摂食障害に悩むご本人と家族からの相談

拒食症と過食症は摂食障害という心の病です。
摂食障害になっている人は、男女比では女性が圧倒的いと言えます。

拒食症は、主に思春期以降に発症することが多いのですが、これは自我が強くなるにつれて、自分の見た目を気にし始めるということが関係しています。
早い人なら小学生、多くの人は中高生くらいに拒食症になることが多いのですが、学生時代に拒食症になった人は、成人後に過食症になって悩んでいる人、拒食症と過食症を繰り返している人もいます。

摂食障害は家族で向き合う心の病

摂食障害の相談は、家族でカウンセリングに来て頂くことをお勧めします。

拒食症も過食症も、本人が改善すべき問題だと認識できていない場合が多く、それを心配する家族の方が問題意識を強く持っておられます。
ただ、摂食障害になっているのは本人なので、本人がカウンセリングを受ける方が良いと考えてしまうのだと思いますが、摂食障害の人は自分が病気だという認識を持ちにくいという特徴があるので、家族で一緒に相談に来て頂いて現状をカウンセラーに伝え、その上でアドバイスをもらうことが望ましいと言えます。
摂食障害は、当事者がカウンセリングを受けないと言い出すことも多いのですが、その場合はご家族だけでも相談に来て頂くように提案しています。

拒食症と過食症は間違った葛藤の解消方法

拒食症も過食症も一種の依存症です。
依存症は、自分の心の葛藤を不適切な行為で解消するということが定着してしまう心の病です。

自分が心に抱えた葛藤を解消するために食べないという行為を始め、それが継続したり、反動で過食になるなどして、間違った葛藤の解消方法として拒食や過食が定着してしまった状態が摂食障害です。
だからこそ、自分の意思や家族からの言葉で一時的に止めていたとしても、ストレスを受けるようなことがあると再発してしまうことが多いのです。

なぜなら、やせようとして拒食症になり、反動で過食症になる人はいますが、本当の目的は痩せることではなく自分の不安定な自尊心を保つことなので、拒食、過食という行動だけを止めても再発してしまうのです。

学生時代は、まだ自我の発達も不十分だからこそ、依存症になりやすく摂食障害も例外ではないのですが、自我の発達が未熟な年代だからこそ、その成長に合わせて拒食症と過食症の改善に取り組むべきなのです。

自我の成長に影響を与えるのは対話です。
カウンセリングを受けることが摂食障害の改善につながるのは、カウンセリングはクライエントの自我の成長を目的とした対話だからです。

しかし、学生は自分の意思だけでカウンセリングを継続することも難しいため、摂食障害のカウンセリングは家族で取り組んでいただくことが望ましいと言えます。

拒食症と過食症に対する家族カウンセリング

この記事の冒頭にも書きましたが、拒食症も過食症もご家族でカウンセリングに取り組んで頂くことが望ましいと言えます。

摂食障害は、食べない、食べ過ぎるという行動に問題が生じていますが、その背景には心理的葛藤があり、その葛藤が親子、家族間の葛藤であることも多いため、家族で一緒にカウンセリングを受けて頂くことで家庭内でご本人が抱える葛藤が小さくなっていくことを目指して頂きます。

また、摂食障害は“病識”と言って、自分が病気であるという認識が当事者が持ちにくい傾向があるので、家族が摂食障害のリスクや改善に必要な事柄を理解して頂き、当事者を支えて頂くことが必要になるため、家族でカウンセリングに来て頂くことが改善の近道となります。

親御様の葛藤のカウンセラーがサポートします

家族間にある葛藤に目を向けるということは、親の負担も生じます。
子供のことを思っているからこそ葛藤が生まれていることも多いため、これまでの関係性を見直していくことに心理的な負担を感じる人も少なくありません。

子供の拒食症、過食症の改善のためには親の努力、忍耐も必要となるので、その取り組みをカウンセリングで話を聴く中で支えていきます。
摂食障害の改善は、ご本人、親御様、カウンセラーが一緒になって取り組むことが大切ですので、一度家族で相談に来ることをご検討ください。
最初は、親御様だけでお越しいただいても構いません。


摂食障害についての説明