こんにちは。AXIAの蔵野です。

 

前回、ギャンブル依存症の改善には、時間の使い方の習慣を変えていくことが
必要で、空いた時間などにギャンブル以外のことをして過ごす習慣をつける、
それを継続して定着させていくことが大切だという話で終わりました。

苦労せずに他のことへ意識を向けられるといいのですが、実際そうもいきません。
改善に取り組み始めてすぐは、ギャンブル以上に自分が満足感を得られるものが
見つかりづらいのです。
それにはドーパミン神経が関係していて、依存症改善のカウンセリングでは
必ず説明しています。

 

そこで今回は、依存とドーパミンの関係について書きたいと思います。

 

 

脳には、報酬系と呼ばれるドーパミン神経があります。
本能に根ざした快楽を担うこの神経が刺激されると、ドーパミンという物質が分泌されます。
私たちは、このドーパミンによって憩いや安らぎ、多幸感、意欲を感じるのです。

 

ギャンブルによる刺激に限らず、覚せい剤やニコチンも同じことがいえるのですが、
これらの使用は報酬系(ドーパミン神経)を強制的に刺激する力があります。

本来であれば、報酬系(ドーパミン神経)を刺激されれば、先ほど述べたように
憩いや安らぎを感じられるのですが、こうした強制的な刺激を繰り返すと
報酬系の神経が鈍ってくるため、ドーパミンの分泌も少なくなってくるのです。

すると、最初は少しの刺激でも満足していたはずが、脳は次第にその量に慣れてきて
しまうので、どんどんそれ以上の強い快感をもたらしてくれる刺激量を求めるように
なります。これを「耐性」といいます。
ギャンブル依存症の場合は、この「耐性」によって、ギャンブルにかける金額や
通う頻度が多くなっていきますし、タバコなら吸う本数が増えたりといった状態に
なっていきます。

 

①強烈な快感のためにドーパミンが強制的に搾り取られてしまうことを繰り返す

②報酬系(ドーパミン神経)の感受性が鈍くなる

③ドーパミンの分泌が少なくなる

④日常的な刺激ではドーパミンが十分に分泌されず、欲求不満状態になる

⑤強制的にドーパミンを出してくれるほどの強烈な刺激を求める

(①に戻る)

 

上のようにまとめてみましたが、

本来、依存対象へ依存する前には味わえていた幸福も、感じづらくなっています。
たとえば、それまでは、美味しいご飯を食べたりお風呂に入って「心地よい」と
感じることでもドーパミンは出ていたと思いますが、今はもうそれくらいのことでは
十分に出なくなっているのです。

今回の記事の始めの方に書いた、苦労せずに他のことへ意識を向けられるといいのですが
実際そうもいかず、改善に取り組み始めてすぐはギャンブル以上に満足感を得られるものが
見つかりづらいのも、このためです。

 

 

ギャンブル依存症の改善には、ギャンブル断ちから始めていただきますが、
しっかりとギャンブルから離れて生活することを習慣づけていただき、そのなかで
報酬系(ドーパミン神経)の回復をはかります。
すると、はじめのうちは多少無理やり感はあっても、段々とギャンブル以外のことで
十分な幸福感や満足感を得られるようになってきます。

実際、カウンセリングをさせていただいていると、取り組みを継続されておられる方々に
関しては、ご自身の変化を実感されているという方が多くいらっしゃいます。

 

しかし、改善には、この段階に辿り着くまでがまず大変かと思います。
改善のスピードには個人差があり、一概にどれくらいの期間がかかるかは言い難いのですが、
私が対応させていただいたケースでの経験上では、大体改善に取り組み始めて3~4か月頃には
この段階に入られる方が多い傾向にあります。
あくまでもひとつの目安であり、且つ、しっかりとカウンセリングに続けて来られている方の
傾向である、という前提で参考にしていただければと思います。

 

 

今回は、カウンセリングというよりも、依存とドーパミンの関係について書きました。

もし依存症の改善を目指されている方がいらっしゃるなら、依存とはどういう状態か、
依存の仕組みを理解していて、ご自身・ご家族の状態への不安、疑問に応えながら
改善へ導いてくれる専門家にご相談されることが望ましいです。

 

ギャンブル依存症のご相談について