行動主義心理学とS-R理論

ゲシュタルト心理学と同時期に生まれたものに行動主義心理学があります。
これはジョン・ワトソンが唱えたS-R理論を軸とした心理学です。
S-R理論とは、刺激(Stimulus)と反応(Response)から人間の行動を解明
するための理論です。

このことからも心理学とは、目に見えない心を観察するのではなく、行動という
目で確認できるものと心の関係を研究する学問であると言えます。

S-R理論と古典的条件付け

S-R理論を説明するにあたって古典的条件付け触れておこうと思います。
古典的条件付けとは、レスポンデント条件付けとも呼ばれている学習の1つの形で、
刺激によって生まれる反応の関係に条件を足すことによって、足された条件が
反応を生む刺激に変わるというものです。
遺伝的に組み込まれた反応と、無関係な反応とを学習によって結びつけることが
できることを証明した原理です。

有名なのはパブロフの犬の実験です。
犬に餌を与える前にベルの音を鳴らすということを繰り返えすと、次第にベルの
音を聞くだけで唾液を分泌するようになるというものです。
最初は餌という刺激でなければ唾液が分泌されなかったものが、ベルの音という
刺激が唾液を分泌する刺激に変わったのです。

S-R理論からS-O-R理論へ

ハルとトーマスという学者は、S-R理論をS-O-R理論を提唱しました。
これは、刺激(Stimulus)と反応(Response)の間には認知(Organism)が
存在しており、同じ刺激を受けても認知の仕方によって反応が異なるという
ことを説明した理論です。

S-O-R理論と認知地図

S-O-R理論で説明されているように、人の行動は認知の影響を受けます。
そのことをトールマンは、認知地図という考え方で説明しています。
認知地図は自分の認知を図式化したもので、どのような認知地図を持っている
かによって行動と行動の結果に違いが出ます。
ある目的を達成するためには、それに見合った認知地図を持っている人は達成
可能ですが、間違った認知地図を持っている人は達成ができません。

オペラント条件付け

認知地図と一緒に覚えて頂きたいのがオペラント条件付けです。
これは古典的条件付けのように、遺伝的に組み込まれた反応を誘発する刺激に
よって行動を促すのではなく、行動の結果によって報酬が得られたり、不快な
ことや危機を避けることができたという学習の積み重ねによって、自発的に
行動を起こすようになる原理のことです。

例えば、結果は保障されていなくても努力をしたことによって報酬が得られる
ということが続いた場合、自発的に努力を継続するようになるということです。
これは、子供のしつけや社員教育にも応用できる原理です。

最後に

カウンセリングにおいても行動主義心理学の考え方を応用したアドバイスを
行う必要がある場面があります。
クライエントの行動変容を上手く引き起こすことができているカウンセラーは、
行動主義心理学を分かりやすい言葉で、適したタイミングで活用できていると
思います。