前回前々回と、依存症の概要について簡単に説明しました。
前回、最後の部分で、次回はネット依存についてお話をするとお伝えしていたのですが、
大切なことを書かせていただいていないことに気付きましたので、少し予定を変え、
今回はその大切なことについて書きたいと思います。

その大切なこととは、依存症の深みにハマってしまう理由についてです。

やめられない理由

以前、何かしらのことで楽しいと感じたり、期待した事がその通りになったりした時、
脳内でドーパミンが分泌されること。
そして、そのことを何度も繰り返す内に、脳内に“そのことをする=快楽が得られる”という
神経回路が作られるというお話をしました。

ところが、このドーパミンという物質は、なんども分泌されると、
そのドーパミンを受け取る神経が減少し始めます。
これが減少すると、これまでそのものに対して感じていた、
“楽しい”という感情の度合いが減少してしまうんですね。
ところが、こうなってき始めた時はすでに、無意識の中で楽しみ=その行為と
なってしまっており、他の楽しみなどが、自然と思い浮かばなくなっています。

とある説では、ドーパミンを受け取る神経の減少により、
全ての喜びなどの感情が湧きにくくなるという説もあります。

そのため、脳は効率よく喜びなどの快楽を得るため、依存行動を取るように指示を出してくる。
それどころか、ドーパミンを受け取れる量が減っているため、「もっと寄越せ!!」と、
やりたい衝動をより強く出してきたりもします。
どうしたらもっとドーパミンが分泌される(嬉しいなどの快楽を得られるか)かばかりを考え、
その分泌がされる行動をひたすら繰り返そうとしてしまうんですね。

ところが、思うように快楽が得られないため、イライラしたり、気分が沈んだりするようになり、
なりふり構わず依存行動を取ろうとするようになります。
アルコール依存やギャンブル依存、ネット依存などで暴力事件が起こったりしているのは
こういう理由なんですね。

もうしたくないのにしてしまう

それって逆にストレスがたまるんじゃないか?と思われた方のいらっしゃると思います。
そう感じた方は鋭いですね。
確かにストレスは溜まる一方なんです。
依存症になるまでは、10のストレスに対し、行動をすることで5減っていました。
ところが、依存状態が進行するに従い、
10のストレスに対し、行動ができないストレスがプラスされ、
そこからようやく依存行動によるマイナスされるようになります。
このマイナスされる分は徐々に減っていき、
行動をしても変わらない・下手をすると10のストレスに行動出来ないストレス、
行動をしてしまったというストレスが加算されるところまで行くようになります。
ところが、そうなってもやめられないんですね。
もうしたくない。嫌だと思い、泣きながらしてしまう人がいるのは、そういった理由なのです。

ただし、正しい対処と行動を取ることで、ドーパミンを受け取る神経は復活し、
喜びなどをきちんと感じられるようになります。
ただ、だからといって、依存行動を一度でも再開してしまうと、すぐに依存状態に
逆戻りしてしまいますが…

さて、本日は、深みにハマってしまう理由についてご説明をしました。

もしも、少しでも自分が依存症ではないかと疑っている方がいらっしゃいましたら、
早めにカウンセリングに来られることをお勧めします。
ご自身が本当にやめるんだという強い意志も大切ですが、早く適切な対処をすることで、
回復までの期間も短く済みます。

次回こそは、ネット依存について入らせていただきます。