心の悩みの相談は大阪のAXIAへ
- 2023/06/25
- 相談事例
-
依存症
ギャンブル依存症の当事者を支える家族の在り方
AXIAは、いろんなタイプの依存症の改善を支援していますが、その中でもギャンブル依存症は改善が難しいと感じています。
なぜギャンブル依存症の改善が難しいのかには、主に2つの要因があると言えます。
1つは、否認の心理と言って自分の問題点や改善の難しさを認めない、不都合なことは受け入れないという傾向が強いという点です。
もう1つは家族が容易に問題をあやふやにすることができてしまうという点です。
今回の記事では、2つ目のギャンブル依存症は家族が問題をあやふやにしてしまうという点について詳しく説明しています。
ギャンブル依存症の人が改善するには、家族の適切な支えがあることが望ましいので身近にギャンブル依存症の人がいるという方は読んで欲しい内容だと思います。
いつの間にかイネイブラーになってしまっている家族
ギャンブル依存症の当事者と家族の関係の中で考えてみて頂きたいことは、家族が誰かがイネイブラーになっていないかということです。
英語には、イネイブル(enable)という『~をできるようにする』という動詞があるのですが、イネイブラーは『~できるように手助けする人』というような意味だと捉えて頂ければ良いかと思います。
依存症におけるイネイブラーは、依存症の当事者が依存行動を続けることができるように助けてしまっている人という意味を持ちます。
家族は、ギャンブル依存症になっている人にギャンブルを止めて欲しいわけですが、止めるように言いながらお金を渡したり、借金を建て替えたり
してギャンブルができる状況を作ってしまっているとしたら、それはイネイブラーです。
ギャンブルはお金がないと行うことができないので、何らかの形で家族が当事者にお金が使えるようにしてしまっているという環境をイネイブラーは作ってしまいます。
『もう懲りていると思うのでギャンブルは止めるはず』という思い
ギャンブル依存症の当事者が多額の借金をして困ったり、親や配偶者から怒られたりしたことで『もう懲りているのでギャンブルは止めるはず』と思ったという発言は、イネイブラーの人からよく聴く言葉です。
家族なので信じたい気持ちはわかりますが、少し前までギャンブルで自分のお金を使ってしまうという自己管理ができていなかった人が、急に望ましい生活習慣に変わることは難しいと言えます。
しかし、イネイブラーの人は、上記のように思うことで自分の不安を打ち消していて、その結果何の管理もされない当事者はまたギャンブルをしてしまうということが起きています。
ギャンブル依存症のイネイブラーになっている人の病
イネイブラーになっている人は以下のような特徴があります。
当てはまるものが多いほど、依存症の当事者の依存行動を支援している度合いは強くなります。
- 本人にギャンブルができるだけのお金を持たせてしまう
- 嘘をついているとわかっていてもお金を渡してしまう
- ケンカになるのでお金を渡した方が楽だと思うことがよくある
- 借金を肩代わりしてしまう。
- 借金を肩代わりした後、自分に対して当事者から返済させていない
- 配偶者の場合は、相手への束縛と干渉が強い
- 両親の場合は、過干渉であったり価値観の押し付けが強い
- 両親自身が何らかの依存症、もしくは依存症であった
依存症とは自己管理が出来なくなった習慣の病
ギャンブル依存症を含め、すべての依存症は自分の欲求と行動を管理できなくなった状態であり、それが習慣化している病です。欲求をコントロールできない状態になっているため、反省や後悔をしても欲求が高まった時に行動を起こしてしまうので、何度も依存行為を繰り返してしまいます。
特にギャンブル依存症は、お金があればギャンブルができてしまうので両親や配偶者がお金を渡してしまうとギャンブルをします。
『ギャンブルで負けた分を今度こそは取り返そう』と自分に言い訳をしてギャンブルを繰り返してしまうのです。
習慣化されるということは、暇ができたりストレスを感じた時に当たり前にように依存行動をしてしまう状態になっているということなので、重度になると毎日ギャンブルをするようになります。
本当なら、依存症になった人は欲求をコントロールして行動を起こさないという訓練を重ねて適切な習慣を身につけていかなければならないのですが、イネイブラーはそれを妨げてしまうのです。
ギャンブル依存症という問題に家族ができること
ギャンブル依存症になっている人が家族の中にいる場合、まず大切なことはイネイブラーにならないことです。
しかし、家族という距離感だからこそ、無自覚のうちにイネイブラーになってしまっている人が多いのも事実です。
カウンセリングでギャンブル依存症の人のご家族の話を聴いていると、上記の特徴が全て当てはまってしまうような人もいれば、一部だけ当てはまる人もいて、イネイブラーといえど個人差は大きいです。
イネイブラーになってしまっている人がすぐにできることは、カウンセラーのアドバイスを受けながらイネイブラーを止めることであり、それが家族として依存症の改善を支援するための必須条件です。
家族がイネイブラーになってしまうのは、もともと相手への束縛、干渉、支配が強い関係性である場合や依存症のことについて知識がないため良かれと思ってやったことが裏目に出ているという場合があります。
家族が依存症だとわかった場合、家族として適切なかかわり方をするのは専門的な知識がないと難しいでしょう。
そのため、イネイブラーを止めて適切な関わり方を行っていくためには、ご家族の方もカウンセリングを受けて頂くことが望ましいと言えます。
カウンセラーがケースに合わせたアドバイスを致します
ギャンブル依存症の当事者をどのように支えていけばいいのかは、ある程度は基本的な方針がありますが家族によって関係性、居住環境に違いがあったり、当事者の性格なども違うので、カウンセラーは話を聴かせて頂きながら適した方針を提案していきます。
例えば、当事者にお金を渡さない方が良いという方針があっても、仕事の関係や一緒に住んでいるかどうかなどの条件に違いがあるので、そのあたりは話を聴かせ頂きながら望ましい方法を考えていくしかありません。
ギャンブル依存症を含む依存症全般は、しっかりとカウンセリングを継続することで改善していくことが多いのも事実です。
そこに希望を持って当事者もご家族も根気よく取り組んで頂きたいと思います。
家族がギャンブル依存症の家族に対して行うべき支援は、欲求と行動の自己管理ができるようになっていくための支援です。
カウンセリングを継続すること、日常生活の送り方など最初は家族の支援を頼りながらも自己管理ができるようになって頂くことが依存症から抜け出すことになるのです。
カウンセリングを継続することも自分の人生をより良くするための習慣であり、カウンセリングをきっかけに日常生活を良い方向に変えて良い状態を定着させていくことが依存症の改善につながっていきます。
ギャンブル依存症の場合は、改善の経過の中でまたギャンブルをやってしまうということも少なくありませんが、そのようなことが起きても慌てず、そして諦めずに改善に取り組んで頂くことが大切であり、カウンセラーは改善の道のりをしっかりと支援いたします。
関連情報
パチンコ依存症の旦那とは離婚すべきか?弁護士が解説
弁護士予約サービス『カケコム』
あなたへのオススメの記事
-
- 〒530-0041
大阪府大阪市北区天神橋2-3-10
サンハイム南森町405 - TEL.06-6809-3998
- 南森町駅、大阪天満宮駅から徒歩3分以内