子供の頃から続く心の不安定さとインナーチャイルド
子供の頃に親からの愛情を十分に感じられなかったり、年齢に見合わない責任を背負って育った経験があったりすると、大人になっても「生きづらさ」や「自己不全感」を抱えやすくなります。
幼少期の環境に適応するため精神面が早熟になり、しっかりした性格を身につける一方で、心の奥には「寂しさ」「不安」「焦燥感」を抱えたまま成長してしまうことがあります。
大人になっても子供の頃に身につけたしっかり者の性格で周囲の期待に応えるように振舞いますが、心の中では疲れや不満などやりきれない思いを抱えているのです。
大人になって感じる心の不全感の正体はインナーチャイルド
「なぜか満たされない」「頑張っているのに生きづらい」と感じる方は、インナーチャイルドの存在を考えてみると良いかもしれません。
インナーチャイルドとは、1990年代に広まった心理学の概念で「大人になっても満たされずに残っている子供の心の部分」を指します。
インナーチャイルドは年齢を重ねても上手く成熟できなかった心の機能と考えられますので、以下のような悩みを抱えやすい傾向が見られます。
- 親子関係の問題
- 恋愛や結婚生活の悩み
- 職場の人間関係のストレス
- うつ症状やパニック障害
- 摂食障害、依存症
インナーチャイルドに関する具体的な解説は『インナーチャイルド〜癒されていない心の傷〜』のページを参考にしてください。
インナーチャイルドとカウンセリング
カウンセリングにインナーチャイルドを抱えている状態の人が来られることは多いです。
なぜなら、カウンセリングが必要だと感じる悩みを抱えやすいからです。
中には「インナーチャイルドカウンセリング」という名称で専門的におこなっているカウンセラーもいますが、実際には「生きづらさ」や「自己不全感」を扱うカウンセリングの一環として自然に取り組まれています。
どのような表現だったとしてもカウンセリングにおいて大切なことは、クライエントがカタルシスを経て自分の人生を歩めるようになることです。
インナーチャイルドのカウンセリングでは具体的に下記のようなことを意識しておこなっております。
自分の本心を感じ取る
インナーチャイルドの癒しには「自分の本心を感じ取ること」が必要です。
過去の辛い経験によって心に生じた傷を認識し、それを大切にすることで心の安定を取り戻していきます。
カウンセリングの最初の段階は、現在抱えている悩みを話しながら背景にある感情を認識できるようにアプローチすることを重視しております。
感情を解放する
過去の体験と向き合いながら当時の感情を少しずつ言葉にしていきます。
カウンセリングの経過の中で過去の囚われから解放されて気持ちがスッキリする、癒されたという体験に至る(カタルシス)といったことが起こるのですが、カタルシスに至るまでの段階で自分自身と向き合うことをつらく感じてしまう人もいます。
インナーチャイルドの状態によっては、自分自身と向き合う痛みとカタルシスを何度も体験することで乗り越えていくケースがあります。
「自分らしく生きる力」を取り戻す
本当に自分らしく生きるためには、自分の本音を理解し、それを大切にすることが重要です。
自己否定や不信感を生み出す大人に植え付けられた価値観ではなく、自分自身が良いと思う価値観を大切にする。
他者に合わせるだけではなく、自分の本音をもとに自分の意思で判断していく。
社会生活の中で他者と折り合いをつけながら自分の本音を大切に、自分らしく生きることをサポートしていきます。
心の不安定さを感じる方へ:カウンセリングを試してみませんか?
幼少期からの生きづらさや、不安定な気持ちに悩まされている方は、一度カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
日常生活では、幼少期の話をじっくり聞いてもらう機会はほとんどありませんが、話してみることで心が軽くなることもあります。
「ずっと抱えていた心のモヤモヤを解消したい」
「自分をもっと大切にしたい」
「人間関係を良くしたい」
このような悩みを感じておられるのでしたら、カウンセリングを活用し、より良い人生を歩むための第一歩を踏み出してみませんか?
インナーチャイルドは「アダルトチルドレン」という概念と関係が深いものです。
アダルトチルドレンはインナーチャイルドが心の中にあることを自覚しづらくしている要素でもありますので、下記の記事もあわせて読んで頂けると自分の心の状態をより深く理解できるのではないかと思います。