるし、悪口を言われるし…自分は脇見を
しているに違いないと思っています。
別に脇見をしたいわけじゃないのにどうしても見てしまう。自分では止められない。
目が勝手に動いて脇見をしているのではないかと思う人も多いです。

脇見恐怖症の心理

脇見をする(もしくは脇見をしている感覚になる)のは周りを警戒しているからです。
脇見恐怖症の人は周りの細かい反応も逃さないほど神経を張り巡らせ、常にピリピリ
しています。
肩や首がガチガチに凝り固まってしまうほど緊張、周りが全員敵のような感覚だと
おっしゃる方もいました。

脇見恐怖症の背景にある不安、恐怖

脇見恐怖症の背景には、自分がどうしていいかわからない不安、他人に拒絶されること
への恐怖があります。
自我が確立されていないことで自分がどうしたいかがわからず、自分で判断ができない
から相手に合わせるしかない。
すべてが相手次第になってしまうため、相手に拒絶されないことがものすごく重要に
なっています。
他人に迷惑をかけないことがすべてだとおっしゃる方もいたくらいです。

脇見をして他人に迷惑をかけてしまう自分はおかしい、ダメだと常に否定。
脇見の症状をなくすことで頭がいっぱいになり、どんどん執着を強めて悪化していく
のです。

脇見恐怖症と怒り

そして、もっと深いところには怒りがあります。
脇見恐怖症で悩んでいる人の心の奥にある怒りは以下のようなものがあります。

  • 過去の親子関係やいじめ等で抱えた怒り
  • 理想とかけ離れた今の自分が許せない怒り
  • 脇見に反応する相手に対する怒り
  • 脇見をしてしまう自分に対する怒り

脇見によって相手が不快に思ったり、イライラしているように見えたりするのは、
自分の中にある怒りが映し出されているからです。
赤の他人が脇見をどれだけ気にするのかなんてわかりませんからね。
他人が自分に対して攻撃してくると感じる度合いが大きい人ほど怒りを抱えています。

脇見恐怖症を悪化させる二次的な問題

「脇見をしてはいけない」という過剰な意識

脇見をしてはいけないと思うから近くに人がいてもはっきり見ることができません。
例えば、電車で隣に座ってきた人がどんな人か、誰しも多少なりは気になるでしょう。
にもかかわらず、確認ができないとなれば不安になるのは当然です。
「脇見をしてはいけない」と意識しすぎるがゆえ、確認できないことで不安が強まって
います。

周りの無理解

脇見恐怖症の感覚は経験していない人や知識のない人にはなかなか理解してもらえません。
家族や友人、医者やカウンセラーに話しても妄想であるかのように扱われることがほとんど。
統合失調症と診断されるケースも珍しくはありません。
理解してもらえないことで抱え込み、人間不信を募らせ悪化していくのです。

脇見恐怖症の克服に必要なこと

脇見恐怖症を克服していくためにカウンセリングでは以下のような取り組みをおこないます。

感情を自覚して表現する

脇見恐怖症で悩んでいる人は自分の感情に鈍感です。
嫌なことを嫌だと感じられず、イライラすることがほとんどありません。
感情を強く抑圧しています。
感情を抑圧することで過度の緊張状態となっているため、感情を自覚して表現できるように
なることが必要です。

カウンセリングでは、まず脇見恐怖症で日々感じている辛さ、苦しさについて話して下さい。
抱え込んでいた気持ちをカウンセラーに受け止めてもらう中で、自分の感情に気付き少し
ずつ言葉にすることができるようになっていきます。

脇見恐怖症のメカニズムを知る

心理的な問題~過度の緊張状態による自律神経の乱れ、継続・悪化させる悪循環等、
脇見恐怖症のメカニズムを知ることは大切です。
そのためにカウンセリングでは、現在の状態や生活習慣だけでなく過去の成育歴まで
しっかりお聴きしていきます。

脇見恐怖症はHSPや発達障害が影響している可能性もありますので、生まれ持った性質
も思いつく範囲でお話しください。
今の自分の状態なら脇見をしてしまうのは当然だと思うことができれば、自分を過度
に責めることがなくなって楽になります。

「自分は自分、他人は他人」と境界線を引く

脇見恐怖症の人は自分が視線に敏感であるがゆえ、相手も同じくらい敏感だと思って
います。
しかし、同じくらい敏感な人は少なく、どちらかと言えば鈍感な人の方が多いです。

カウンセリングでは視線のことを中心に、脇見恐怖症で悩んでいない人たちの感覚に
ついて詳しくお伝えしていきます。
ただ知識として得るだけでなく、会話の中で過去の経験と結び付けたりしながら感覚的
に理解できるところまで落とし込むことが必要です。

「自分はすごく気になるけど他の人はあまり気にしないんだな」といった感じで、自分
と他人の線引きができればできるほど症状は緩和していきます。

脇見が気になりながらも動いていく

脇見恐怖症があったとしても自分がやりたいことをやっていくことが必要です。
脇見で他人に迷惑をかけることを気にしてばかりいると、何もできなくなっていきます
からね。
カウンセリングを受けていただくことで「脇見が出るから」と消していた本音に気付いて
いきます。
そして、脇見が気になりながらでも少しずつ自分がやりたいことをやっていく。

いきなりハードルが高いことはできませんので、カウンセラーと相談しながら今の自分の
状態に合ったことに取り組んでいきます。
継続していく中で脇見が気になる度合いは下がり、最終的に脇見恐怖症が改善するのです。

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