良い人だと思うのに好きになれない…婚活に悩む女性

「条件はいい。誠実そうで私のこと大事にしてくれそう」

「でも、なぜか好きになれない…」

「ちょっとした癖やLINEの絵文字の使い方や服装が気になって嫌悪感すら抱いてしまう」

婚活の場で多くの方がこのよくわからない違和感や嫌悪感に悩まされています。

最初は「いいな」と思っても距離が近づくにつれて相手の欠点ばかりが目に付くようになり、最終的には「この人ではない」と判断してしまう…

いわゆる“蛙化現象”や相手を厳しく評価してしまう“減点方式”に陥っているのです。

周りからは「理想が高すぎるんじゃない?」「完璧な人間なんていないよ」と言われてモヤっとする。

なぜ、幸せになりたいはずなのに、幸せを運んできてくれそうな相手を自ら遠ざけてしまうのでしょうか。

その裏側にあるのは、高望みではなく、あなたの心が必死にあなたを守ろうとしているのかもしれません。

「ピンとこない」という言葉の裏に隠された防衛本能

私たちは心に強い痛みを感じそうなとき、無意識に自分を守るための防衛反応が生じます。

婚活における“粗探し”や“拒絶”は、心理学的に見ると“防衛本能”の一種である可能性が高いのです。

傷つく前に理由をつけて自分から切り捨てる

誰かに恋愛感情を抱くということは、同時に“傷つくリスク”を受け入れることでもあります。

人を好きになるのは失恋する可能性や期待外れで残念な思いをすることと隣り合わせなのです。

「LINEの絵文字の使い方」などの理由が浮かんだ時、その前に相手の発言で嫌な思いや悲しい思いをしたり、違和感を抱いたりしたことはありませんでしたか?

相手への期待やイメージが崩れて残念な思いをしてしまう前に、簡単で些細な理由をつけて自分からのめり込まないようブレーキをかけているのかもしれません。

裏切られるかもしれない

「ありのままの自分を見せて幻滅されるのが怖い」

「自分の生活ペースを乱されるのは嫌だ」

こうした不安が強ければ相手と親密な関係になっていくことを無意識に拒否します。

すると脳は自分を守るために「この人と親密にならなくてもいい理由」を必死に探し始めるのです。

「待ち合わせがスマートではなかった」「服のセンスが微妙」「ラインの頻度が合わない」

これらは相手が悪いのではなく、あなたがこれ以上相手を好きになって傷つくことがないようにしてくれているのかもしれません。

回避依存―親密さへの恐怖

距離が近づくと離れたくなるという心理の背景には、回避依存的な傾向が隠れていることがあります。

回避依存とは、深い対人関係を避け、束縛や干渉を極端に嫌う性質のことです。

この傾向がある人は相手が自分に好意を寄せ、精神的な距離を詰めようとしてくるほど、息苦しさを感じて逃げ出したくなります。

以下のような傾向が見られる場合、回避依存に該当している状態かもしれません。

  • 人と一緒にいる時間が長いと疲れやすく一人の時間がないとしんどい
  • 自分の感情や欲求などの内面的なことを他人と共有しようとしない
  • 関係が深まることに対して束縛やコントロールなどネガティブなイメージが先行する

なぜ「好きじゃない人」からは好かれるのか

「どうでもいい人からは好かれるんだよなあ」と思ったことはありませんか?

