子供の人格形成の始まり

『人間の人格は、いつから形成されているのか?』という質問を運営している
Facebookページの中で投げかけた時に、
・生まれる前に始まっている
・生まれてから始まる
という2つの答えに別れました。
では、どちらの答えが正しいのでしょうか・・・。

Facebookページ『アクシア・メンタルラボ』

人格が生まれ持ったものなのか、生まれてから形成されるものなのかという答えは、
人格形成がいつ始まると考えるかによって違います。
そのため、質問の答えは、ある意味どちらも正しいというのが結論です。

人格は他人からの影響を受けて形成される

実は、胎児の耳は妊娠24週くらいから聴こえるようになるらしく、少なからず
母親の胎内にいる時から環境を受けているそうです。
また、母親自身の精神状態も胎児の時点での人格形成に影響すると言われています。

人間の性格には、気質と言われる遺伝的性格というものがあると言われていますが、
遺伝ということは受精のタイミングで決定した性格の要素ということになります。
それに対して人格は、環境から受ける影響によって形成されていきます。
その影響を受け始める時点を母親の胎内と考えると生まれる前に人格形成は始まって
いて、生まれてからの成育環境と考えると人格は生まれる前には備わってないという
ことになります。

脳科学では、まだまだ解明できていないことも多いのですが、私は胎内にいる時に
受けている影響は0ではないけどかなり小さいと思っています。
人格形成に必要な要素を考えると、生まれてから受ける影響の方がはるかに大きく、
一人の人間の人格の特徴の大半は生まれてから形成されるという意見です。

ただ、胎内で受けた影響によるもの中なのか、受精後に脳が作らる過程で生じて
いるものなのかは定かではありませんが、生まれつき人格に歪みが生まれやすい
脳の特徴を持って生まれてくる人がいるとも言われているので、胎内で受けている
影響によっては生後の人格形成では大きく変えることのできない特徴が形成されて
いるとも考えられます。

一般的には、生まれてから養育者との関係の中で形成される特徴が人格となって
いくので、成育環境の中で人格が健全に形成されるという前提の元、人格形成に
必要な心理的特性について説明したいと思います。

人格が健全に形成されるために必要な心理的特性

人間が生まれてから大人になっていく過程では、環境の中でさまざまな影響を
受けます。
人間の脳は、人間ならではの特徴があり、それが人格というものを必要としている
理由でもあります。

本能が壊れた人間

人格とは、自分の行動をコントロールして、他人や社会と関わっていくための必要
な心理的特特徴です。

人間は本能が壊れた動物だと言われています。
動物として備わっている生存欲求や社会で生きていくために必要な所属の欲求、
承認欲求などがあり、コントロールが効かなければ際限なく求めてしまう傾向が
あります。
人間は、他の哺乳類に比べて未熟な状態で生まれてくるのですが、その条件で生き
残っていくためには本能が壊れる必要があったそうです。
しかし、成長するにしたがって本能をコントロールできないことが生命を維持する
上で支障をきたすため、人格という本能をコントロールする脳の機能も発達した
のです。

親子関係が人格を支える心理的特性を育む

私達は、人格が成熟するほど周囲の人と協力して生きやすい環境を作っていくこと
ができるのですが、生まれた時点では安定した人格は備わっていないので赤ちゃん
は本能のまま生きています。

人格が安定するには、養育者との関係の中でいつくかの心理的特性が育まれる
必要があります。
厳密に言うと人格の成長は一生続くのですが、幼いころほど脳の発達も活発なので、
人格の形成も一気に進むため、人格の土台は幼少期に作られると考えられます。
では、人格形成に必要な心理的特性について説明したいと思います。

➀主体性

主体性とは、自分のしたいことやすべきことを、リスクと責任を抱えて判断し、
行動に移す心の機能です。
主体性が育つためには、親が子供の意思を受け止め、主体性を発揮する機会を
損なわないことが大切ですが、支配的な親、過干渉な親の元では主体性が育ち
にくいと言えます。

②内省力

自分が何を感じているのか、どうしたいのかを把握することや自分の行いを
省みて改めるための心の機能です。
親がどのように子供に問い掛けを行うかによって内省力の発達に差が出ます。
親が子供の意思を確認せずに、自分の言い分に従うような言い方をすると
内省力が育ちにくくなります。

③自尊心

自己評価や他者評価に左右されず、ありのままの自分を受けれることができる感覚。
親子関係の中で、他者との比較や世間体という観点から評価され続けると自尊心
は育ちにくい。
まずは、親にありのままを受けれいてもらえているという安心感が自尊心を育む
土台となる。

④責任性

責任性とは、自分という存在の言動には責任が伴うことを感覚的に理解している
心の機能。
責任は自分と他社や社会との間で生じるもので、家族関係の中でも生じる。
親は、子供が年齢に応じた責任を自覚するように促す必要があるが、過剰な責任
を押し付けたり、親が責任を肩代わりしてばかりだと責任性が育まれない。

⑤同一性

過去から現在、そして未来を通じて自分という存在がつながっているという感覚。
同一性のある人は、異なった環境や人間関係の中でも表面的な態度に違いが
あっても、その人の本質が維持されている。
そのため他人から安定した評価をされている。
➀~⑤までが安定して育まれている人は同一性も安定している。

 

上記で説明した心理的特性は、親が同じように関わっても生まれ持った子供の
性格によって身に付き方が違ってきます。
個人差があることは仕方がありませんが、親の関わり方によって健全な成長を
妨げることがないように注意することは大切です。

壊れた本能をコントロールするために人格が必要

5つの心理的特性が安定して育まれ人格が成熟するほどに、欲求をコントロール
する力が高まります。
そのため、自分の欲求を適切に実現するための方法を選択し、努力を継続できる
ようになります。
また、自分の欲求を満たすことによって自分や他者の不利益になる行動を選択
しないという決断ができるようになります。

私達が『人格者』だと思える人は、欲求のコントロールが上手くできています。
自分の行動を律することができていて、自分だけでなく、周囲の人にも良い影響
が生まれる行動を選択することができています。

 

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