
カウンセリングには、人間関係の悩みを抱えた方からの相談が多いのですが、その中に学校、職場、ママ友などのコミュニティの中で「無視をされて悩んでいる」という相談があります。
無視は、「存在価値を認めないこと、あるものをないがごとく見なすこと」と辞書では記されていますが、この言葉からも他人の心にダメージを与える望ましくない行為であることがわかります。
コミュニティーの中で無視をされている人は、無視が続くことで「自分が悪い」と自分を責めてしまっていることもありますが、そう決めつけてしまう前にカウンセリングで話をしてみませんか?
理由があったとしても「無視をする」という行為は、何かを解決することもなく、相手を傷つけるだけの行為です。
その行為から自分を責めてしまうことは望ましくありません。
無視という攻撃から心を守るために
学校や職場、ママ友、地域、その他のコミュニティーの中で無視という現象が起きてしまうことがあります。
子供の世界だけでなく、職場や地域などの大人の世界でも無視をされるという悩みを抱えている人はいるのです。
無視をされるというのは、自分の存在を否定されるような心理的ダメージがあり、無視をされた時だけでなく、その後も日常の中で気になることとして心の中に引っかかり続けます。
相手に罪悪感を与えようとする幼稚なコミュニケーション
無視をされるとその理由を探してしまいます。
『何が気に障ることをしたのだろうか?』
『こちらのあいさつの仕方が悪かったのだろうか?』
『自分は人に嫌われやすいのかもしれない』
『他の人に自分のことを悪く言われているのかもしれない』
しかし、相手の言動で機嫌を損ねたのなら、それを言葉で伝えれば良いのです。
相手の話も聞いて自分の感情と相手の言い分とを照らし合わせて2人の間に生じた葛藤を解決しようとする姿勢を選択することが大切です。
何らかの理由があっても、それを無視という形で対抗したり、自分の感情を表現してくる人は、決して健全であるとは言えません。
無視は非常に幼稚でずるいコミュニケーションの手段です。
そんな幼稚なコミュニケーションには付き合う必要もありません。
無視をする人は以下のような心理的特徴があるので、それを感じたら距離を置きましょう。
無視をする人の心理的特徴
無視をする人の心理的特徴として『被害者意識』、『コントロール欲求』があります。それぞれどのようなものか説明します。
無視をする人が持っている被害者意識
無視をする人は自分を被害者だと思っている傾向があります。
悪いのは相手だから、自分は無視という形で報復したり、自分の感情を表現するのは仕方のないことだと考えています。
無視をする人は、そもそも人間関係で過度な期待を持っている傾向があるのですが、過度な期待は人間関係の中で満たされることは多くありません。
相手に求める気持ちが満たされない時、その葛藤を『相手が悪い』という論理で胡麻化してしまうので、相手に対して不満を感じる原因が自分の心の中にあると気付くことが難しいのです。
無視をする人は、最初はコミュニケーションを取っていた相手に対して過度な期待をしていて、相手がそれに応えられなくて距離を取ろうとしたりすると被害者意識を持ち無視をし始めるのです。
無視という行為とコントロール欲求
無視をする人は、無視をすることによって相手に自分が悪いのではないかと思わせ、相手をコントロールしやすい状態にしようとしています。
例えば、相手に謝らせようと考えていたり、自分の要求を飲ませようとするなどです。
人間は罪悪感を抱くと他者からコントロールされやすくなるという傾向があり、無視をする人はそれを感覚的にわかっています。
そのため、『無視をされているのは自分に問題があるのかもしれない』と相手に思わせることによって相手をコントロールしようするのです。
カウンセリングで心の回復と無視への抵抗力を手に入れる
無視をする人の心理的特徴から考えると、相手の思惑に従わないということが重要になります。
まずは、無視をされている自分に問題があるのではないと考えましょう。
カウンセリングは、自尊心の回復を行いながら、無視から自分を守る思考法を身に着けれるように進めていきます。
相手の被害者意識によって無視をされているので、その状態から会話によってお互いの思いを伝え合うこともできないので、無視をされた時点で自分にできることはないと割り切っても良いでしょう。
他人に過度な期待をして、それが満たされないと被害者意識を持ってしまう人の機嫌の面倒を見ることはできません。
相手が被害者意識を持っていることを感じた時、それを自分の行動によって和らげなければと思ったらコントロールされている証拠です。
無視をする人のコントロール欲求に操られないためには、被害者意識によって機嫌を損ねた人を機嫌を戻そうとしないことが大切です。
被害者意識によって機嫌を損ねていても、会話によって自分の心の状態を伝えてくるのなら、コミュニケーションによってお互いの理解を深めて相手の気持ちを和らげることはできますが、無視をする人は相互理解を拒んでいて自分側の気持ちだけを無視という形で理解させようとしているのでその人の気持ちを和らげてあげる必要などありません。
実際にカウンセリングを受けておられる方の中にも、人間関係で無視をされ続けていたがその行為に過度に影響されずに自分は堂々と行動していたら気にならなくなったという人もおられます。
無視をする人に囚われている時間は無駄ですので、そこに執着せずに新しい人間関係を探した方が賢明です。
もし、この記事に書かれてあるように思おうとしても難しい場合は、カウンセラーに相談に来て頂ければと思います。