DV(ドメスティックバイオレンス)から自分を守るために
カウンセリングでは、恋人や夫または妻からDVを受けているという話を聴くことが
ありますが、特徴的なのは相談に来た時点はDVを受けるようになってから数年たって
いるという点です。
なぜ、DVを受けている被害者が相談に行くまでに時間が掛かるのかにはいくつか理由
があると思いますが、その理由の1つには自分がDVを受けていることを自覚できて
いなかったというものがあります。
なぜ、DVを受けた時にそのことを自覚することが難しいかというと、どんな行為が
DVにあたるのかを把握できている人は少ないからです。
どんな行為がDVにあたるのか?
- 身体的暴力-殴る、蹴る、首を絞めるなど、意図的に身体に危害を加える行為
- 精神的暴力ー威圧、強迫、脅すという行為で精神的に追い詰める行為
- 心理的暴力-無視やいじめによって自尊心を低下さえる行為
- 社会的暴力-家族や友人との交流を制限したり、行動もチェックする行為
- 経済的暴力-生活費を渡さない、仕事をさせない、借金をさせるなどの行為
- 性的暴力-性行為の強要、否認をしない、中絶を迫るなどの行為
上記のような行為は全てDVに該当します。
身体的暴力のみをDVだと思っている人もいて、自分がDVを受けていると自覚すること
が遅れてしまうのです。
DVとコントロール欲求
DVをする人は、コントロール欲求という他人をコントロールすることで自分の力を感じ
ようとする欲求が強い人が多いと言えます。
コントロール欲求が強いこと自体に問題はないし、その欲求の強い人は指導者や経営者と
して活躍している人もたくさんいます。
しかし、心が不健全な上にコントロール欲求が強いと、不適切な方法で自分の利益のため
だけに他人をコントロールしようとしてしまいます。
DVに該当する行為は全て不適切な行為ですが、その行為によって自分の要望が通ったり、
相手が自分に何かをしてくれるという結果が得られることがあります。
そうなると自分の行為は、コントロール欲求を満たすことが出来る行為だと脳が認識する
ため、同じ行為を何度も繰り返し行ってしまい、DVが常習化してしまうのです。
DVを受けていると感じたらどこに相談すべきか
もし自分がDVを受けていると感じたら、専門知識を持って話を聴いてくれるところに
相談をして下さい。
自分が受けている行為がDVにあたるかもしれないが、話し合いをすることで改善を
していきたい、改善の可能性があると感じている段階ならカウンセリングをご利用下さい。
また、自分が受けている行為がDVかどうかよくわからないが、相手との関係で悩んで
いるという場合もカウンセリングが適しています。
カウンセラーには、DVだと感じる行為はあるが関係性の改善に努めたいと思っている
場合、またはDVに悩んでいるが自分がどんな判断をすればいいのかわからないという
場合、いろんなところに相談したけど納得のいく見解が得られなかったという場合に
相談して頂ければと思います。
カウンセリング以外では、各都道府県、市町村にある下記のような施設も相談を受けて
くれます。
DVに悩んでいて、相手との関係の改善も難しいと感じるほど心身共に追い詰められて
いるという場合は、下記のようなところに相談してみて下さい。
身の危険を感じていて緊急性の高い場合は、警察に連絡することも考えて下さい。
- 配偶者暴力相談支援センター
- 婦人相談所
- 男女共同参画センター
- 児童相談所
- 福祉事務所
- 警察