対人恐怖症の種類
対人恐怖症と言っても、人によって悩んでおられる内容はさまざまです。
下記に記載している症状はすべて対人恐怖症です。
自分や周囲の人が抱えている悩みと照らし合わせてみて下さい。
・赤面恐怖 … 人前で顔が赤くなってしまうのではないかと不安になる
・あがり症 … 人前で話す、朝礼のスピーチなどで緊張して頭が真っ白になる
・電話恐怖 … 電話で自分が話す内容を誰かに聞かれることが怖いと感じる
・会食恐怖 … 会食で食べ物が喉を通りにくい、吐き気がするので会食が怖い
・視線恐怖 … 他人の視線が怖い、自分の視線で他人を不快にさせていると感じる
・脇見恐怖 … 視線を向けてはいけない方へ視線を向けてしまわないか不安になる
・醜形恐怖 … 自分の顔や体が醜いと感じて激しい自己嫌悪に苛まれる
・自己臭恐症 … 自分の口や体が臭いと思われているのではないかと不安になる
・書痙恐怖 … 字を書こうとすると手が震えて上手く書けなくなる
・男性恐怖 … 近くに男性がいる、男性と会話をするといったことが怖いと感じる
・女性恐怖 … 女性と話すこと、一緒にいることなどが怖いと感じる
カウンセリングには、上記のような悩みを抱えた方が来られていますが、その中にはカウンセラーと会うことも辛いのでオンラインでのカウンセリングを希望される方もおられます。
現在は、SkypeやZOOMでカウンセリングを行うことができるので、対人恐怖症の方もカウンセリングを受けやすくなっているようです。
そのため対人恐怖症の相談は増加傾向にあります。
対人恐怖症を克服するカウンセリング
対人恐怖症を克服するためには、対人恐怖症のことや自分自身のことをよく理解することが必要です。
カウンセリングでは話を聴かせて頂きながら知識やアドバイスを提供し、下記3つのアプローチによって克服を目指していきます。
1.対人恐怖症を生み出す心理的課題へのアプローチ
対人恐怖症で悩んでいる人は、他人に迎合して自分を作ってきたことでアイデンティティ(自我)の確立ができていません。
自分がどういう人間なのかよくわかっていないのです。
自分がよくわからないから自尊心が高まらない、感情や欲求を上手く制御できずに飲まれてしまう。
自分との付き合い方が上手くいっていない状態だと言えます。
カウンセリングは蔑ろにしてきた自分のことを話す場になるため、症状のこと以外はなかなか話しづらいところがありますが、少しずつカウンセラーの質問に沿って話せる範囲でお話しいただければ大丈夫です。
自分のことがわかってくるにつれ、自分を肯定しやすい状態となり、アイデンティティが確立して自尊心が高まっていきます。
2.対人恐怖症の歪んだ認知を修正するアプローチ
対人恐怖症で悩んでいる人は、認知(物事の捉え方)の歪みによって出来事を客観的に見ることができない状態になっています。
- 自分が見たことで相手が不快な思いをして嫌がらせをしてきた
- 周りのみんなが自分のことを変だと思っていて馬鹿にしている
- 挨拶を無視されたから嫌われているに違いない
- 自分の方を見て話している人たちは悪口を言っているに違いない
- 相手の反応が良くなかったのは自分の症状のせいだ
会話をしていてどことなく気まずい雰囲気になったとき、自分の失言が原因だと思い後から謝ったところ「え?何のこと?」と不思議そうな顔で見られたというエピソードがありました。
事実と異なる捉え方をすることで苦しみ、不安や恐怖、人への不信感を募らせているところがありますので、カウンセラーが修正できるように働きかけをおこないます。
認知の歪みがひどい場合、カウンセラーからの話に対して反論が出てくることは少なくありません。できる限り頭に浮かんだ反論をお話しいただくとより改善しやすくなります。
3.対人恐怖症克服に向けた脳の働きからのアプローチ
対人恐怖症は、それを生み出している脳の働きに対するアプローチが必要となります。
対人恐怖を含めた恐怖感というのは、脳の大脳辺縁系と言われているネットワークが関係しているのですが、その働きを抑制して不安や恐怖を感じても生活に支障がないようにコントロールする働きを担っているのが前頭前野と言われる部分です。
この前頭前野は、話を聴いてもらったり、他人の考え方に触れたり、自分と他人の考え方を照らし合わせて思考したりすることで機能が高まっていくと言われています。
カウンセリングを受けることは、その中で行われるさまざまなアプローチによって恐怖感を生んでいる大脳辺縁系の働きを抑制する前頭前野を鍛えるための1つの方法です。
対人恐怖症の克服を目指している方はカウンセリングをご利用下さい。
対人恐怖症の種類とカウンセリング
対人恐怖症にはいくつもの種類があります。
人前で顔が赤くなることへの不安、 人前にでると頭が真っ白になる、電話をする時に誰かに聴かれることが怖い、会食で食べ物が喉を通りにくい、 他人の視線が怖い、自分の視線が不適切な方へ向かないか不安、容姿が見にくいと思われないかという不安、自分の口や体が臭いのではないかという不安など、他にもさまざまな対人恐怖症の傾向があります。
人によって悩んでいる内容に違いがあるので、カウンセリングではまずはしっかりと話を聴かせて頂き内容に合ったサポートを進めていきます。
当オフィスは対人恐怖症の相談も多く、さまざまなタイプの悩みに対応してきた実績があるので不安や恐怖感で人間関係を上手く築けない、外出することに抵抗がある、学校や職場に行くことが怖いという方はカウンセラーにご相談下さい。
対人恐怖症の方はカウンセリングを受けるとなると『上手く話せるか』、『相手を不快にさせないか』、『話をしたら変に思われないか』などの不安を感じるかもしれませんが、まずは勇気を出して一歩踏み出して頂ければと思います。
カウンセラーは、対人恐怖症の方が抱えておられる心の負担、人によって悩みが違うことなども理解していますので、安心してご相談下さい。