アダルトチルドレンの5つ特徴についての説明、5回目はスケープゴートです。
今回で特徴の説明は最後となります。
問題児の心の中にいるスケープゴート
スケープゴートは、自分が問題児となることことで、家族の中で生じる葛藤を誤魔化すことを繰り返しながら育った人の心の中に生じる特徴です。
本来なら、家族の中で両親の間、両親と祖父母の間などに生じた葛藤は当事者が解決して、家族の関係を保っていくことが必要ですが、いつも同じようなことで衝突したり、不満を解決できていないことで葛藤が生じ続けている場合は、子供が家族内の新しい問題となることで家族の意識を自分に集めようとしてしまいます。
葛藤が続く限り犠牲になり続ける子供
スケープゴートを演じている子供は、家や学校などでトラブルを起こすことが多いのですが、心の奥では孤独感を抱えていて、誰かに暴走する自分を止めて欲しいと思っています。
祖父母と両親の関係、父と母の関係に葛藤が生じていた場合、その葛藤よりも大きな問題を自分が作ることで、家族間にある葛藤を誤魔化そうとするのです。
しかし、そのために行っている自分の問題行動は、良くないことだとわかってもいるので、止めたいと思いつつも他に家族間の葛藤を誤魔化す方法がわからず問題行動を繰り返してしまいます。
スケープゴートは依存症につながる
スケープゴートを演じながら育つと、葛藤が生じた時に適切な対処ができなくなってしまいます。
葛藤に対して不適切な対処を選択し、それを継続することで不適切な行動が習慣化して依存症になる人も出てきます。
最初は、家族間の葛藤を誤魔化すために行っていたことも、大人になってから行うと大きな問題になったり、周囲の人との関係を築く上での障害になったりします。
問題児を演じ続けてきた結果、周囲から問題のある人だと認識されることが存在意義となってしまうこともあり、人間関係の中で適切な選択をすることが難しくなってしまいます。
スケープゴートは、家族間の葛藤の身代わり役でもあるので、葛藤を誤魔化す手段としてアルコール依存、ギャンブル依存、万引き、過食や拒食、自傷行為などに走ることもあります。
大人になってからは、恋愛相手の関係、夫婦間で葛藤が生じたり、ストレスを蓄積すると上記にような問題行動で葛藤を誤魔化そうとしてしまう傾向があります。
カウンセリングとスケープゴートの克服
カウンセリングでは、依存症や不登校、犯罪の抑止などの相談に来られる人の話を聴いていると、スケープゴートとして育ってきたということが感じられることが多いです。
スケープゴートという特徴を抱えた人は、自分に身に付いてしまった問題行動を止めつつも、自分の心の中に生じる葛藤に向き合えるようになっていく必要があります。
また、適切な葛藤の緩和、処理の方法を身につけていくことも必要です。
カウンセリングでは、葛藤に向き合えるための対話を行いつつ、具体的なアドバイスを提供することでスケープゴートからの脱却をサポートしていきます。
わかっているけど止められないという行動を止めるためにはカウンセリングが必要です。