ギャンブルに依存しやすい人の心理的特徴

ギャンブルに依存しやすい人の中には、貧困妄想という心理的特徴を持っている傾向が強いと感じています。
カウンセリングの中で話を聴いていると、その心理的特徴が感じられる発言を聴くことがあります。
その発言とは以下のようなものです。

「お金がないからカウンセリングを受けることが難しい」

この言葉は、ギャンブルでお金を使ってしまったからお金がないという事実以上に、もともといくらお金があってもお金が足りないように感じてしまう心理的な特徴から発せられている言葉であることが多いのです。

ギャンブル依存症の人は、カウンセリングにかかる費用とは比べ物にならないくらいの金額をギャンブルに使っているので、ギャンブルを止めていればカウンセリング代を捻出することは難しくない人が多いで、上記のような発言には頭をかしげたくなります。

お金はあるのに『お金がない』と感じる貧困妄想

カウンセリングを受け始める数日前までギャンブルにお金を使っていた人が、自分はお金を持っていないという言うのです。

毎月の給料のほとんどをギャンブルに使ってしまい、奥さんの給料で生活をしている状態の人の場合、ギャンブルにお金をつぎ込んでも当面の生活はできるほど収入はあるのですが、本人はお金がないと感じています。

お金を持っているのに『お金がない』と本当に不安になってしまうことを貧困妄想と言います。
貧困妄想とは、自分の収入がいくらであってもお金が足りていないという妄想が浮かんでくる心理的特徴です。

ギャンブル依存症の人の話を聴いていると、ギャンブルにはまっていった背景にもお金がないという根拠のない不安が動機となっていて、ギャンブルに負けることによって不安が強化され深みにはまっていくという傾向があります。

貧困妄想はうつ病の症状の一つ

貧困妄想は、うつ病の症状の一つでもあります。
貧困妄想を抱えたギャンブル依存症の方も、うつ病の人が抱えている以下の特徴が当てはまる人も少なくありません。

興味や喜びの喪失、自尊心の低下、思考の進みづらさ、集中力の低下などがみられるのですが、純粋なうつ病の人との大きな違いは、ギャンブルをすることで脳を興奮させてうつ症状による辛さを胡麻化しているという点です。
仕事には興味や意欲がわかなくても、ギャンブルをする意欲はあるという状態です。

貧困妄想という心理的特徴は、ギャンブル依存症の改善の難しさにもつながっていると感じています。
なぜなら、ギャンブルにはお金を使うことができても、ギャンブル以外のことにお金を使うことに抵抗を感じる、お金がないという不安からギャンブルをしたくなるという心理が働くため、根気強く改善のために取り組むことができないからです。

貧困妄想がある人にギャンブルを止めさせるには

貧困妄想がある人がギャンブルを止めるのは容易ではありませんが、カウンセリングを受けることで習慣を変えていくしかありません。

カウンセリングを受けてギャンブルを止めることができている人の特徴は、依存をしている当事者が貧困妄想のためカウンセリングの継続を拒んでも、家族が当事者にカウンセリングを受けることを求め続けているという点です。

反対にギャンブルを止められない人は、当事者が貧困妄想によりカウンセリングを受けない、家族もそれを受け入れてしまうという特徴があります。

ギャンブル依存症を克服するカウンセリングは、貧困妄想によるカウンセリングへの抵抗を乗り越えることが最初の大きなハードルです。

カウンセリングの継続を援助する存在が必要

貧困妄想のあるギャンブル依存症の人は、その人がカウンセリングを継続することを支える人の存在があることが望ましいと言えます。
なぜなら、『お金がないからカウンセリングを受けられない』と思っており、『お金がないからギャンブルを増やさなければ』と思っていて、ギャンブルを続けてしまうからです。

貧困妄想、興味や喜びの喪失、自尊心の低下、思考の進みづらさ、集中力の低下という特徴がある人は、コツコツと努力することが現状を改善するというビジョンが持てません。
そのためカウンセリングを受け始めても、数回で来なくなりギャンブルを再開してしまいます。

そのため、両親や配偶者、子供など、身近な人がカウンセリングの継続を促し、一緒についてくるなどして、ギャンブルの再発を抑える必要があります。

カウンセリングによる心へのアプローチ

貧困妄想がある人が、家族に厳しく言われて一時的にギャンブルを止めても再開してしまうのは、ギャンブルという行動だけを止めて心理的な特徴の改善は行っていないからです。

貧困妄想が強い人がギャンブルを止めるには、カウンセリングの中でギャンブルに関する話よりも貧困妄想をはじめとした心理的要因に関する話をしていく必要があります。
家族だけでは、その部分のアプローチを行うことは難しいため、ギャンブルという行動を止めているうちにカウンセリングによる心理的要因の改善を目指すのです。

貧困妄想を抱えたギャンブル依存症の方は多いので、ご家族で改善に取り組んで頂ければと思っております。


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