強迫症という心の病
強迫症は、以前は強迫神経症と呼ばれていました。
強迫観念、強迫行為によって日常生活、人間関係に支障をきたす心の病です。
DMS−5から、強迫症、または強迫性障害と呼ばれるようになりました。
強迫観念
強迫観念とは、『こうあるべき』、『汚れが気になる』、『鍵を閉め忘れていないか』と過剰に気になってしまう思考です。
自分の思考が過剰であることは自覚していても、その思いを払拭することができず、落ち着かない気持ちを抱えたまま生活することになります。
強迫観念は、その思いが強迫行為つながっていて、強迫観念を行動化している状態が強迫行為であると言えます。
強迫行為
強迫行為とは、汚れが気になり手を洗い続けてしまう、鍵が締まっているか何度も確認してしまうという行為です。
代表的な強迫行為には、下記のようなものがあります。
不潔恐怖と洗浄
汚れ、細菌に対して過剰な恐怖心を持っていて、手洗いや入力を繰り返すこと。
不潔恐怖が強い人は、電車のつり革やドアノブを持つことにも抵抗を感じます。
加害恐怖
自分が誰かに危害を加えたのではないかという思が強く、テレビやネットを何度も確認してしまう状態。
確認好意
部屋の電気を消したのか、ガスの元栓を閉め忘れていないか、鍵は閉めただろうかということが気になって何度も確認してしまうこと。
儀式行為
物事を自分が決めた順番に進めないと不安になる。
決めた手順のとおり進まなければ、何度も最初からやり直さなければ気が済まない状態。
数字へのこだわり
数字に対するこだわり、縁起担ぎが過剰で、それが生活に支障をきたす状態。
まとめ
強迫症の人が気になることは、程度を問わなければ多くの人が気になってしまう内容である場合も多いのですが、日常生活や人間関係に支障をきたしてしまうという点が強迫症の問題です。
理屈では、自分の思いが過剰であることを分かっていても、強迫観念が生じ、強迫行為を抑えることができない状態であれば、強迫症であると言えます。
カウンセリングでは、強迫症の人からの相談にも対応していますが、あまりにも強迫観念、強迫行為が強くて困っているという人には、精神科で薬をもらって強迫観念と強迫行為を落ち着かせつつ、カウンセリングにも取り組んで頂いています。
カウンセリングの中では、話を聴くだけでなく、脳の仕組みを考慮した強迫症を克服するトレーニングの指導もしています。