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心の病とアイデンティティー

自分なりの自信を持てるように

  カウンセリングをしていて、人の持つアイデンティティーと心の病には深い関係があると
  感じるようになりました。
  アイデンティティーは、『環境や時間が変わっても、変わる事がない自分という存在の根本』
  のようなもののことで、自分という人間のアイデンティティーを意識して生きている人は
  少ないと思います。

  それは、特に意識しなくても、人には家族、職場、地域の中での役割があり、役割を演じて
  いることで改めて自分のアイデンティティーを強く意識しなくてもいいからなのです。

  無意識に役割を演じながら日々を送れている時は、人は自分の人生に疑問を持つ事はないが、
  何かのきっかけで自分の役割に疑問を持ち始めると、それが漠然とした悩みや不安へと
  変わってくる。
  自分の役割に対する疑問や不安は、人に表現する事や味覚に自覚する事も難しく、不明確な
  状態のままに心に抱え続けるので、それが形を変えて心や行動に表れてくる。

  例えば、下記のような悩みや行動に表れます。

  ・仕事や家事への関心ややる気が無くなる。
  ・漠然とした不安感が強まっていく。
  ・自分の人生に疑問を感じ始める。
  ・仕事に依存して、健康や家庭を省みず働くようになる。
  ・物事への執着が強くなり、盲目的になる。
  ・子育てが辛く感じるようになる。
  ・子どもにイライラをぶつけてしまう。
  ・恋愛で相手に依存しはじめ、それ以外の事がどうでもよくなる。
             ↓
   このような状態が長く続くと、心の病へと繋がっていく事もある。


  自分のアイデンティティーが、現在の役割のみに依存していると、そこに対する疑問や
  しかし、現在の生活の中だけでの役割ではなく、自分の過去に遡ってある程度確かな
  アイデンティティーが確立されてきている人は、精神や行動が安定していると感じます。

  過去から形成されるアイデンティティーは、例えば、どこの国、どの地域、どの家に
  生まれたという出生に関する自己意識で、その後親にどんなメッセージをもらいながら
  育ったかということ、その後は勉強、スポーツ、芸術など、自分が習得したものへの自信
  をよりどころにした自己意識などが上げられます。


  このような自己の根幹となるアイデンティティーが弱い場合、現在の役割に依存した
  アイデンティティーが揺ぐと、上記のような悩みを抱えやすく、それが継続する事により
  抑うつ状態になり、そこからうつ、不安神経症、依存症などの心の病を抱えるようになって
  しまうのです。


  おそらく、過去から自分のアイデンティティーがしっかりと順序良く確立されてきたと
  いう人は少数でしょう。
  そういった意味で、世の中の誰もが抑うつ状態になる可能性があり、その先の心の病も誰
  でもなる可能性があるし、人間は大なり小なり何らかの偏りを持って生きている事が自然だ
  とも思います。

  ただ、その偏りが大きくなりすぎて、自分の日常に問題を生む事があるので、問題が大きく
  なる前に改善したり、問題を生まないよう予防するためにも、自分を省みる習慣を持つ事
  大切だと思います。

  また、自分のアイデンティティーを、仕事、家庭、恋愛など一つの役割に偏らせるのではなく、
  それぞれの環境に上手に分散して意識しておく事も、上記のような悩みや行動を起こり
  にくくするための方法です。


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