仲良くしたいけど嫌われるのは怖いという葛藤
嫌われるのが怖くて職場や学校で他人と距離をおいているけど、1人でいるのは寂しいという悩みを長年抱えている人がおられます。
カウンセリングには、そういう方からの相談依頼は比較的多いです。
人から嫌われるのが怖いという悩みを抱えている人は、周囲の人から見ると人間関係を上手く築いているように見える人もたくさんおられます。
嫌われるのが怖いという思いから生まれている努力が、人間関係を保つ要因になっているものの本人は気疲れをしていることもあるのです。
行動原理が『嫌われないため』であるとストレスが溜まる
『自分の願望を満たすためには、自分が怖いと感じていることに直面しなければならない、それは自分にとって辛いことだけど、願望も満たしたい』。
このような状態を葛藤と言いますが、人は葛藤に上手く対処できないと心の状態が悪くなってしまいます。
嫌われたくないという思いがあるかどうか質問すると、多くの人が「嫌われたくないと思っている」と答えると思いますが、質問されるとそう答えるけど日頃からあまり人からどう思われるかを意識せずに生活している人もいます。
しかし、他人からの評価を気にして『嫌われたくない』、『他人にどう思われているのだろうか』という警戒心が心の中で常に働いている人もいます。
他人からどう思われているのかということを考えやすい人は、そうでない人に比べて心の中に葛藤が生じやすいと言えます。
『嫌われたくない』という思いが強く、何か行動を起こす時に他人からどう思われるかを強く意識する人はストレスが蓄積しやすいでしょう。
どんな行動を起こす時にも、ひとつの行動を選択する根拠が『嫌われないように』ということであれば、心が疲れてしまいます。
カウンセリングでは、人から嫌われないかどうかを気にしている人からの相談が増えるタイミングがあります。
それは、新年度のように学校や職場など、新しい環境での生活が始まる人が多い時期です。
また転職したことによって人からどう思われているかという意識が強くなる人も少なくありません。
新しい環境で生活するための心構え
新しい年度になると、職場や学校などで新しい環境での生活が始めるという方がたくさんおられると思います。
嫌われるのが怖いと思っている人にとって、新しい環境の中での生活は心に負担を感じるものです。
でも新しい環境だからこそ、良い形で人間関係を築いていきたいという思いも強いでしょう。
この記事を読んで下さっている方には、新しい環境で生活するためのヒントをお伝えできればと思います。
人から好印象を持ってもらうことを急がない
職場であれ学校であれ、新しい環境で過ごすということは緊張感が増すことでストレスが蓄積します。
特に他人に嫌われることへの警戒が強い人は、よりストレスを感じやすい環境であると言えます。
新しい環境で生活をする時、ストレスを増加させないために必要な考え方は、他人から良い評価をもらうことを急がないということです。
他人から良い印象を持ってもらったり、仕事なら信頼をされたいと思いが生じることは不思議なことではありませんが、他人から嫌われたくないという気持ちが強いほど安心感を得るために他人から良い評価を得ることへの焦りがある傾向があります。
しかし、出会って間もない人から良い評価をもらうということは簡単なことではないのですが、それを求めて焦る気持ちが生じると他人から嫌われるのではないかという不安も生じやすくなります。
なぜなら、他人から嫌われたくないという思いが強い人にとっては、良い評価は嫌われないことへの安心材料なので、それが得られないことは嫌われる可能性があると考えてしまうからです。
無関心という評価があることを知る
他人から良い評価を得ることを焦らないというのは、他人からの評価の中には無関心というものがあるということを理解するということでもあります。
他人から自分に対して向けられる評価は、良いか悪いかだけでなく関心がないというものもあるので、良い評価が得られないことは嫌われていることとイコールではないと知ることが大切です。
新しい環境で生活をする時、他人は自分に無関心という段階があるので、人間関係は小さな接点から少しずつ関心が増えていって親しみや信頼が築かれていくものだという認識を持っておくことが自分の心に負荷を掛けないためにできることです。
このように意識しても、どうしても他人からどう思われているか気になってしまうという人はカウンセリングを受けてみることをお勧めします。
カウンセリングでは、新しい環境での生活が始まった人の相談も受けています。
新生活は不安と期待の入り混じって心にストレスが掛りやすい環境ではあるので、新生活の中で心に余裕が持てないという場合はカウンセリングを利用してみて下さい。