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2022/05/14
相談事例

教員の性犯罪抑止と社会復帰へのカウンセリング

教員が性犯罪行為を止め社会復帰をするまでの壁

弊社は、性犯罪加害者が再犯を犯さないためのカウンセリングを行っています。
この記事では、教員で性犯罪加害者になった人の社会復帰の壁と社会復帰を支援するカウンセリングについて説明しています。

性嗜癖行動への依存を克服する困難さ

性犯罪は、性嗜癖行動に対する依存によって犯罪行為を繰り返し、一度法的な処罰を受けた後でも数カ月後や数年後に再犯をしてしまう人が少なくありません。
カウンセリングを受けに来た段階で数回の逮捕歴があり、執行猶予がついている人もたくさん来られています。
依存性に関しては、教員だけに該当するないようではなくすべての性犯罪加害者にとって更生して社会復帰をしていくために乗り越えなければならない大きな壁です。

仕事を失う確率が高い

教員は、起訴されるか不起訴になるかによって明確な処分の規定があるので、解雇になることもあります。
また解雇にならなくても実名報道をされて周囲に自分の行ったことが知られているので、同じ職場にいずらいということで自ら辞める人もいるので職を失うことが多いのです。
教員をしてきた年月が長いほど、新しい分野の仕事を始めるには勇気もいるし、努力も必要とされるため、失職が社会復帰の壁となります。

実名報道をされる可能性が高い

公共の利害にかかわる事件は報道されやすい傾向にあり、公務員は会社員に比べて実名報道をされることが多いようです。
実名報道をされると、転職活動の際にも転職先に事件のことを知られていることや面接後に調べられて発覚するということがあるので、転職が困難になることや場合によっては住む場所も変える必要性もでてくるので、実名報道は社会復帰の大きな壁だと言えます。

「日本版DBS」法(こども性暴力防止法)の影響

2024年6月に「日本版DBS」法と言われるこども性暴力防止法が可決、成立しました。
この法律は、学校、保育園等及び認定を受けた学童保育、学習塾等に対し、児童への性暴力を防止するための措置を講じることを義務付ける制度です。
この制度の中には、「性犯罪前科があるとき、教育、保育等の業務に従事させない等の措置を講じなければならない」という定めがあるため、性犯罪前科があると教育、保育に関わる仕事に就けなく可能性があります。
そのため性犯罪前科がある人は、自身のキャリアの転換を考えざる得なくなるという壁があるのです。

自暴自棄にならず人生を見つめ直す時

性犯罪を犯してしまった後、実名報道をされ仕事を失った後に自暴自棄になってしまう可能性もあるでしょう。
精神状態が悪くなることは再犯のリスクを高めることにもなるので、性犯罪を犯してしまった後はできるだけ早く専門的なカウンセリングを受けることが再犯防止と社会復帰のために必要です。

ただ教員の方は、以下のような理由からカウンセリングを受けるタイミングを逃してしまっているケースも少なくありません。
教員で性犯罪をした方は、下記の内容をよく読んでいただきたいと思います。

仕事を失い再就職だけに集中していた

教員の場合は、事件を起こした後に多くの人が仕事を失っています。
仕事を失うと、この先の生活のためにどうすればいいのか考えなければならなくなり、カウンセリングを受けるという選択肢よりも再就職のために動くことが優先されているのではないかと思います。
生活のためには働くことは必要なので、再就職先を探すことは理解できるのですが、弊社には就職先が見つかってからカウンセリングを受けに来たという人はいません。

教員の場合、その職業だけを目指して大学で勉強して採用試験も苦労して通ったという人がいるので、自分の行いが原因とはいえ職業を失った職が大きく、再犯を抑止することや更生することに意識が向かないほど喪失感が強く、それが治まるまで時間が掛かっているのではないでしょうか。
そして、喪失感が弱まり始めたころには日常生活が動いていてカウンセリングを受けることの優先順位が低くなっているように思います。

