
「また恋人にきつく当たってしまった」
「親には何かと文句をつけてしまう」
家族や恋人に怒った後、冷静になっていつも後悔や罪悪感を抱いていませんか?
最も身近で大切にしたいはずの相手なのに、なぜか一番ひどい態度を取ってしまう。
「またやってしまった」「自分はひどいやつだ」「いつか愛想を尽かされるかもしれない」と思うこともあるでしょう。
もしこの記事を読んでいるあなたに心当たりがあるならまずお伝えしたいことがあります。
単純に性格が悪い、自分はひどい人間だと思わないでほしいということです。
もちろん傷つけた相手が受ける苦しさは軽くありません。
しかしあなた自身もなぜこうなってしまうのか分からず苦しんでいるのではないでしょうか。
この記事では家族や恋人に怒ってしまう、強く当たってしまう理由と改善方法についてお伝えしております。
なぜ大切な人にだけ強く当たってしまうのか
大切な人にだけ強く当たってしまう人の多くは、職場や学校では人付き合いが問題なくできています。
- 職場や学校では温厚だと思われている
- 友人には気を遣えている
- 初対面の人にも丁寧に優しく接する
なのになぜ恋人や家族には感情的になってしまうのでしょうか?
その理由の一つに“安心感”があります。
私たちは無意識のうちに相手との関係性によって行動を変えています。
まだ関係が浅い相手や利害関係のある人に対しては気を遣う。
逆に家族や恋人であれば「この人は離れていかないだろう」「受け止めてくれるだろう」という安心感があるため、あまり気を遣わずそのままの自分が出せる。
つまり、大切な人だからこそ感情のブレーキが外れやすく、そのままの感情が出てきているということです。
“外面(そとづら)”を良くしすぎている?
普段、職場や学校、あるいは友人関係の中で、“いい人”を演じたり、とても周りに気を遣ったりしていませんか?
- 嫌なことがあっても笑顔で受け流す
- 相手の顔色をうかがって自分の気持ちを押し込める
- 頼まれたら断れず無理にでも引き受けてしまう
周囲を気遣ったり、円滑に人間関係を築こうとするのは悪いことではありません。
しかし、外で「いい人」になろうと無理をすればするほどストレスや疲れが蓄積されていきます。
外面を良くしすぎている反動が、最も心を許せる身近な人へイライラや八つ当たりとして爆発してしまっているのです。
身近な人にひどい態度を取ってしまうのは、あなたが悪いというのではなく、「もう外ではこれ以上頑張れない、限界だ」というSOSのサインなのかもしれません。
怒りの奥に隠された一時感情
心理学において怒りは”二次感情”と言われています。
一次感情があって怒りが二次感情として湧き上がってきているという意味です。
怒りの感情の背景には別の感情があるんですよね。
例えば、恋人からの返信が遅いとき。
「何で返事を返してくれないの」と責める、冷たい態度をとる、不機嫌になるといった形で怒りを表現しがちですが、背景には「自分に飽きてしまったのかも」という不安、恋人にかまってもらえない寂しさ等があります。
不安や寂しさは感じるだけでもつらい気持ちになりますし、それを自分で受け止めるのはなかなかできることではありません。
受け止めたくない気持ちや目を逸らしたくなる気持ちが出てくることで「連絡が遅い人は仕事もできない人だと思う」「信頼関係を築く気があれば返信を早くするはずだ」等、"正論風"なことを恋人にぶつけることもありますね。
自分自身でも受け止めきれない不安や寂しさを"正論風"にすることによって伝えやすくしているのです。
「不安だったよ」「寂しかった」と言えないから怒りという形で表現するしかなくなっているだけ。
根本を辿ればあなた自身が傷ついた気持ちがあったのです。
「自分は怒りっぽい」「わがままなんだ」と自分を責めないでください。
相手に機嫌を取らせてしまう心理
以下のようなことに当てはまる経験はありませんか?
