学校に行きたいけどいけない子供がいる

不登校児に対して、親や教師の中には『学校に行きたいたくない思っている』と判断する人がいますが、子供の話をよく聴いたり、日常の様子を観察せずに決めつけるのは早計です。
不登校児の中には、対人恐怖症のために学校に行けない子もいます。
本当は、できることなら学校に行きたいし、勉強をしたいけど、対人関係に恐怖を感じるため学校にいけないという状態です。

学校は、同世代の人たちと同じ空間で1日を過ごすのですから、対人恐怖症であれば学校に行くことが辛いと感じるのは不思議ではありません。
しかし、周囲からは『怠けている』、『辛いことから逃げている』といわれ、学校に行きたくないというよりも怖くて行けないのだということが理解してもらえないこともあります。

対人恐怖症で学校に行けない子の中には、勉強は好きだったり、特定の友達とは会いたいと思っている子もいるので、学校に行くことが怖いという状態は自分にとっても好ましくないのです。

思春期から始まる不登校

対人恐怖症が理由の場合、思春期くらいから学校に行けなくなるケースが多いです。
それは対人恐怖症のもととなる感覚が思春期に芽生えるからです。

思春期に入ると、心の成長に伴い一部の人と深い人間関係を築けるようになる半面、それまでに比べて他者からの評価を意識するようになります。
クラスの中で友達とクラスメイトの違いが明確になって、クラスメイトだけど友達と言えるほど親しいわけではないという人とは、好かれる必要は感じなくても学校生活を平和に送る上では嫌われたくないという存在になります。

このような段階から、親しくはないけどお互いのことを認知している存在から自分に向けられる評価を過剰に意識し始めてしまうと、周囲の視線や評価が気になって落ち着かなくなり、対人恐怖症になっていくのです。

思春期は不安や恐怖をコントロールする力が弱い

人間の脳の発達は、後ろの部分から進んでいき、感情をコントロールする前頭葉は一番最後に大人としての脳の働きを獲得します。
その時期は大体25歳くらいといわれているため、思春期には他人への興味関心が高まる反面、不安や恐怖も感じるという脳の働きを前頭葉が上手くコントロールできないため、対人恐怖症をはじめとした心の病が発症しやすいのです。

このような脳の発達という観点からも思春期の子供達への理解をしてあげることが学校に行けなくて悩んでいる子供を支援するために必要なことだと考えています。

不登校の理由は学校恐怖症

上記のようにクラスという集団が生み出す空気を敏感に感じ取り、学校に行くことが怖くなり不登校になる子がいます。
対人恐怖症の中には、学校恐怖症が含まれます。
不登校になっている子供の中には、学校恐怖症という対人恐怖症を抱えている子がいあるのです。

学校恐怖症の子は、学校の中でさまざまな心の負担を感じていて、それは下記のような形で表面化しています。

学校が怖いと感じる主な理由
  • 本を読む、発表をする時に顔が赤くならないか不安
  • お昼休みにクラスの中で昼食をとることに苦痛を感じる
  • 人が見ている前で字を書こうとすると手が震えて書けなくなる
  • 自分の視線がクラスメイトに不快感を与えていないか不安になる
  • クラスの中にいると落ち着かない気持ちになる

子供が不登校になった時、上記のような理由を抱えているかもしれませんが、親に話すと甘えていると思われたり、勉強から逃げていると思われることを恐れて理由を話せなていないということもあります。
また、子供が学校が怖いと言っていたけど、とりあえず学校に行っていれば慣れると思って学校に行くように言い聞かせている親もいます。

もし子供が学校恐怖症によって不登校になっているのであれば、無理やり学校に行くように説得することは良い方法だと言えません。

学校恐怖症への対処法

学校恐怖症は対人恐怖症の一種であるため、学校を卒業してからもその問題を抱え続けることもあります。

子供が学校恐怖症であった場合、学校が怖くなってしまう感覚を否定すると、余計にその感覚が強くなってしまう可能性があります。
学校が怖いという感覚は、本人が受け止め学生時代はもちろん、その先の人生を送っていくために克服していかなければなりません。

『なぜ自分は学校が怖いと感じるのか?』と自分に問い掛け、怖いと感じる敏感さを受け入れて生きていくための心の柔軟さを身につけていく必要があります。
それには、本人のペースで考える時間、本人の納得のよって生まれる答えが必要です。

カウンセリングは、自分の心の中で生じる不安や恐怖を抱えつつも自分にとって望ましい判断と行動ができる心を育てることを目的に行います。

学校恐怖症に対するカウンセリング

学校恐怖症の相談は、小学生から大学生まで幅広い世代から寄せられています。
小中学生は、親御様の理解やサポートが学校恐怖症の克服には必要なので一緒にカウンセリングを受けていただいています。

高校生は一人で相談にくる子もいれば、親御様と一緒に相談にくる子もいます。
大学生は一人で相談にくる子が大半です。

どの世代からの相談であっても、しっかりと話を聴きながら本人が学校恐怖症と向き合うこと、『人が怖い』という感覚をどう克服するかということを目的に話を進めていきます。

大切なのは、学校恐怖症になってしまう敏感な感性が問題なのではなく、敏感さを持っていても生活に支障が出る恐怖につながらないように心が成長することです。
そのために、学校恐怖症である時点では本人が感じていることを否定せずに話を聴かせていただき、心の成長を援助するカウンセリングを心掛けています。


不登校に関するコンテンツ