「明るくて社交的な人に惹かれる」

「刺激的な生き方をしている人がいい」

このように、相手に求める理想は人によってさまざまです。

しかし、いざ恋をしようとすると、自分が魅力的だと思う人からは振り向いてもらえない…

好きな人からは振り向かれないのに、興味のない人からばかり好かれる。

そんな風に感じたことはありませんか?

現在まで重ねてきた臨床経験に基づき、心理学的な観点から理由をお伝えしていきます。

好きな人の前で「魅力的な自分」を演出しすぎている

好きな人を前にすると「嫌われたくない」「魅力があると思われたい」といった心理が働きやすいものです。

初対面では誰もがある程度「魅力的な自分」を演出します。

しかしその演出が、相手の好みを意識しすぎて本当の自分を打ち消すほどになると違和感だけが残ってしまう。

過剰に演出する姿は相手からすると、どこか不自然で壁がある人にしか見えないのです。

「素の自分」では愛されないという思い込み

最初はある程度演出したとしても、時間が経つにつれ素の自分を出せるように移行していくことがほとんど。

しかし、「ありのままの自分には魅力がない」「素の自分を見せたらガッカリされるかも」といった思いが根底にあると、素の自分を出していくことができません。

自分を良く見せる「魅力的な自分」の演出がやめられない人は、自己肯定感の低さを抱えているのです。

自分を否定する負のループ

「素の自分は魅力的ではない」という前提で接していると、相手からの好意を素直に受け取れなかったり、無意識に試すような行動をとってしまったりします。

それらが重なり、自ら関係を壊してしまうこともあるのです。

このように「素の自分には魅力がない」と感じ、自分を偽ってしまうのは、実は自分の中にない要素を相手に埋めてもらおうとする心理が働いていることが影響しています。

それが、次に説明する『相補性』という仕組みです。

『相補性』から紐解く「好きな人」に好かれず「好きじゃない人」に好かれる理由

人を“魅力的”と思う理由

そもそも人を“魅力的”だと感じるのはなぜなのでしょうか。

「明るくて社交的でポジティブな人」

「知的で自分を持っていて芯のある人」

魅力的だと思う部分は人それぞれ異なると思います。

恋愛相手に求めているものは実は、自分には足りていないものである場合が多くあります。

例えば、「芯のある人」に惹かれる人は、自分は芯を持てていないと思っている、もしくは、もっと芯のある人になりたいと思っているのです。

人は無意識に自分に不足している部分を持つ人に惹かれています。

自分にないものを相手に求める「相補性(そうほせい)」

私たちは無意識に自分に欠けていると感じる部分を、関わる相手によって埋めようとします。

これを心理学的に「相補性(そうほせい)」と呼びます。

自分にないものを持っている人と一緒にいることで、自分もその部分を持ち合わせているような感覚になることができる。

いわば、疑似的にその部分を摂取している状態です。

しかし、この相補性に囚われると恋愛は途端にうまくいかなくなります。

「自分」が不在の恋愛

相手を「自分の無い部分を埋めてくれる存在」として見すぎてしまうと無意識に相手への依存や期待が高まります。

相手が自分の足りない部分を補いアップデートしてくれるという期待は、相手からすればプレッシャーになり居心地悪く感じてしまう。

また、「自分」が不在になり、「自分が今しんどいのは相手がポジティブではないからだ」や「自分が退屈なのは刺激的な人と出会ってないからだ」と自分の気持ちや生き様を相手に委ねることになる。

そうすることで次第に自分自身を見失い、好きな人との関係が上手くいかなくなってしまうのです。

なぜ「好きじゃない人」からは好かれるのか

一方で、あなたが「好きじゃない人」からは好かれると思うのは、その人の前では自分自身で完結しているからです。

「興味がない人」からは取り入れたいものはなく、自分自身の中にあるもので間に合っているからこそ、相手に依存することはありません。

自分ひとりで満たされた状態でいることができ、そこが相手には魅力的に映るのです。

そして今度は相手が「この人に足りない部分を補ってもらおう」とあなたに感じることで「興味がない人から好かれる」という状態になるという仕組みになっています。

好きじゃない人の前では演出の必要がなく素の自分を出しやすいのもありますが、心理的に自立したように相手から見えていることが魅力的に映り、好かれる要素になっているのです。

カウンセリングで「自分を見つめ直す」ということ

「好きな人」に好かれず「好きじゃない人」に好かれる状態を抜け出す鍵は、相手を追いかけることではなく、ありのままの自分を肯定していくことと、自分の「不足している部分」を知ることにあります。

短所も含めて「素の自分」である

自分のダメな部分や弱い部分を否定し遠ざけていくことで、より一層「バレたくない一面」「触れられたくない部分」とデリケートになってしまいます。

過剰な演出をせず好きな人の前でも自然に振る舞える状態になるためには「短所を含めて自分なんだ」と自分を認めていくことが必要です。

短所だと思っているところが自分の魅力になっていること、短所によって好かれやすくなること等、短所に対する捉え方を変え、受け入れやすくしていきます。

「ないものねだり」を卒業する

「なぜ自分はその要素を欲しいと思うのか?」「自分の中にもその部分が少しはあるのではないだろうか?」といった形で問いかけ、自分の内側を掘り下げていきます。

劣等感を抱くのがつらいからその要素を得て解消したいと思っているのかもしれません。

自分の中にあるはずの要素が見えなくなっているだけなのかもしれません。

自分を知っていくことで少しずつ「ないものねだり」の感覚はなくなっていきます。

自立のため自己肯定感を育てる

相手に埋めてもらわなくても、自分一人で満たされている状態を作っていきます。

自分がどうしたいかに目を向け、なるべく行動を起こしていくようにしましょう。

自分一人で満たされる状態になれば、自分にないものを持っている人に執着することはなくなる。

相手に釣り合うように自分を偽ることがなくなるため、自然と同じ目線で話して良好な関係を築きやすくなります。

「本当の望み」に気づく

表面的な要素(相補性)に囚われるのをやめ、価値観や根底の想い(類似性)でつながれる相手を見極める目を養うことが大切です。

そのために自分が本当に望んでいることを知らなければなりません。

「自分にないもの」を求めるのは、自分自身がもっと素敵な自分になりたいと願っているからです。

相手に自分にないものを求めるのではなく、自分に求めるようにしていきましょう。

「好きな人」に好かれず「好きじゃない人」に好かれてばかりの状態を変えたい方は一度ご相談ください。