お金を持っているのに万引きをする理由

万引きは常習性があり、一度見つかったり、警察から注意を受けたにもかかわらず繰り返してしまう人がいます。

万引きをしたことがない人からすると、何度も万引きをするのはお金に困っているから、生活に必要な物を盗っているのではと思うかも知れませんが、万引きを繰り返している多くの人はお金に困っているわけではありません。

万引きが止められない人の中には、逮捕されるかもしれないというスリルを体験し、スリルがある中で万引きができた達成感を得ることを目的として万引きを繰り返しています。

万引きをしている人は、欲しいものがあってそれが高価なものだから欲しいという理由で盗っているというわけではなく、スリルを体験することによって生じるストレス緩和効果を求めて万引きをしています。
これは窃盗症という心の病に陥っている状態です。

窃盗症は、自分がお金を出して買える商品かどうかではなく、万引きという行為自体が癖になっています。
万引きというのは、商品を得ることが目的の行為ではなく、ストレスを不適切な方法で解消しようとする代理行為であると言えます。

自分が抱えている葛藤を適切な行動で解消することができないこと、その葛藤を万引きという行為で解消することが癖になっているため、“何を盗むか”ではなく、盗むこと自体が目的になっているという点が、クレプトマニアと呼ばれる万引き常習者の抱える心の問題です。

万引きを止められない理由はスリル

万引きを繰り返している人は、万引きを行う際のスリルを体験したいがために何度も万引きをしているようです。
カウンセリングでも、万引きを止めたいという相談を受けることが少なくないのですが、その方達からもスリルを体験するために繰り返したと聴くことが多いです。

人間は、スリルを体験している時に心臓がドキドキしていますが、万引き以外の行為でもドキドキを感じることはできます。
しかし、初めて万引きをした時にドキドキした体験をすると、脳は同じ体験をするためにはこの行動を行えば良いと記憶してしまい、ドキドキを味う行動は万引きが適していると認識してしまうと、万引きを繰り返してしまうのです。

心臓の鼓動が高鳴る状態は、場合によっては不快に感じることもありますが、自分の生命の働きを感じられたり、ストレスを緩和する効果もあるので、何度も体験したいと思うようになることもあるのです。

例えば、人がスポーツ観戦をするのも勝負がどちらに転ぶのか分からないために、ドキドキを体験できるからです。

クレプトマニア(窃盗症)という心の病

万引きを繰り返してしまう人は、万引きという行為から得られる心理的体験を何度も体験しようとする依存症であり、別名クレプトマニアと言います。

クレプトマニアの人は、お金に困っていないのにものを盗む、ものを盗む時に異常な精神的高まりが生じて、その再体験を求めています。
盗むを実行すると満足感や開放感を感じますが、盗んだものは使用せず放置したままということも良くあります。

クレプトマニアの人も、万引きはしてはいけないことだと知らないわけではありません。
それでもやってしまうからこそ、万引きは自分の意思だけで改善することは難しい脳の病気なのです。
万引きは、何らかのストレスを抱えていて、万引きをした瞬間だけ気持ちがスッキリする、もしくはスリルを味わっている時だけ嫌なことを忘れていられるので、ストレスで不安定になった心のバランスを取ろうとして行っているのです。

ストレスというのは幅広く、一見ストレスだと思っていないこともストレスであるため、万引きをしてしまった本人も周囲の人もストレスを抱えていたことに無自覚だったりします。
ストレスと万引きとの関係は、下記の万引きが止められない理由のところに詳しく書いています。

万引きを止められなくなる3つの理由

最初は、ストレスの緩和を目的としてスリルを求めて万引きをしたが、いつの間にか万引きが止められなくなってしまうのにはいくつかの理由があります。

1.達成感がスリルを求める気持ちを強くする

万引きをしようと試みた時、バレるのでないかという気持ちがドキドキを強くするのですが、万引きが成功した時にスリルからの解放、そして他の人にはできない難しいことができるということで、大きな達成感を味わいます。
この達成感は、スリルが高まっているほどに強く感じられるので、達成感を得たことがスリルを味わいたい気持ちを定着させてしまうのです。

脳が、このスリルの先のは達成感があると認識してしまい、また万引きをしたいと思うと脳内でドーパミンという神経伝達物質がたくさん出るようになり、ダメだとわかっていても万引きをしてしまうのです。

人間は、万引きよって得られるもの以上に万引きを成功させて達成感を得ることを大きな報酬だと認識してしまうと、万引きをすればその報酬が得られると想像しただけで、どうしても万引きをしたいという気持ちになってしまうのです。

2.繰り返し盗むことで万引きへの依存が強化される

万引きをはじめ、ストレスを緩和するために行っている不適切な行為のことを代償行為と言います。
代償行為は、気持ちが不安定である場合、その気持ちを治めるために不安定になった原因に対してアプローチをするのではなく、全く関係のない行為で気持ちを落ち着けようとする行為です。

そのため、万引きをしている人が盗っているものをみると、自分のお小遣いや給料の範囲で十分に変えるものであるということが多いのです。
それも必要としているから盗っているというよりも、どうしても必要なわけではないけど『持っていると他人から注目されるかも』、『誰かにあげて喜ばれたい』、『何となく盗ってしまった』という理由で盗っていることが多いのです。

そのような理由で万引きをするので、何かが欲しいという欲求が無くても万引きをしてしまうため、商品を盗む機会が増えていき、盗むという行為を繰り返すほどに万引きという行為への依存が進んでいくのです。

3.万引きしたことを後悔しても繰り返してしまう理由

万引きをしている人も、万引きをすることは悪いことだとわかっているので、万引きをするたびに自己嫌悪になって、自尊心が低下してしまいます。
それは心が不安定になる、小さなきっかけでも心が不安定になりやすくなることにつながります。

これは、万引きをすること自体が、後悔や自己嫌悪という負の心理状態を生み、その状態を緩和するために万引きをするという負の連鎖が定着してしまうことが万引きが常習化される理由です。

万引きを止めるためにはカウンセリングへ

万引きは、不適切な行動が習慣化している状態ですので、習慣が改善されることが望ましいと言えます。
そのため、カウンセリングに通うという習慣の変わりに、万引きをする習慣をなくしていく必要があるのです。

カウンセリングに通うと決めたら、まずその時点から万引きをしないことが大切で、意思の力で行動を抑えつつも、カウンセリングによって万引きをしたくなる原因を無くしたり、その原因に別の方法で対処できるようになってもらうことが改善につながっていくのです。

カウンセリングに通う目安は、月2、最低でも月1回の頻度で通って頂くよう提案しています。
万引きを始めとした依存症は、不適切な習慣によって心のバランスを取ろうとしている状態なので、まずはカウンセリングを習慣化して、その影響で日常生活の習慣を整えていくことが改善につながっていきます。

依存症でカウンセリングを受けた人の中で改善につながらない人には共通点があります。
それはカウンセリングを継続することができていないという点です。
カウンセラーのサポートを受けずに自分の意思だけで改善しようと思っても、脳が依存行動を強く求めるようになっているので、脳の働きを理解した上で改善の努力をしなければ依存行動を止めることは難しいと言えます。

カウンセリングを継続している方は、依存行動を抑止できている時間が長く、その時間の長さが自分の意思で抑止できる土台作りになっています。
悪い習慣が脳の働きとして強くなるように、良い習慣も脳の働きとして強化することができるので、そのためにカウンセリングが必要です。

自分が万引きをしてしまっている、家族が万引きをしているという方は、カウンセリングを活用して下さい。


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