このタイプの方は興味のない相手や絶対に好きにならないであろう相手には優しく、社交的に振る舞えることがよくあります。

なぜなら、その相手とは”深い関係になるかもしれない怖さ”も”振られるかもしれないことへの不安”も少ないため、安心して自由に自分を出せるからです。

安心できる関わりの中では、相手の小さな欠点を探す必要がなく、あなた自身もオープンに自由に接することで魅力的な面が出やすいからです。

しかし、いざ結婚候補として意識した途端、相手の欠点を探し出し「この人とは気が合わない」というストーリーを作り上げて、距離を離そうとするのです。

【関連記事】なぜ「好きな人」には好かれず「好きじゃない人」から好かれるのか?—相補性の心理

“減点方式”を取り入れてしまう理由

減点方式で相手を見てしまうもう一つの理由は「過去に交際してきた相手」と目の前の人を比較してしまうことです。

例えば、 「前の彼は、私の気持ちを全然分かってくれなかった。次はもっと気持ちを分かってくれる人がいいな」 と感じたとします。 

すると「そんな人と付き合えたら(結婚できたら)きっと幸せだろう」という願望が理想化され、そのイメージを目の前の相手に重ね合わせてしまうのです。

しかし、残念ながら人の気持ちに敏感な人はいても「いつでも完璧に他人の気持ちを察することができる人」は存在しません。

実際、話し合いを重ねる中で少しずつ理解を育んでいく人もいれば、100%理解はできなくても寄り添おうと努力してくれる人もいます。

それなのに、心に根付いてしまった減点方式のフィルターを通すと、「気持ちを分かってくれない」「察してくれない」という“減点の部分“が目についてしまうんですよね。

その結果、「寄り添おうとしてくれている」「自分の言葉に耳を傾けてくれた」といった、相手の“加点の部分”を見逃すことになります。

こうして、「理想の相手なら、もっとスマートにエスコートしてくれるはず」「本当に私を愛しているなら、私の気持ちを察してくれるはず」と、関係性を段階的に捉えるのではなく、自分の理想に合致するかどうかの採点するだけになってしまうのです。

“減点方式”から卒業するために

いつも些細なことが気になり、相手のことを好きになれない…

嫌なところを見つけてしまうのを辞めたい。

そう思ってもついついしてしまい、一度嫌な部分だと捉えてしまうとなかなか頭から離れられないですよね。

努力や気合だけでこの問題が解決することはありません。

なぜ自分の心がそれほどまで怯えているのかに気づき、向き合う準備をしていくことが必要なのです。

自分の不安と防衛を自覚する

相手の些細な嫌なところが目に付いた(減点方式をしている)とき、「この人じゃない」と決める前に考えてみてください。

「本当にその理由が原因なのか」「いくらでも変えられる部分ではないだろうか」「気持ちのブレーキをあえて探しているのではないか?」

自分の反応を客観的に見るだけで無意識の自己防衛は和らいでいきます。

自分の不完全さや意外さを許容する

相手に対して“減点方式”の考えを持つ人は、自分に対しても厳しい視点を持っていることが多いです。

「こんな自分は嫌だ」「〇〇な自分は受け入れられない」と自分の不完全な部分を許容することができていません。

「そんな部分も含めて自分なんだ」「そういうところがあるから自分の良い部分が光るんだ」という視点を持つようにしてみましょう。

そうすることによって相手に対しても「そういう一面もあるんだ」「まあ人間だもんね」と思えたりして、笑い合える安定したパートナーシップを築くことにつながっていきます。

相手に「思ってたよりも〇〇なんだ」と思われることは悪いことではありません。

自分の不完全な部分も含めて受け入れていくことでコンプレックスを隠しながら人とかかわるしんどさから解放されます。

共通の「心地よさ」を1つだけ探す

性格や条件、理想は一度忘れて「沈黙が苦じゃないか」「空気感が重くないか」といった、もっと単純な感覚を大事にしてみてください。

減点よりも加点となる“感覚の共有“に意識を向けることで自己防衛が緩みやすくなります。

思考で考えて無理に“減点の部分”を探そうとするより感覚に意識を向けてみましょう。

カウンセリングで防衛本能と向き合う

「ピンとこない」という感覚を無理に変えることは難しいと思われます。

しかし、なぜ自分が「ピンとこない」という言葉を使って新しい出会いをシャットダウンし続けてしまう構造を変えることは可能です。

“回避性”の背景を探る

過去の恋愛や家庭環境の中で、誰かと深く繋がって傷ついた経験がなかったかを探します。

自分にとって大切な人と認識し、その人との関わりを求めるが叶わなかったなどの経験も関係しているかもしれません。

今の粗探しの減点方式は、過去の自分を守るために必要だったものかもしれません。

その防衛の役割を労い、今の自分に合った守り方を再構築します。

完璧主義を取り払う

相手に対しても自分に対しても、不完全さを認め、許容していきます。

“正解”の相手を選ばなければならないという強迫観念を緩め、試行錯誤しながら関係を築いていくプロセスを感じる柔軟さを取り入れていきます。

カウンセリングの中で自分自身の無意識の自己防衛と向き合い、専門家と解明していくことで違う形に再構築していきます。

相手の欠点が見えるのは、真剣に人生を選ぼうとしていることでもあります。

しかし、それが自身を孤独にさせ続けているのかもしれません。

少しだけその視点を変えてみて、完璧な理想像の相手を見つけるわけでもなく、相手を変えることでもなく。

自分の心の中にある恐れを解消していきませんか?