不安症という心の病
不安症は、以前は不安神経症と呼ばれていました。
DMS−5から、不安症という名前になり、その中に分離不安症、選択性緘黙症、限局性恐怖症、社交不安症、パニック症、広場恐怖症、全般不安症などが含まれています。
自分は不安感が強くて悩んでいるけど、それがどういう状態なのかわからないという方は、もしかしたら上記のどれかに当てはまるかもしれないので、下記の説明に目を通してみて下さい。
分離不安症
両親から離れることに対して、その子供の年齢から考えると不適切なほどの不安を示す状態です。
愛着を持っている親を失う不安が過剰で、パニックを起こす、学校に行けなくなる、家以外で寝ることができないなどの特徴を持っています。
大人になってから引きこもり、仕事にいけない人の中には分離不安症が原因の人もいます。
選択性緘黙
選択性緘黙は、場面緘黙とも言い通常は話をすることができるのに、特定の場所や場面で話すことができなくなる状態です。
家では話ができるのに、学校など外では上手く話せないという状態で、主に子供に現われる症状ですが、大人でも選択性緘黙の人はいて上司や得意先の人など緊張を伴う場面で話せなくなるというケースがあります。
局限性恐怖症
特定の対象に対する強い恐怖心を持っていて、それが日常生活に支障をきたしている状態です。
男女差では、女性は男性の3倍の恐怖症に悩んでいる人がいると言われています。
動物や虫に対する恐怖症、高いところや水辺など自然環境に対する恐怖症、血やケガに対する恐怖症、電車や飛行機、エレベーターなどの状況への恐怖症、嘔吐や動悸、騒音などに対する恐怖症など、さまざまな恐怖症があります。
社交不安症
社交不安症は、以前は社会不安障害と呼ばれていました。
社交不安症の人は、社会恐怖という恐怖感を持っています。
社会恐怖とは、周囲から注目されることに対する恐怖感のことで、そのために学校や会社にいけない、人前で話ができないなど、生活に支障が出ている状態が続いていると社会不安症の可能性があります。
パニック症
パニック症は、パニック障害と呼ばれていたもので、何らかのパニック発作が現われたことをきっかけに、同じような場面で症状が出ることを予期してしまい、本当に症状が現れるようになる状態です。
パニック発作には、突然の動悸や発汗、息苦しさ、吐き気、めまい、胸部や腹部の違和感、現実感の喪失などがあります。
全般性不安症
日常の様々な出来事や活動に対する不安が6か月以上続いていて、不安が生じる日の方が多い状態をいいます。
全般性不安症の人は、不安になっている時に、落ち着きのなさ、緊張感、疲労のしやすさ、集中困難などの中で3つ以上の生じている状態です。
まとめ
不安症の人は、自分の内面では強い不安を感じているけど、周囲の人に知られることがないようにと努めていることも多く、周囲に知られてはいけないという思いが、余計に不安感を高めていることもあります。
不安症の人は、まずは自分の不安を客観視するためにも、不安症の状態について話を聴いてもらうことが必要です。
その上で不安をどう克服していくか、自分の状態に合わせた取り組みを進めて行くことが大切です。