無料カウンセリングを受ける前に知って欲しいこと

この記事は、カウンセリングを受けようか検討中の方に無料カウンセリングについて知っておいて頂きたいことを書いています。
この記事を最初に書いたのは、2020年よりも前だったと思うのでここに書かれている内容は多少現在の状況と変わっているかもしれないので、それを踏まえて読んでみて下さい。

無料カウンセリングと無料相談

無料で自分の悩みを相談できるところを探しているという方に知っておいていただきたことの1つは、カウンセリングと相談という2つのサービスには違いがあるということです。
全く違うものではありませんし、共通するところもあるのですが、違いをわからずに利用すると期待とサービスの内容の違いにガッカリしてしまうこともあるので、簡単にカウンセリングと相談の違いを説明します。

カウンセリングは、相手の感情を受け止め、アドバイスよりも相手の気づきや思考することを優先するアプローチを行いますが、相談の場合は、情報やアドバイスを提供することにアプローチの比重が置かれていることが多いと言えます。
カウンセリングの場合は、相談者に対して提供できる情報やアドバイスを持った上で、話を聴いて心理的な影響を与える専門技術が求められる行為ですが、相談は自分が把握している情報と知識や経験に基づくアドバイスが提供できれば良いと言えます。


誰かに悩みを聴いてもらいたいと思った時は、自分が求めているものがカウンセリングなのか相談なのか自覚してサービスを選ぶことが大切です。
ちなみにカウンセリングの中には情報やアドバイスの提供するというアプローチも含まれていて、腕の良いカウンセラーは話を聴いてアプローチの比重を相手に合わせて使い分けることができます。

ただ、無料のカウンセリングで腕の良いカウンセラーにあたる可能性は少ないのではないかと思います。
なぜなら、腕が良くて人気のカウンセラーは無料カウンセリングを行っている余裕がないほど相談依頼が入ってくるからです。

無料で悩みを聴いてもらうリスク

無料カウンセリングには、下記のようなリスクがあります。

・質の悪いカウンセリングにより、心が傷ついたり、状態が悪化する
・話を聴かずに有料の高額なカウンセリングを受けるよう勧誘される
・カウンセラーに依存してしまい、共依存関係になってしまう

無料カウンセリングを受けようかと考えている時は、そこがどんな施設であり、どんなカウンセラーがカウンセリングを行っているのか、なぜ無料で受けることができるのか、ということが明確に示されているところを選ばれることをお勧めします。

例えば、行政が行っているから無料である、経験豊富な評判の良いカウンセラーが、初回だけ無料にしているなどです。
ただ、行政の場合はカウンセリングではなく、一般的な相談という場合もあるので、公認心理師が対応してくれるかどうか確認しておいた方が良いでしょう。

有料だと誰からもカウンセリングの依頼をもらえないカウンセラーが行っている無料カウンセリング、料金設定が10回数十万円というチケット制で無料カウンセリングを受けた人にチケットを売ろうという場合は、利用しないように気を付けて下さい。

カウンセリングは、ある程度は費用が掛かりますが、腕の悪いカウンセラーの無料カウンセリングを何度も受けるくらいなら、腕の良いカウンセラーに数回だけでも相談する方が、少しでも悩みの解決に近づきます。
カウンセリングを受けてみたいとお考えの方は、無料カウンセリングの利用についてはよくよく気を付けて下さい。

無料カウンセリング、無料相談を行っている機関

無料カウンセリング、無料相談ができるところを探しているという方には、相談ができる期間についていくつか情報を掲載しているのでよかったら参考にして下さい。
ただし、上記に書いてあるようにカウンセリングと相談の違いを理解して、その上でリスクも承知の上で利用して頂くことが感じです。
万が一、期待通りの対応をしてもらえなかったり、嫌な思いをした場合は、その時はこの記事に書いてあることを思い出して相談を止めて欲しいと思います。

