性犯罪を繰り返してしまう人の特徴

性犯罪者の再犯率は高いと言われていて、性犯罪を止めるためにカウンセリングを受けに来た人の中にも逮捕されたことが何度かあるという人も少なくありません。
1度目の逮捕の後、自分の意思だけで止めることができると思っていたが、また性犯罪を犯してしまうということがあるのです。

性犯罪、性嗜癖行為の改善のカウンセリング中でわかってきたことの1つが、性犯罪、性嗜癖行為を止める人と再犯をする人の違いです。
この違いは、これから性犯罪を止めるためのカウンセリングを受ける人にも、すでにカウンセリングを受けている人にも知っておいて頂きたい内容です。

「もう二度と性犯罪はしない」という人の方が危険

性犯罪を繰り返してしまう人の特徴として、「もう二度と再犯をしない自信がある」と言い張っていて、カウンセリングを受けることに抵抗をしてしています。
カウンセリングに来ても、自分は通い続ける必要性を感じていないというような発言やとりあえず来たというような発言が多いです。

改善が順調に進む人ほど、「性犯罪をしてしまう可能性があるからこそ、一生再発を警戒していく必要がある。そのためにカウンセリングにも通う」という発言を最初のカウンセリングから言っています。
また、カウンセリングで性犯罪についての知識を得たのちに、その知識を素直に受けいれて上記のような思いを持つという傾向があります。

否認の心理が強い人は再犯率が高くなる

再犯の恐れがある人は、カウンセリングを受けて性犯罪の知識を得た後でも「自分は警察に逮捕され、家族にも怒られ、罰金を払って痛い目にあったから
もう同じことはしない」と自分の感覚だけを根拠に再犯のリスクがないことを主張するという傾向があります。
そして、こちらがまだ不安な状態であることを説明しても、カウンセリングを止めることを考えています。

自分の現状を受け止めない、性犯罪は再犯率が高いという傾向が自分には当てはまらないと思っているなど、都合の悪い事実を否認している人は危険です。
否認の心理によって自分が抱えているリスクを低く見積もっているのです。

否認の心理とは、依存症の人に強く根付いているもので、依存症であること、借金があること、問題行為を行っていること、それを止められないこと、など不都合な事実を受け入れない、否定する心理のことです。

反対にカウンセリングに通い、結果的に再犯をせず、再犯のリスクも順調に軽減している人は、性犯罪に関する知識だけでなく、自分の生活をより良くするための知識なども素直に取り入れ、性犯罪を抑止し続ける生活を確立しています。

私は、自分の再犯リスクを受け入れることができない人に対しては、カウンセリングの中で、再犯の可能性があることを理解して頂くために下記のようなことを伝えています。

「もう性犯罪はしない」という言葉が信用できない理由

「もう性犯罪はしない」性犯罪はしないという言葉に信頼度が低いのは、その言葉の背景にも否認の心理が隠れているからです。

性犯罪を行ってからあまり日が経っていない、特にこれまでと何かを改善しようとしていないのに、性犯罪をしないという発想には根拠が乏しいのですが、否認の心理が強い人は、自分が性犯罪を行った事実やそのために発生した状況から逃げたいという思いがあり、現実を否認する発想が生じます。

この否認の心理が強いと、カウンセリングに通わない、通っていても本当のことや自分にとって都合の悪い話はしない、日常生活でも改善につながることをしないという状態になるので、再犯リスクは軽減されることがありません。
否認の心理が強いということ自体、再犯のリスクの高さであるともいえるのです。