無意識にマウントを取ってしまう男性

「友人を自分より上か下かで見てしまう時がある」

「常に自分が会話の中心でいたい」

「友人の悩みを聞くのは好きだが自分の悩みは話せない」

仲良くしているはずの友人に対して心のどこかで「敵視」のような感情が芽生えるときがあるのではないでしょうか。

もし同じパターンが何度も繰り返されているのなら、そこにはあなたの「無意識の心の癖」が関係している可能性があります。

今回は人間関係が長続きしない背景に潜む心理、そして無意識にマウントをしてしまう状態を克服するための方法について紹介していきたいと思います。

なぜ無意識にマウントを取ってしまうのか?マウントを取る人の深層心理

人間関係を壊してしまう最大の原因の一つに「無意識のマウント」があります。

そもそも私たちは、自分が魅力的だと感じた人と仲良くなりたいと思うもの。

しかし、人は劣等感を抱きたくない気持ち、「友人よりも自分が劣っていると思われたらどうしよう…」といった不安もあります。

そのため、自分が魅力的だと思った人と同等あるいは上回るものが自分にはあると思いたいのです。

結果として“自分には価値がある”と誇示する言動が出てしまいやすい。

昇格した友人に「すごいね!僕は入社直ぐで昇格してバタバタだったよ~、僕もこのくらいの時期に昇格したかったな」と言う。

こういった”あなたもすごいけど自分の方がすごい”と主張するマウントが積み重なると「この人はいつも自分より上に立とうとする」 と相手は居心地の悪さを感じて静かに距離をおくようになります。

他者評価によって自分の価値を見いだすためにマウントが必要になっている

そもそもなぜ“自分には価値がある”とわざわざ誇示しなければならないのでしょうか?

自分自身がありのままの自分に満足できているのであれば誇示する必要はありませんよね。

マウントで自分の価値を誇示して他者からの承認によって自分の価値を見いだしているところがあるのです。

自分の価値を自分で見いだすのが難しいため、他者からの評価や順位など外的な要因を頼るしかなくない状態になっています。

自分の内側に「自分はこれでいい」という絶対的な評価を持つことができていないわけです。

他人から羨ましがられることや他人との比較という外側からの確認も、時には自分の価値を見いだすために必要かもしれません。

しかし、その方法でしか自分に価値を感じられない状態になると自分がなりたい自分を見失っていくことになります。

「フレネミー」という悲しき自己防衛

近年しばしば耳にするようになった「フレネミー」。

フレネミーとは「友達(Friend)」と「敵(Enemy)」を合わせた造語です。

表面上は仲良く振る舞いながら、内心では相手の失敗を願ったり、絶妙な皮肉を言って相手の自信を削いだりする行為を指します。

このような行為を心理学用語では「脱価値化」と言い換えられます。

脱価値化とは自分を守るために相手の価値を引きずり降ろす心の防衛反応のことです。  

綺麗になって周囲から褒められている友人に「整形だっけ?いいなぁ~やっぱりお金かけると変わるもんだね」、結婚した友人に「自由無くなるのにすごいなあ、俺には無理だわ~」と微妙な皮肉を言って友人の成功や幸福を無価値化する。

このように友人の価値を下げる言動も、ありのままの自分自身に価値を見いだせていないことからきています。

根底に「周囲から賞賛されない自分には価値がない」という思いがあると身近な人の成功や幸福を聞くのは胸が苦しいですよね。

友人が成功したり幸福を掴み注目を浴びている度に「それに比べて自分は…」と思ってしまうのを止める役割をマウントやフレネミーが果たしています。

フレネミーの背景となる心理

フレネミーという言葉はまだ広まりつつある段階ですが、もっと知名度のあるものとして『他人の不幸は蜜の味』という言葉があります。

『他人の不幸は蜜の味』は、他人が失敗すると安心したりスッキリする心理です。

フレネミーは友人を陥れるような発言や価値を低めようとする行為であるため『他人の不幸は蜜の味』と比べると能動的な印象です。

しかし、背景となる心理は『他人の不幸は蜜の味』とフレネミーはとても良く似ています。

どちらも自分で自分自身を認められていないから生じる感情なのです。

前述したように、自分の価値を信じられない人は身近な友人が幸せになることを「自分の価値が相対的に下がる」と錯覚してしまいます。

フレネミーをしてしまう人は、幸福や成功の数には限りがあるという考えを無意識的に持っています。

思い出してみると、友人の成功や幸福を聞かされた時に、胸がざわつく感覚をもったことはありませんか?

「もっと自分も…」と焦る気持ちになることもあるでしょう。

その不快感を緩和しようと相手の価値を下げる悲しい自己防衛が起きてしまうのです。

なぜ幸福や成功には限りがあると思ってしまうのか

きょうだいと比較されてきた経験:「条件付きの愛」ときょうだい比較

親の注目や称賛という限られたリソースをきょうだいで奪い合う環境で育つと「自分が勝たなければ親からの注目が得られない」という回路が脳に刻まれます。

また、「お兄ちゃんはできるのに」「隣の家の子は〜」という比較をされ続けると、自分の価値を“他人と比較して優れているかどうか”という相対的な評価でしか自分に価値を感じられなくなります。

そのため、周囲よりもできていると自分の価値は高く、周囲が成功すると相対的に自分の価値が下がるという感覚が根付いてくるのです。

進学や就活の内定などの「椅子取りゲーム」の体験

誰もが経験したことのある進学や就活。

明確な定員が決められている中で自分がどれほど努力していようが価値があろうが、優れた他者と比べると落とされてしまう仕組みを体験します。

誰かの成功によって自分の成功が妨げられる。

こういった体験がさらに成功や幸福が有限であるという感覚を強化させるのです。

カウンセリングで自分の気持ちに気づく

マウントをしてしまうことで「自分はプライドが高い」「性格が悪いんだ」と思う人は少なくありません。

しかし、それは性格が悪いからではなく、自分を見失っていることによって起きています。

カウンセリングは自分の望みや気持ちと向き合い、内側から満たしていく場所です。

以下のようなプロセスであなたの気持ちに向き合い整理していき、マウントやフレネミーという悲しい自己防衛を必要としない状態を目指します。

「幸福は有限だ」と思い込むようになった原因を知る

幼少期の家庭環境や親の言葉、学校での競争体験などを丁寧に振り返っていきます。

ただ体験をなぞるだけではなく、当時の気持ちに焦点を当てながら話していただくことが大切です。

今のあなたの反応を作り出している「設計図(スキーマ)」を浮き彫りにします。

感情をコントロールする感覚を養う

自分の中にある嫉妬や攻撃性を「悪いもの」として排除せず、「なぜそれが必要だったのか(自分を守るためだったのではないか)」を考えて受け止める。

マウントを取らざるを得ない状態になっていた自分を受け入れ、感情に振り回されない自分を作っていきます。

自分の価値を揺るがす認知の歪みを修正する

「相対評価」から「絶対評価」へ考え方を再構築していきます。

他人との比較でしか自分の価値を確認できない状態から、自分自身の内側にある希望や価値基準を育てるトレーニングを行います。

「友人関係が長続きしない虚しさ」

「気が付けば友達が離れて行ってしまうような寂しさ」

そんな思いを、背景に潜む心理を一緒に整理していき、克服するためのカウンセリングです。まずは一度ご相談ください。