飛行機、電車、バス、自動車など、人によって乗れない乗り物に違いはありますが、乗り物に乗ると息が苦しくなる、心臓が締め付けられる感じがする、言いようのない不安に襲われる、というような症状が表れることで、乗り物に乗れなくなっている人がおられます。
また、人が多く集まるイベントや都会の駅などの人込みが、苦手意識や恐怖感があるという人もおられます。

上記のような状態は、パニック障害という心の病に分類されます。

パニック障害とは

パニック障害は、突如として激しい不安や恐怖を感じる「パニック発作」を繰り返すことを特徴とする疾患です。
パニック発作だけでなく、また起こるのではないかという予期不安に苛まれることで日常生活に大きな支障をきたします。

動悸、過呼吸、発汗、めまい、震え等の身体症状が起こり、「死ぬのではないか」「気が狂ってしまうのではないか」といった感覚に襲われる。
パニック発作はたいてい10~30分間強く出て1時間以内にはおさまる傾向が見られます。

発症の原因は明らかになっていませんが、脳内神経伝達物質(ノルアドレナリン、セロトニン、GABA)のバランスの乱れ、遺伝、ストレス等が影響すると言われています。

パニック障害と広場恐怖症

パニック発作と広場恐怖症は関連が深く、パニック発作をきっかけに広場恐怖症を発症するケースがよくあります。
広場恐怖症は逃げることが困難、助けが得られないと感じる状況で強い不安が出る症状です。

突然のパニック発作が起こり、また同じ場所でパニック発作が起こるのではないかという予期不安が生じる。
例えば、電車内でパニック発作が起こった場合、電車に乗ることを避けるようになります。

最初は一部の場所だけだったのが他の場所でもパニック発作が出てしまうかもしれないと思うことで回避が増えていく。
パニック発作が出たときに逃げられない、助けを得られないという恐怖が強まり、生活範囲が狭まる中で広場恐怖症を発症するのです。

パニック障害の苦しみ

パニック障害は、本人は症状でとても苦しんでいるのに、周りに理解してもらえないという苦しみがあり、症状と周囲から理解されないという2つの苦しみを抱えてる心の病です。

パニック障害になると、日常生活にさまざまな制限が生じることもあります。
旅行に行く際に飛行機に乗る必要がある場所には行けない、電車を使うなら各駅停車しか乗れない、旅行だけでなく日頃の買い物でも人混みになるような場所には行けないなどの制限です。

パニック発作が起きる明確な理由がわからず、特定の状況に神経が反応して症状が出るので、いつ症状が出るか警戒しながら過ごさなければならず、できる事なら 始めて症状が出た時と同じ状況の場所には行きたくないという思いが強くなる ため、乗り物や人の多いところ、または閉鎖的な所が怖くなるのです。

パニック障害の克服を目指すカウンセリング

カウンセリングオフィスAXIAでは以下のような取り組みによってパニック障害の克服を目指します。

パニック状態を言語化する

飛行機に乗ったとき毎回パニック発作を起こしていた方が、カウンセリングでパニックに陥ったときの状態を何度も詳しく話し、対策を考えて実践することを繰り返して克服された事例があります。

人によっては「死んでしまうかもしれない」と思うほど不安や恐怖を抱くパニックは得体の知れないものになっていますが、言葉で説明できる状態になることによって、自分の中でパニックが何なのかがハッキリしてきます。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という句がある通り、パニックの正体さえわかれば怖がる必要はなくなるのです。
パニックはこういうものでこういう対処をすれば何とかなると思えれば安心できますよね。

パニックに陥っているときのことを言語化していくのは難しいところはありますが、カウンセラーのサポートがあることで少しずつ言葉にできていきます。

安心につながるパニック障害の正しい知識を得る

パニック障害で悩んでいる、行動が制限されている人は、病院に通っているけどあまりよくなっていないと感じている方もおられます。
そのような状態の方は、薬は飲んでいるけど、パニック障害に対する正しい知識を知っているわけではないというケースが多いです。

正しい知識を持たずに改善を目指す状態では、薬で症状を抑えても発作が出る不安は軽減されていないため、不安と症状が現われたら薬を飲むことの繰り返しになってしまいがちです。

パニック障害の症状は、ある意味人間の体にとって当たり前の反応が起きているだけだと言えます。
症状が起きるのは神経の過敏な反応によるものであり、それが定着してしまい乗り物や人混みという条件の中で症状が出やすくなっている状態がパニック障害です。

自分の身に何が起きているのかを知ることによって安心できたり、乗り物に乗ることや人混みに入ることへの心構えができるようになったりしますので、カウンセリングではパニック障害のメカニズムや改善方法について はっきりとご説明いたします。

パニック障害は不安という心理が症状を誘発しているので、カウンセラーから正しい知識を聴いて認識を正すこと、認識が正されたことで不安感が弱くなるということを実感していただくことが大切です。

脳の過度な反応を防ぐトレーニングを実施する

上記にも記載してあるように、パニック障害の相談に関しては、話を聴きつつもパニック障害のメカニズムや改善の方法については詳しく説明をすることを重視しています。
また、日常の生活の中で継続できるパニック障害克服のためのトレーニングをお伝えしています。

パニック障害は、脳の働きの不安定さが関係している病気なので、ストレスを 感じた時に、脳が過度に反応しない状態になるような取り組みが必要となります。
スポーツ選手が緊張をしている時に、心を鎮めるためにメンタルトレーニングのスキルを身に着けていたりしますが、パニック障害も同じような方法で対処することが可能です。

パニック障害の克服は、正しい知識と正しい克服方法を身に付けることが必要です。
カウンセリングでは、改善のための知識と方法をしっかりと提供させていただきますので、パニック障害かもしれない、パニック障害で悩んでいるという方はぜひ、カウンセリングを活用して下さい。

パニック障害で外出ができないという方へ

カウンセリングを受けたいけど、パニック障害を抱えているので外出をすることが難しいという方がおられます。

パニック障害は「精神障害の診断と統計の手引き第5版(DSM-V)」の中では不安障害の中の1つに分類されていて、電車やバス、飛行機などの乗り物の中、エレベーター、映画館、劇場などの中、長い列に並んだり群衆の中にいる時、自分の部屋などの中で、動悸、息苦しさ、発汗、震え、めまい、吐き気、しびれ、寒気などに襲われて、パニックになる心の病です。

一定の場所で上記のような症状が突然出てくるため、カウンセリングを受けたいと思っても外出することが怖く、カウンセリングルームに行けないという方のためにオンラインでのカウンセリングをおこなっております。

外出ができない人も利用できるオンラインカウンセリング

パニック障害で外出ができないけど、パニック障害について相談したい方やパニック障害だけでなく悩みを抱えているという方は、オンラインカウンセリングをご利用ください。

オンラインカウンセリングは、ZOOMもしくはSkypeを活用しております。
予約の際にどちらかお選びいただくことが可能です。

オンラインであればお互いの顔を見ながらカウンセリングを行うことができますが、顔を表示させずに相談をしたいという方もおられますので、その点もご希望に合わせることが可能です。