同じ公務員でも、教員以外の職種の中で、そのまま同じ職場で働くことができている人は、カウンセリングを受けている人は多いです。
公務員の場合は、事件を起こした場合は職場に知られることが多いですが、処分の内容によっては職を失わずに済んでいる人もいて、職場からカウンセリングを受けることを求められることもカウンセリングを受けている人が多い理由です。

否認の心理が強い可能性もある

性犯罪者は否認の心理と言って、自分の問題点を認めない、不都合なことから目を背けるという心理的特徴が強いのですが、教員の中で性犯罪をしてしまう人は否認の心理も他の職業をしていた性犯罪加害者に比べて強いのではないかと感じます。

教員という仕事は、自分よりも年齢の若い子供たちと接するので、自分の正しさや有能さを意識しやすいところがあるではないかと思うのです。
教員をしている人の全てがそうだとは言えませんが、子供たちと比較することによって過度に自分は正しい、有能だと思ってしまうことがあるのではないでしょうか。
その感覚を持った状態で性犯罪加害者となった時、『自分は反省も後悔もしたから二度と同じことはしない』、『自分の意思で性犯罪は止められる』と考えてしまいやすいため、カウンセリングを受けることも避けてしまっているかもしれません。

教員の再犯リスクを高める心理的要因

学校というのは、そもそも反証可能性が低い職場だと言えます。
反証可能性とは、自分の誤りに気付くことができる可能性のことです。

会社員や他の公務員なら、大人ばかりの環境で仕事をする場合が多く、経験の浅いうちは自分の仕事を上司にチェックされるため、間違いを指摘される機会も増えます。
そして、自分の間違いを認めて改善しなければ、周囲から信頼してもらえないので自分の誤りを認めて改善するという経験を積むことができます。

しかし学校は、児童や生徒が相手の場合に教員は自分の間違いを胡麻化しやすい、授業は自分と子供達の空間なので、自分の仕事をベテランの教員からチェックされて指摘を受けるという機会も少ないという点で、自分の誤りに気付く改善するという経験を積みにくい環境です。
そのため否認の心理が強くなりやすいのではないかと思うのです。

依存症の人は否認の心理が強く、性犯罪者も例外ではないので、否認の心理が修正されていないまま生活することは再犯のリスクが高いままであると言えます。
私が教員、元教員で性犯罪加害者となった人にしっかりとカウンセリングを受けて欲しいと思っている理由には、否認の心理から生じる再犯リスクがあるからです。

自分の人生のためにも、社会のためにも一度でも性犯罪を犯しているのなら、その異常性を認めて改善に取り組んで欲しいと思います。

再犯防止と社会復帰を支援するカウンセリング

当社は性犯罪加害者のカウンセリングの実績が豊富であり、教員で性犯罪を犯した人の支援実績も多数あります。
カウンセリングの中では、まずは再犯防止に力を入れつつ、同時進行で転職に関するアドバイスなども行い社会復帰ができるように支援を行っています。
仕事を失っている期間が長いと自尊心が低下して自暴自棄になりかねません。
カウンセリングでは、実名報道をされた場合にどのようにして再就職を目指していけばいいのかも丁寧に説明しています。

再就職をした後も新しい職場で慣れない仕事をして困難に感じることもあるでしょう。
教員として人に教えるということを仕事にしていたため、人から教えを受ける立場になったことに戸惑いを感じストレスを抱える人もいます。
ストレスを再犯につなげないために再就職後のメンタルケアも行っていきます。

教員をされていた方はIQが高い方が多く、それと上記の反証可能が加わって過度な自信を持ち、カウンセリングを受けなくても大丈夫だと思うのが早い傾向にあります。
油断をしてカウンセリングを中断して数カ月後に再犯をしたという方もおられるので、油断をせずにカウンセリングを継続していただくことが大切です。

私達は、教員をしていた方が性嗜癖行動を克服して再犯をせず社会復帰をしていくことを支援してきた実績があります。
今、性犯罪を犯して人生の立て直しが必要であればカウンセリングを受けてください。



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