自己臭恐怖症は本当に思い込みなのか?
自己臭恐怖症は自分が不快なニオイを発していて、周りに迷惑をかけていると思い込む症状だと言われています。
欠かさずお風呂に入って、デオドラントスプレーを振って、きっちり歯磨きをして、徹底的な対策をしてもニオイが出ている感覚が消えない。
ワキガや歯槽膿漏などを治療したにもかかわらず、今でもニオイがあるような気がしてならない。
自分が臭いというのは本当に思い込みなのでしょうか?
自己臭恐怖症のカウンセリングを重ねてきた中で知った実態をお伝えします。
この記事は、西橋康介が書いています。
自己臭恐怖症の思い込みは確信レベル
自己臭恐怖症は確信型の対人恐怖症に分類されるため、非常に思い込みが強いというのは間違いありません。
「臭い」という言葉だけでなく、咳払いや鼻すすり等の仕草を拾っては自分が臭いことに結び付ける。
自分が臭いという前提で周りに神経を張り巡らせているため、ニオイと関係ないことまで「自分が臭いからだ」と結び付けてしまうのです。
また、自分のニオイを気にしすぎて過度の緊張状態になっていることも思い込みの強化に影響しています。
緊張すると自律神経が交感神経優位の状態になるため、感覚が過敏になって普段は気にならないような些細な言動や仕草までキャッチできてしまうのです。
それをすべて自分のニオイと結びつけるとなれば確信レベルの思い込みになるのも当然かもしれませんね。
電話越しでもニオイが伝わる、後続の車の運転手が嫌がっているといった現実離れした思い込みが生まれることもあり、統合失調症になってしまうケースも少なくありません。
実際にニオイが発生しているケースもある
だから、自己臭恐怖症はすべて思い込みで、実際には不快なニオイはしていません。
と言いたいところですが、実は特定の状況下だけニオイが発生するケースがあります。
例えば、学校や職場に行ったときだけ不快なニオイが出てきてしまうとか。
結構この症状で悩んでいる方は多いです。
過度のストレスを感じると人はストレス臭を発します。
資生堂が「STチオジメタン」と命名した皮膚から発生する硫黄化合物系のにおい成分ですが、ストレスの度合いが強ければ身体をのけぞらせるほど強烈なニオイを発することもあるそうです。
家にいるときはリラックスしていて自分でもニオイがしていない感じがする。家族にも臭いとは言われない。
でも、職場ではものすごく緊張してニオイが出ている感じがするし、周りの人たちが反応していて、直接臭いと言われた経験もあるという方は該当している可能性が高いです。
他にも事例は少ないですが化学物質のにおいが身体から放たれるPATMという症状があり、実際にお会いしたこともあります。
ニオイが出ている感覚をわかってもらえない苦しみ
自己臭恐怖症で悩んでいる人は家族に聞いても病院に行っても臭くないと言われています。
しかし、自分ではニオイが出ている感覚がある以上、臭くないと言われても納得しようがありません。
どうしても相手が気を遣って嘘をついてくれているようにしか思えないわけです。
「臭くないよ」「気にしなくて大丈夫だよ」と言われるたびに理解してもらえない苦しみを抱え、言っても理解してもらえないから言わずに溜め込んでいます。
今はニオイがなかったとしても、学校や職場、電車内ではどうなっているのか。
嫌われているのはニオイを気にするあまり仕草や行動がおかしくなっているせいではないか。
単純に今ニオイがあるかどうかだけでなく、しっかり話をお聴きして想像を働かせないと実態はつかめません。
ニオイが出ている感覚があるのは事実として受け止めた上で一緒に考えていくことが必要なのです。
カウンセリングで話を聴いてもらうことで改善に向かう
自己臭恐怖症を生み出す要素の一つに感情の抑圧があります。
抑圧された感情があまりにも大きすぎて無意識に漏れ出す。漏れ出した感覚がニオイを出しているような感覚にさせるところがあるのです。
だから、普段話せず溜め込んでいるニオイに関することを話すことができれば症状が改善に向かいます。
カウンセリングで自分が思うままのことを話し、否定せず受け入れてもらうことでニオイが出ている感覚は薄れていくのです。
ただ、勇気を振り絞ってカウンセリングを受けても理解されないと抑圧が強化されてしまうため、自己臭恐怖症に詳しいカウンセラーに話を聞いてもらうようにしてください。
弊社には、私を含め自己臭恐怖症のカウンセリング実績が豊富なカウンセラーがおります。
もし自分は自己臭恐怖症かも知れないと思う場合はカウンセリングをご利用下さい。
カウンセリングの際は、普段は話すことができないニオイに関することから話して下さい。
話せず溜め込んできた思いをカウンセリングで話せれば話せるほど改善していきます。