盗撮が止められない人は何を考えているのか

テレビやネットで盗撮をした人が逮捕されたというニュースを見たことがあると思いますが、多くの人は『盗撮をする人は何を考えているかわからない』と感じるのではないかと思います。
女性に迷惑が掛かり、傷つけてしまうことにもなる行為であり、逮捕されて刑罰を受けることになるのに盗撮をするのはなぜかと疑問に感じるでしょう。

多くの人は、盗撮をする人の気持ちを理解することが難しいと思うでしょうが、自分が盗撮をするようになってしまった人や家族が盗撮で逮捕されてしまった人は、盗撮という問題が自分の人生で向き合わなければならない問題となり、盗撮をしないため、させないためにその心理についても目を向ける必要が出てきます。

性犯罪の再犯を抑止するためのカウンセリングをしていると盗撮をした人の気持ちを聴くことになるので、盗撮をする人の心理を知ることになります。
このページでは、もう盗撮を止めたいと思っている方や家族が盗撮をしたことを知り悩んでいる方に読んで頂きたいことを書いています。

盗撮を実行できる背景にある都合の良い思い込み

盗撮をしている人の心理的特徴として顕著なのが、盗撮をされている女性に関する思い込みです。
『女性は盗撮されていることに気づいていないはず』
盗撮を止めるためにカウンセリングが必要な理由の1つは、この勘違いを正す必要があるからです。

確かに、気づいていない女性もいると思いますが、実は気づいている女性も少なくないというのが現実です。
これはカウンセリングで加害者の人が逮捕された時の状況を聴いていると、女性が盗撮をされていることに気づいていることが明らかだと感じる事例がたくさんあるので、そこから推測した情報です。

女性は、気づいていたとしても後ろから盗撮をするような男性は、まともな人格ではないと思うので怖くて「やめて欲しい」と言えないというのが現実です。
しかし、精神的にも強い苦痛を感じるし、そんな人を放っておけないので女性は駅員に伝えたり、警察に連絡したりされているそうです。
その結果、しばらくして逮捕されるということになります。

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否認の心理が強いと盗撮が止められない

性犯罪者は、否認の心理が強いという特徴があります。
否認の心理とは、不都合な事実や自分の異常さ、問題点を受け入れないという心理で、この心理が盗撮を繰り返すための言い訳づくりになっています。

盗撮の常習者が持っている否認の心理
  • 盗撮をされていることを女性は気づいていない
  • 気づかれなければ傷つけることもない
  • 気を付けていれば捕まらない
  • 止めようと思えば、いつでも止められる
  • 短いスカートをはいている女性も悪い


このように心の中で盗撮をするためのさまざまな言い訳づくりを行っていて、その心の中の言い訳が、やってはいけないことを行動に移す自分への許可になっているのです。

カウンセリングの中で、このような心理について聴いていると、呆れてしまいそうになったり、憤りを感じることもあるほどです。
ただ、この否認の心理は、性犯罪加害者が向き合って認め、改善をしていく必要があるものなので、カウンセリングでは安易に思い込みを指摘せずにしっかりと話を聴き、質問をしながら、性犯罪加害者本人が否認の心理を持っていることに気づくことが改善の第一歩となります。

盗撮を繰り返す人が心の中で考えていること

いくら事実を否認しても、盗撮を続けていると逮捕されてしまいます。
逮捕された後の後悔と反省の度合いは、盗撮の加害者の話を聴いていると個人差があると感じています。
ただ、再犯に至る心理に関しては、ある程度共通しています。

例えば、下記のような特徴があります。

盗撮を繰り返すために心の中で行われている言い訳
  • また盗撮をしたいと思っていてもそれを認めない
  • カウンセリングで衝動があることを正直に言わない
  • 自分の意思だけで改善できる
  • 一度つかまったが、次はバレないようにできるはず
  • 反省も後悔もしているので再犯をするはずがない


盗撮をして一度つかまった人は、もしこのような心理が自分の中にあるのであれば、再犯をしてしまう可能性はとても高いと言えます。
まだ、カウンセリングを受けたことがないのであれば早急に受けることが必要です。

また、自己判断でカウンセリングを中断した場合でも、上記のような心理状態になることがあれば、カウンセリングを再開する必要があります。

盗撮を止めるためにはカウンセリングへ

盗撮は、痴漢などに比べて刑罰は軽いかもしれませんが、罪という観点から考えると、女性に不快感、恐怖感、男性への不信感を与え、自尊心も傷つける行為で、自分の問題点を重く受け止めるべき行動です。
再犯が繰り返される背景には、罪の意識を維持し続けることができず、罰が小さいことで再犯をしてはいけないという意識が芽生えにくい人がいるといことが関係あると思います。

カウンセリングの中では、加害者が受けた罰ではなく犯した罪という観点から自分の行いを省みて再犯をしない意識を高めてもらうように促します。
それには時間が掛かるため、最初はもう罰は受けたくないという気持ちで盗撮行動が抑止されていればいいのですが、罰を受けたことが再犯を抑止するだけの力にならないことは性犯罪の再犯が多いことで証明されています。

罰の意識で盗撮行動が止まっている間にカウンセリングを受け始めて、罪という観点から問題のある行動をしないという意識を高めていくこと、そして再犯の可能性を低下させるための努力を継続することが再犯をしないために必要です。
盗撮は、罰を受けて後悔をしたという体験だけで止め続けるということは難しいので、止め続けるために必要な考え方や生活習慣を身につけるためにカウンセラーに相談して下さい。


盗撮をしている人、盗撮で逮捕されたことがある人がこの記事を読まれたのであれば、カウンセリングを受けていただきたいと思います。
盗撮をして逮捕された方のご家族が読まれた場合は、カウンセリングを受けるようご本人に促してほしいと思います。