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2023/02/02
心の病

【当事者も企業も必見】うつ病での休職からの職場復帰 タイプ別注意点

なぜ、うつ病になると職場復帰が難しいのか?

自分自身がうつ病になって休職したけど、その後上手く職場復帰ができないという人、社員がうつ病になって休職したけど、職場復帰できていないので心配だという人は、うつ病の人にとって何が職場復帰を困難にしているかを考えて頂くことが大切です。
ある程度症状が回復したから出社してみたけど、やっぱり働いていると症状が再発してしまうということを繰り返していては、うつ病になった本人が自分は職場復帰が難しいという思い込んでしまい、余計に復帰を困難にしてしまいます。

うつ病による休職からの職場復帰が難しい理由は、病気の本人も職場の管理職やその他従業員もうつ病に関する知識、メンタルヘルス対策の知識が不十分であるということが言えますが、この記事ではうつ病という病気への理解不足と職場復帰の困難さについて説明したいと思います。

うつ病への理解不足が回復を遅らせてしまう

うつ病での休職からの職場復帰を困難にしている理由はいくつか考えられますが、まず目を向けて欲しいのが下記の点です。

  1. 薬が必要なのに飲んでいない。
  2. 薬は飲んでいるがストレス耐性が身についていない。
  3. 薬は飲んでいるが実はうつ症状以外に不調の原因がある


1に関しては、気分障害としてのうつ病であり、改善のためには適した種類と量の薬を飲みつつ生活習慣を整えていくことが求められます。
うつ病の人は、病識と言って自分がうつ病だという自覚を持ちにくいため、症状があって不調を感じていても働くことが難しくなるまで仕事をしてしまう傾向があります。

2に関しては、うつ症状はでていて薬も飲んでいるが、うつ症状が生じた原因がストレスであるため、そのストレスが生じた職場に戻ると症状が出てしまうというケースです。
この場合は、本人が打つ症状を自覚するタイミングも早いので、症状が出始めてから比較的早い段階で本人から不調の訴えが出てくることが多いです。

3に関しては、うつ症状は出ているが、その背景に別の疾患が関係しているというケースです。
そのためうつ症状に合わせて薬を飲んでも改善が見られないということが起きます。

うつ病によって休職している人がいたとしても、上記のように複数の可能性が考えられます。
厳密には、うつ症状により不調をきたして休職しており、厳密にうつ病だと言えるのは1のケースのみです。
その他は、うつ状態であったり適応障害などの診断をもらって休職していることも多いので、ここからはうつ症状による休職という表現で説明を進めていきたいと思います。

うつ症状による休職からの職場復帰のポイント

うつ症状により不調をきたして休職をした人が復帰するためには、その人の状態にあった改善の取り組み、職場のフォローが必要となります。

うつ病と職場復帰

1のうつ病の場合であれば、まずは本人がしっかりと薬を飲んで症状を改善すること、そして自分がどの程度の仕事の負荷や生活習慣の乱れによって症状が出るのかを理解して再発予防に努めることが大切です。

また、職場としては、本人の職場復帰前にしっかりと話を聴いて再発予防に協力する体制を整えることが必要になります。
うつ病になりやすい人は、生真面目で責任感が強い人も多く仕事で周囲の期待に応えるため、つい仕事の負荷が大きくなってしまう傾向にあります。
そのため、そのような特性を職場が理解して本人だけでなく、管理職の人が負荷の調整をしてあげることが望ましいと言えます。

ストレスによるうつ症状と職場復帰

2のストレスによってうつ症状が出ている場合は、病院からの診断はうつ状態、適応障害となっていることが多いです。
このケースは、ストレス要因が職場に残ったままだと職場復帰しても症状が再発してしまうので、本人の話をよく聴いて職場のストレス要因を低下させる対策が必要となります。
また、職場のストレス要因以上に本人のストレス耐性の低さによってうつ症状が出ていることもあるので、その場合は本人がカウンセリングを継続して受けて自分のストレス耐性を高めていくことも求められます。

うつ症状の背景に別の疾患がある場合の職場復帰

3のうつ症状の背景に別の疾患があるという場合は、病院に行った時に本人が自分の症状を正確に伝えることができていないことが多いです。
このケースは、一度本人が精神医学の知識のある公認心理師のカウンセリングを受け、病院で医者に伝えるべき症状、その他情報を整理することをお勧めします。
カウンセリングなら話を聴いてもらえる時間が多いので、その人のうつ症状の背景になる情報をしっかりと聴きとることができます。
そのため、カウンセリングで明らかになった情報を持って医者に伝えると適切な診断を受けることができる可能性が高くなります。

職場は、本人が病院から受けた診断を元に職場復帰の計画を考えていくことになると思いますが、専門的な知識も必要となるので産業医や公認心理師のアドバイスを取り入れながら体制を整えることが必要になるでしょう。

職場復帰のための心構え

うつ症状を患って休職した人も休職者がいる職場の人にも持っておいて欲しい心構えがあります。
その心構えは以下の通りです。

  • うつ症状による休職と言っても人によって状態が違う
  • うつ症状からの回復も再発予防のためにも正しい知識が必要
  • 産業医、主治医、公認心理師とそれぞれの専門家からの意見をしっかり聞くこと

 うつ症状によってなかなか職場復帰ができない人、うつ症状を抱えた人がいる職場の人などの話を聴いていて感じるのは、うつ病やうつ症状に関する知識不足、職場復帰の対応に関する知識不足です。
それらの知識を個人で習得することは容易ではないので、専門家を頼って頂ければと思います。
特に職場復帰という点においては、仕事と人間の心の健康に関しての知見を持っている公認心理師に相談できる体制があることが望ましいと言えます。

個人でカウンセリングを受ける場合でも、企業としてメンタルヘルスに関する相談をする場合でも仕事と人間の心の健康に関しての知見を持っている公認心理師のサポートを受けることは職場復帰を実現できる可能性は高くなるでしょう。


 

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