電話やネットでできる無料相談

電話でなら、こころのほっとラインよりそいホットライン、などがあります。
チャットで相談できるものとしては、生きづらびっとこころのほっとチャット、などがあります。

どのサービスもスマホがあれば利用ができるので、どうしてもつらい時に緊急で相談できるという点では良いサービスだと思います。
ただ、いつも同じ人が担当をしてくれるわけではなかったり、相手の専門性がどれほどかがわからないということも考慮して利用した方が良いでしょう。
個人的には、上記のような緊急時にも利用できるサービスと本格的に時間を取ってじっくり相談するサービスを使い分けると良いかと思います。

行政の無料相談

無料で悩みを相談できるところとして思い浮かぶのは市役所などの行政機関です。
行政の場合は、利用する人がお金を直接払っていないだけであって、税金によって相談員のお給料が出ているので、利用者がお金を払わなくてもカウンセリングを提供することができるのです。
ただ、カウンセリングという名称ではなく、市民相談や無料相談窓口として行っているところが多く見受けられます。
サービスの質もカウンセリングよりは相談対応という感じが多いと思います。

女性の悩み相談、子育て相談という形で行っていて、担当してくれる人は必ずしも心理職の資格を持っているわけではないようです。
弊社のクライエント様の中には、カウンセリングと市役所の無料相談を上手く使い分けておられる方がいて、心理学的知見が必要な相談に関しては弊社を利用して、とりあえず他人目線からのアドバイスが欲しい時は市役所の無料相談を利用しているという方がおられます。

このように悩みの内容や程度によって相談するところを意図的に使い分けるのは賢い方法ではないかと思います。
自分が相談する相手に対して持っている期待値を自覚していれば、相談したことによる満足度は得られるでしょう。

民間のカウンセリングルームの無料カウンセリング

民間のカウンセリングルームでも無料カウンセリングを行っているところは存在します。
民間のカウンセリングルームが、無料カウンセリングをしている理由はいろいろありますが、一つは開業したてで多くの人に認知してもらうために無料で受けてもらう期間を作っているというケースがあると思います。
他には、無料カウンセリングとして相談に来た人に今後は有料で受けるように勧誘をしているというところもあります。
この場合は、カウンセリングと称した勧誘なので、利用した人はカウンセリングを受けた気持ちになれません。

無料でカウンセリングを受けることができる機関を探しておられるなら、物足りない対応や期待とは違った対応、不適切な対応をされる可能性もあることを意識して、良くなければ利用し続けないように心掛けて欲しいと思います。
不適切な無料カウンセリングを受けることで、お金は使っていなくても自分の大切な時間は浪費していることになるし、場合によっては精神的に負荷を負うことがあるので気を付けて欲しいと思います。

無料カウンセリングを行わない理由

弊社にも、年間で数回は無料カウンセリングを行っていますかという問い合せがありまが、AXIAでは、無料でカウンセリングは行いません。

なぜなら、弊社は毎日のように新規の予約が入る状態で、一度カウンセリングを受けた方にはリピーターとして繰り返し利有して頂いております。
そのため、有料でカウンセリングを利用して下さっている方のために予約の枠を確保しておきたいと考えています。
無料カウンセリングを行ってしまうと、有料で利用して下さっている方が予約を取れるはずだった枠をつぶしてしまうことはできないのです。


無料カウンセリングの意義

私は無料カウンセリングを行うこと自体には、それなりの意義があるとは思っています。
一般的には心の病でカウンセリングを受けるにしても保険は効きませんし、心の病以外の相談では保険適用で受けることはできません。
2019年以降は、公認心理師という国家資格が誕生したので、病院でのカウンセリングの料金などは多少変化してくるかもしれませんが、まだ決して安いとは言えないと思います。(2022年4月現在)

カウンセリングの費用はそこそこ掛かるので、中には無料カウンセリングという選択肢を選べるところがあってもいいと思うのです。
民間のカウンセリングルームなら、ずっと無料で受けてくれることは難しいですが、初回だけ無料ということで少し相談しやすくなり、一度無料で利用したことによってカウンセリングを受けることのメリットと必要性を感じて頂けるなら、無料カウンセリングの意義はあると思っています。

だだ、この記事にも書いてあるようなリスクもあるので、無料カウンセリング、無料相談をご利用になる場合は慎重に相談先を選ぶこと、無料で行えることには限界があるということを理解して利用して頂くことが安全だと言えるでしょう。