風俗通いが妻に見つかったことをきっかけに風俗依存症ではないかと疑われ、カウンセリングを受けに来られるケースは多いです。
風俗依存症で抱えた夫婦関係の問題を含め、カウンセリングでは解決に向けたサポートをおこなっております。
風俗依存症とは?
風俗通いがやめられない状態は「強迫的性行動症」に分類されますが、わかりやすくするために「風俗依存症」と表現しています。
結婚していて風俗を利用してはいけないとわかっているのにやってしまう人が多いです。
「風俗依存症」と聞くと毎日のように通うイメージを持つかもしれませんが、月1回でも半年に1回でもやってはいけない、バレたら大変なことになるとわかっていながら通うなら依存症の可能性があります。
依存症は自分の意思ではコントロールできずに同じ行動を繰り返してしまう状態のことです。
アルコール依存やギャンブル依存と同じく、風俗依存症も心の病の一種だと言えます。
風俗通いを繰り返してしまう原理
風俗を利用しても一瞬の快感が得られるだけだと頭ではわかっている。
終わった後に虚しさや後悔、結婚している場合は罪悪感が残ったりします。
なぜ自分にとってマイナスが大きいはずの選択をしてしまうかというと、風俗通いが日々の苦痛から逃れる手段になっているからです。
風俗を利用することで一時的に現実逃避ができる。
その現実逃避を求めて風俗の利用を繰り返してしまうのです。
また、風俗に依存してしまう人は「やめたいのにやめられない」自分に対して自己嫌悪を抱きます。
その結果、さらに自信を失い、また風俗に逃げるという悪循環に陥ります。
風俗依存症に陥る主な原因
1. 無自覚の慢性的なストレス
風俗に依存している人は自覚できていないことが多いですが、ストレスを抱え込んでいることは間違いありません。
ストレスが蓄積されていくことで理性的な判断を担う前頭前野の働きが弱まり、欲求に忠実な動物脳と呼ばれる大脳辺縁系の働きが活発になるからです。
この状態では、欲望を抑えるブレーキが効かなくなり、快感を求めて風俗へと足を運びやすくなります。
また、ストレスによる緊張状態から解放されたいという本能が癒しや安心感を求め、風俗嬢との接触を求める形で現れることもあるのです。
そもそもストレスを抱えやすい思考パターンや生活習慣になっている人が多く、さらに発散できる趣味などがないことでストレスを溜め込んでいます。
2. アイデンティティが未確立
アイデンティティとは「自分が自分である」という意識であり、アイデンティティが未確立な人は自分を持っていないことになります。
以下のような傾向が見られる人が多いです。
- 自分の意見を持たず「どっちでもいい」がほとんど
- 受け身で自分から行動を起こさない
- 家のことや子供のことは妻が考え、妻が決めていて意見を言うことがない
自分というものがないので周りの意見に流されやすく、結果として衝動にも流されやすくなっているのです。
3. 女性を性的に見る度合いが高い
- 暇があればアダルトサイトを眺めている
- ニュースでもグラビアアイドルに関する情報等があれば即座にアクセスする
- 道を歩いていても女性に目が行きやすく、常にどこかしら女性を意識しているところがある
このような感じで女性を性的に見る度合いが高い人ほど風俗に関心を持ちやすく、実際に利用してハマってしまう可能性が高いのです。
風俗に通い始めると風俗嬢の日記を見ることが習慣化し、また利用したいという気持ちになっていくケースが少なくありません。
男性が風俗に依存してしまう心理
寂しさと孤独感
風俗依存症の根底には「寂しさ」があります。
人とのつながりを求める気持ちが、女性との性的な接触という形で表出するのです。
しかし、風俗による癒しは一時的なものであり、根本的な孤独感を癒すことはできません。
一時的に寂しさや孤独感が解消されたような錯覚に陥ることでまた風俗の利用へとつながっていくのです。
女性との関係で抱えた負の感情
- 母親からの支配的な育て方
- 妻との関係で抱えている不満や我慢
- 女性との接し方がわからない不安
こういった女性とのかかわりで抱えた負の感情を解消する手段として風俗を選ぶところがあります。
お金を払って優位に立てる風俗嬢との関係で代替的に解消しているのです。
実際にパートナーとの関係で抱えた不満への当てつけとして風俗を利用したという人がいました。
自尊心を満たしたいという欲求
ホモソーシャル的な社会において女性と性的な関係を多く持つことは自分の価値を高めることにつながります。
風俗はお金さえ払えば女性と性的関係を持つことができるため、手っ取り早く自尊心を満たすことができるのです。
学生時代に女性と性的な関係を持つことができなかった、妻としかSEXをしたことがないという人の場合、どこかしらコンプレックスを抱えていることで風俗に依存しやすい傾向があります。
風俗依存症の克服とカウンセリング
風俗依存症の人は問題意識が低い
依存症は「否認の病」とも呼ばれ、自分の問題を自覚することが難しいのが特徴です。
「風俗なんてみんな行っている」「男なら結婚していても風俗に行くのが当たり前だ」等と思っていたりすると、風俗通いが妻に見つかっても問題だと自覚することができません。
ダメなことをしたとわかっていても、妻を深く傷付けるほど重大なことをしたとまでは認識できないのです。
だから、自発的に問題解決に向けた行動を起こすことがありません。
- 妻に言われたからGPSをつけた
- 妻に言われたからこまめに連絡をするようになった
- 妻に言われたから最低限のお金だけ持つようにした
- 妻に言われたから夫の風俗通いで苦しむ女性のブログを読んだ
カウンセリングを受けるのも自分からではなく妻に言われてというパターンがほとんどです。
まずは自分の問題を自覚するためにカウンセリングを受けることが必要だと言えます。
風俗依存症のカウンセリング
カウンセリングでは下記のようなことをサポートしております。
- 成育歴や人間関係の見直し
- 感情や欲求の自覚
- 行動習慣の見直し
- 妻への接し方、心のケア
風俗通いをしてしまった過去と向き合い、原因を知ることから始めます。
ストレスが溜まっていたから、性欲が強いからという単純な理由ではなく、背景にある本当の原因を知ることが必要です。
風俗を利用したくない、利用してはいけないと思っているにもかかわらず利用してしまうのは異常な状態だと言えます。
異常な状態になってしまった原因を知り、解決していけるよう具体的なアドバイスをおこなっていきます。
風俗依存症かもしれないと思っている方、風俗通いが妻に知られて大変な状況になっている方は一度カウンセリングを受けてみてください。
夫婦(カップル)でのカウンセリングも有効
風俗通い発覚による夫婦(カップル)の関係性悪化は深刻な問題です。
お互いにどうしていいかわからないままどんどん関係が悪化し、修復不能の状態まで至ってしまうことが少なくありません。
夫婦(カップル)でのカウンセリングを受けていただくことで関係改善の糸口をつかむことができます。
2人だけでは冷静に話し合えない場合でも、第三者であるカウンセラーを介入させることで会話が成り立つようになります。
風俗依存症の克服だけでなく、関係の再構築を望まれる場合は夫婦(カップル)でのカウンセリングをご検討ください。