- 不機嫌になった後、相手が心配して機嫌を取ってくれると安心する
- 追いかけてきてくれると気分がいい
- 相手が謝ってくると気持ちが収まる
もしかするとそれは愛情確認のパターンかもしれません。
「大切にされていると感じたい」「見捨てられていないと確認したい」という気持ちによるものだからです。
その無意識の気持ちから、相手を試す言動に出てしまっている可能性があります。
- 不機嫌になってみる
- 冷たくしてみる
- 突き放してみる
こういった態度を取ったときに相手が気にかけてくれたり追いかけてくることで安心して気が収まる。
もちろん、あなた自身に悪意があるわけではないと思います。
安心して相手との関係を続けたいからこそ愛情を確認しているのです。
しかし、繰り返せば繰り返すほど「早く返信をしないと」「今日は機嫌悪くないかな、大丈夫かな」等と思わせることになるため、相手はどんどん疲弊して関係性に嫌気がさしてくる。
大切な恋人も家族も永遠に機嫌を取り続けられるわけではありませんからね。
本当は誰よりも失いたくない
大切な人にきつく当たってしまう人は、側から見ればわがままや気が強いと思われがちですが、裏では傷つき不安になることが多く大切な人に離れてほしくないと感じています。
大切で失いたくない存在であるほど、その人からの愛情が欲しくなるものですよね。
それをストレートに表現することは実際にはなかなか難しく、怖さすら感じてしまうことになる。
「不安になった、寂しかった」
「もっと自分のことを気にかけてほしい」
そう言えれば楽なのに受け入れられなかったらと思うと言えない。
「え〜何言ってんの~?」と笑って流されないだろうか…
「忙しかったから仕方ないじゃん」と軽く扱われないだろうか…
「女々しいな」「子どもみたいだ」と思われないだろうか…
このような不安がよぎると、なかなか言葉になんてできないですよね。
そしてその不安が皮肉にも相手を傷つける行動に繋がってしまいます。
この矛盾に苦しんでいる人は少なくありません。
ただ、心のふれあいを求めているのに、自ら衝突するような関わりをしてしまい、本当はこんなことしたいわけじゃないのに…と感じることもあったのではないでしょうか。
「気をつける」だけでは変えられない理由
この記事を読んでいるあなたも「次からは気をつけよう」と思ったことは何度もあったと思います。
しかしずっと同じことの繰り返しになってきたのではないでしょうか?
「自分は意志が弱いんだ」と思われるかもしれませんが決してそうではありません。
この問題の根底は、意志や行動ではなく、心のパターンにあるからです。
- 怒りの根っこを辿るとどんな感情があるのか
- なぜ見捨てられる不安が強いのか
- なぜ愛情確認の試し行動が必要になるのか
まずは自分の心に耳を傾けてみて、丁寧に聞き取ってあげることが大切です。
カウンセリングで「怒り」の根底を見つめ直す
大切な人にだけ強く当たってしまう人の中には、「自分は性格が悪い」「怒りっぽい」と思い込んでいる方もいます。
しかし実際には、自分でも理解できていない感情や対人関係のパターンが背景にあることが少なくありません。
カウンセリングでは「きつく当たってはいけませんよ」「怒らないようにしましょう」といったことは一切言いません。
- なぜその怒りが生まれるのか
- 何を恐れているのか
- 本当に心が求めているものはなんなのか
こういった質問を投げかけ、心の仕組みを一緒に整理していきます。
やめたいのに繰り返してしまう…
そんな行動には必ず何かしらの理由があります。
闇雲にただやめようと自分を抑え込もうとするのではなく、その理由に気づき理解することで初めて別の選択肢が見えてくるのです。
もしあなたが、
「このままでは大切な人を失ってしまうかもしれない」
「本当は仲良くしたいだけなのに」
「変わりたいのに変われない」
そんな思いを抱えているなら、カウンセリングという場で自分自身の苦しみを見つめ直してみませんか?
あなたの人格そのものではなく、長い時間をかけて身についた心のパターンに問題があるケースばかりです。
そのパターンを理解することが、大切な人との関係を守るための第一歩になっていきます。
ぜひ一度、ご相談ください。













