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心の悩みの相談は大阪のAXIAへ

2022/05/10
相談事例

アドバイスができないカウンセラーがいる理由

なぜ、カウンセラーがアドバイスをしてくれないのか

過去に大学の心理相談室、学校のスクールカウンセリング、民間のカウンセリングルームなどに悩みの相談に行ったら、「カウンセリングではアドバイスはしません」ということを言われたり、話をしてもただ聴いているだけで何のアドバイスもなくカウンセリングが終了したという経験を持っている方はたくさんおられると思います。

実際に弊社にカウンセリングを受けに来られる人の中にも、他のところでカウンセリングを受けたがアドバイスを受けることができなかったので、AXIAに相談に来たという方がおられます。

実は、アドバイスをしないカウンセラーは少なくありません。
その理由は、カウンセリングを学ぶ時に傾聴と言って話を聴くことが大切だということ、そしてカウンセリングとは非指示的な態度で話を聴くものだということを教えられることが多いからです。

この教えは、大学の心理学部や大学院だけでなく、民間のカウンセリングスクールなどでもよく言われていることで、間違っているわけではないのですが的確な指導ができていないこと、また指導を受けた側が偏った解釈をしていることが合わさってアドバイスができないカウンセラーになってしまうと思われます。

カウンセリングとアドバイスに関する間違った解釈

カウンセリングを学ぶ際に“傾聴”と“非指示的な態度”について間違った解釈をしてしまうと『カウンセリングはアドバイスをしないものだ』という認識になってしまうのだと感じます。

まずカウンセリングとは何かということをよく理解しておくことが必要なのですが、『カウンセリングとは、悩みや課題の解決を支援して、悩みや課題の解決の過程でクライエントの社会適応能力を向上させる人間関係である』と私は理解しています。
そしてカウンセリングを受ける人の多くは、『カウンセリングは、悩みの相談に応えてくれて解決を助けてくれるもの』だと考えているでしょう。
簡単に言うと、カウンセリングは悩みや課題の解決を目的としているということです。

このカウンセリングの目的に対して、傾聴と非指示的な態度というのは、目的を達成するための手段の1つにすぎません。
カウンセリングを依頼する側にとっても、カウンセリングを受ける側にとっても1番重要なのは目的です。

カウンセリングの目的を見失うと解釈を間違える

傾聴と非指示的な態度がカウンセリングにおける目的を達成するための手段だと考えた場合、それらは何のために必要なのか。
そう考えると傾聴とは何か、非指示的な態度とは何かが理解できるのですが、アドバイスができないカウンセラーは傾聴が大切だと言われると話を聴くことがカウンセリングだと思ったり、非指示的な態度はクライエントには積極的にアドバイスをするものではないと思ってしまっている傾向があります。

カウンセリングが悩みは課題の解決を目的とするなら、傾聴や非指示的な態度は以下のようなものだという理解になると思います。

傾聴の効果

  • 安心して話ができると感じてもらい信頼関係を構築する
  • クライエントの悩みの内容、健康状態、性格、成育歴など様々な情報を把握する
  • クライエントに話すことで気持ちを落ち着きを体験してもらう
  • クライエントの思考の整理を支援する
傾聴自体がカウンセリングなのではなく、カウンセリングの目的を果たすためにクライエントに対して上記のような効果を生むことを狙いとしたアプローチが傾聴なのです。

非指示的な態度の必要性

  • クライエントに安心して話をしてもらう
  • クライエントから思考と判断をする機会を奪わない
  • クライエントの自尊心、自立心の向上を妨げない
非指示的な態度は、クライエントに本音や自由な発想を言葉にしてもらうため、そして話すことによってカウンセラーに安心感を感じてもらうために必要なものです。
また、過度な指示をすることでクライエントが悩みの解決のために考え、判断する機会を奪わないためにも必要です。
自分で考え、判断して行動することによって悩みが解決していくことによって自信が得られ、低下していた自尊心や自立心も回復します。


本来は、カウンセラーがカウンセリングの目的である悩みの解決を急いでしまうと、十分に話を聴かないことや安易な指示をしてしまうことが起きてしまうので、傾聴と非指示的な態度の必要性を指導されているのでしょう。
しかし、カウンセリングを指導する側が、傾聴と非指示的な態度の必要性を上手く言語化して伝えることができていないのか、指導を受ける側が上手く理解できていないのか、もしくはその両方によってカウンセリングはアドバイスをしないものだという考え方が身に付いてしまうだろうと思います。

アドバイスをしないのではなく、アドバイスができない

「私はカウンセラーなのでアドバイスはしません」というカウンセラーがいるようですが、私からするとアドバイスをしないのとアドバイスができないのは大きな違いがあり、このような発言をしてしまうカウンセラーはアドバイスができない可能性が高いと思っています。

カウンセリングにおいてアドバイスとは1つの技法であり、普段から必要であればアドバイスをしているからこそ、その技術が磨かれていきます。
アドバイスをしないでいると、アドバイスをするタイミングの見極め、伝えるべきことの選択、伝えたいことの言語化、アドバイスをする時の態度などが上達することはないため、アドバイスを求められても自信と責任を持って発言することができなくなってしまいます。

アドバイスとは、決して相手の行動を指示することではありません。
アドバイスを指示だと思っていると、『カウンセラーがクライエントに対して指示をすることは良くない』=『カウンセラーはアドバイスをするものではない』という考えになってしまいます。

アドバイスができるカウンセラーの特徴

アドバイスとは、知識や事実の提供、選択肢や可能性の提示、方法の指導など、クライエントに必要な情報を提示することです。
心理や精神医学などの専門知識を提供すること、悩みや課題の解決のために選べる選択肢、選ぶべきではない選択肢を提示すること、悩みや課題の解決のために必要な方法について指導することなど、私はそのすべてをアドバイスと捉えています。

アドバイスができるカウンセラーは、カウンセラー自身が豊富な情報を持っており、その情報の価値をよく理解しています。
また、本当の意味で傾聴ができることによってアドバイスの必要性を見極め、どの情報をどのタイミングで伝えるべきかを判断する力もあります。
さらに情報をクライエントが受け入れることができるように伝える表現力も兼ね備えています。


実際に弊社のカウンセラーは、上記のようなことを意識してカウンセリングの中でアドバイスを積極的に行っていますが、丁寧にアドバイスを行えばクライエントに対して指示的だと感じられることはありません。
アドバイスを1つの技法として高めるという意識を持っておけば、自信を持ってアドバイスを行えるようになっていくでしょう。

カウンセラーが肝に銘じておかなければならにことは、『カウンセラーが思っているカウンセリングを提供するのではなく、クライエントに必要なことは何かを感じ取りながらカウンセリングをする』ということです。
カウンセリングをしていると、話をじっくりと聴くことが重要な時もあれば、アドバイスが必要な時もあります。
それらを感じ取ってクライエントに必要なアプローチができる柔軟性をカウンセラーは身につけておくことが大切だと思っています。



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